2005年07月17日

ヒメシャクナゲ

ヒメシャクナゲ Andromeda polifolia


ヒメシャクナゲは、北半球北部の寒冷地に分布し、日本国内では、北海道と本州中部以北の亜高山帯〜高山帯のミズゴケの生える湿原に生育する常緑小低木です。ツツジ科ヒメシャクナゲ属に分類され、同属の植物は1属1種。種内の品種として、「カラフトヒメシャクナゲ」、「シロバナノヒメシャクナゲ」などが知られています。茎の根もとの方は地面をはって、枝分かれします。枝の上部はやや斜めに立ち上がって、高さは5cm〜25cmほど。

葉は枝の上部に集まってつき、互生します。長さ2cm〜4cmくらいの細長い線形、先はとがっています。分厚くて、葉脈はシワシワした感じ。縁にギザギザ(鋸歯)はなく、両側から裏面に向かって巻いています。裏面は粉をふいたように白っぽい。

花期は6月〜7月。枝先に3個〜6個ほどの花を下向きにつけます。花冠は紅紫色で、長さ5mm〜6mmほどのつぼ形。先はキュッとしまったおちょぼ口。先端の部分は浅く5つに裂けて外側に反り返ります。花柄も紅紫色で、長さは1cm〜1.5cmくらいあります。雄しべは10本で、先の「葯」には2本の角のような突起があります。雌しべは1本。

花後にできる果実は「さく果」で、直径は4mm程度。花は下向きですが、果実は上を向きます。写真は8月半ば、早くも標高の高い湿地では、もう秋の足音が聞こえてくるかのように、多くの植物の果実が見られるようになります。小柄なヒメシャクナゲの果実も紅色に染まって、湿原にやわらかな彩を添えます。

【和名】ヒメシャクナゲ [姫石楠花]
【別名】ニッコウシャクナゲ
【学名】Andromeda polifolia
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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ウィオラ・ソロリア

ウィオラ・ソロリア Viola sororia


ウィオラ・ソロリアは、北アメリカ原産東部原産の多年草です。日本の風土にはよく合っているようで、丈夫で花つきも良好。根茎はショウガのように太くなる性質があるので、十分な土壌が必要かと思ったりしますが、コンクリートとアスファルトのわずかな隙間にも、どっこい息づいていました。

葉も花も全体に大きく、見栄えのするスミレなので、庭で見るのはよいのですが、人家近くの雑木林の縁なんかで野生化したものを見ると、違和感を感じてしまうのは、それが外来種だという先入観があるからでしょうか。本当、勝手なものですね。

タチツボスミレなどに比べると、葉は花時期からやや大きめの円心形、先はとがって、基部の方は丸く巻き込む状態です。表面には光沢があって、葉脈もよく目立ちます。地上茎はのばさず、花茎は根もとから出すようで、葉の間から花をのぞかせるような咲き方です。つまり、花茎と葉柄を含めた葉の高さがあまりかわらないということでしょう。

ウィオラ・ソロリア Viola sororiaウィオラ・ソロリア Viola sororia


よく野生化している「ウィオラ・ソロリア」には、主に花色が濃い紫色のタイプと、白色で中心付近が紫色を帯びるタイプがありますが、前者は「Viola papilionacea」、後者を「Viola priceana」とされていたそうですが、現在では両者とも「Viola sororia」とされているようです。白色で中央が紫のタイプの学名は、「Viola sororia 'Priceana'」となっていることからすると、こちらは別種ではなく、ソロリアの園芸品種の1つだったということなのでしょう。プリケアナの花はちょっと「シロコスミレ」に似ているところもあるかな。さらに、ソロリアの園芸品種には、白色('Snow Princess')、しぼり、そばかす模様('Freckles')など、いろいろあります。

花期は3月〜5月。花の基本的なつくりは、日本のスミレと同じです。上の2枚の花弁は「上弁」、下の2枚は「側弁」、一番下にあるのが「唇弁」です。上弁や側弁が大きく丸く張出すような状態で、唇弁はやや小さめのことが多いのではないでしょうか。花の中心付近を見ると、側弁の基部には白い毛がたくさん生えていて、よく目立ちます。後に突き出す「距」は太くて短いものです。

7月半ばを過ぎ、もう梅雨も明けようとしている関東。開放花はもう見られませんが、花を開かずに果実ができる「閉鎖花」はさかんにつけているようです。丸くふくらんだ果実もときどき見られます。

【一般名】ウィオラ・ソロリア (ビオラ・ソロリア)
【和名】アメリカスミレサイシン
【英名】Common Blue Violet
【学名】Viola sororia
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/07/16、2004/04/16
【撮影地】東京都日野市、八王子市

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Botanic Journal − 植 物 誌 −」さんの記事「春の苔玉
自然に生えた草たちの苔玉がいい感じ。ビオラ・ソロリアの苔玉、アメリカフウロが飛び込んできた苔盆栽などなど。

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posted by hanaboro at 11:22| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(3) | スミレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ウツボグサ

ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. asiatica


ウツボグサは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の草地や田のあぜ、道ばたなど日当たりのよい場所に生育する多年草です。草丈は10cm〜30cm。ふつう、地面をはうように伸びる短い「走出枝(ランナー)」を出します。

葉は対生。長さ2cm〜5cmの「披針形」。披針形というのは、先がとがって付け根の方はとがらず、一番幅が広くなる部分が葉の中間より下の部分にある形です。縁の鋸歯(ギザギザ)は、ごく低いものが少しありますが、ほとんど目立たないものです。葉柄は1cm〜3cm。茎や葉柄に毛があります。

ウツボグサ Prunella vulgaris subsp. asiatica


花期は6月〜8月。茎の先の花穂に「唇形花」をたくさんつけます。花穂の長さは3cm〜8cm。花は下から上へと咲き進みます。名前は、この太い花穂の形を弓矢を入れる「靫」に見立てたものだそうです。花冠は紫色で、長さ1.5cm〜2cm。上唇は兜のような形で、下唇は3つにさけた真ん中の裂片が大きくて縁はフリル状に細かくさけてヒラヒラ。

花穂のあたりは何だか白くて長い毛が目立つのですが、そこには苞やガクがあって毛がたくさん生えています。苞はちょっといびつな形の心形で、毛はその縁にあります。ガクの方は上下2つにさける「二唇形」で、上唇は3つに浅く切れ込んで、下唇は2つに裂けます。花が終了すると、このガクは先が閉じてしまいます。一番上の写真だと、先が開いた状態のまま果実が成熟しているのか、中の4つの「分果」が見えます。

花がすっかり終わっても、黒くなった花穂がずっと残っている姿から、「夏枯草」の別名もあるとか。

【和名】ウツボグサ [靫草]
【別名】カコソウ [夏枯草]
【学名】Prunella vulgaris subsp. asiatica
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/07/05
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 07:18| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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