2005年07月18日

カマツカ

カマツカ Pourthiaea villosa var. villosa


カマツカは、本州、四国、九州、それから朝鮮半島や中国などに分布し、山野の雑木林などに生えるバラ科カマツカ属の小高木です。高さは5mくらいまでなります。樹皮は黒っぽい灰色、はがれたりはせず、縦にシワが入る感じになります。花や赤く熟す果実、紅葉が美しいので、ときどき庭にも植えられています。

葉の両面はほぼ無毛。表面ににやや毛のあるタイプを「ケカマツカ」、裏面に綿毛がたくさん生えているタイプを「ワタゲカマツカ」ということもありますが、これらの変異は連続的なのだそうです。葉は倒卵形で、付け根は細くなるくさび形、ふつう葉の中心より上の部分で葉の幅が一番広くなって、先端はとがっています。縁のギザギザ(鋸歯)は、細かく鋭いもの。質はやや厚めで、しっかり展葉した葉は何となくごわつく感じがします。葉柄は短くて、4mm〜5mm。葉は互生ですが、短枝に数枚が集まってつくことが多いです。

カマツカ Pourthiaea villosa var. villosa


花期は4月〜5月。短枝の先から出た花序に、だいたい10個〜20個程度の花をつけます。直径8mmくらいの白色の5弁花。花弁は丸く、小さな受け皿のような形状。雄しべがたくさん突き出して目立ちます。3本の花柱は下の方で互いにくっついています。ガクの先は5つにさけます。

果実の時期になるとよく目立つのですが、「果柄」にはブツブツと隆起したものがあります。これは「皮目(ひもく)」といって、サクラ類だと樹皮の縞模様になっている部分が皮目です。果実は、熟すと長さ7mmくらいの楕円形になります。先端に見られるへたのようなものは、ガク片が残ったものです。果序は次第に下垂してきます。

名前は、材が丈夫で簡単には折れないので、鎌の柄に使われたことから「カマツカ」というそうです。大工道具の柄にもされるとか。また、牛の鼻輪に使われたから、あるいは、鼻輪を通す穴を開けるために使われたことから、別名を「ウシコロシ」というとか。ウシコロシという名前からすると、有毒ではないかという印象がありますが、特に有毒というわけではないようで、赤く熟した果実は食べられるそうです。熟すのは秋。

【和名】カマツカ [鎌柄]
【別名】ウシコロシ [牛殺]
【学名】Pourthiaea villosa var. villosa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/07/05
【撮影地】東京都日野市

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ヤマトユキザサ

ヤマトユキザサ Smilacina viridiflora


写真は恐らく、ヤマトユキザサだと思います。ユリ科ユキザサ属の植物で、日本では、「ヤマトユキザサ (Smilacina viridiflora)」、「ヒロハユキザサ (Smilacina yesoensis)」、「ユキザサ (Smilacina japonica)」などが知られています。ヒロハユキザサは葉の両面が無毛で花序の毛も少ないということで、今回のものは毛がやや多いので、まず消去しました。ヤマトユキザサとユキザサの違いは、果実の時期では少し難しそうですが、まずユキザサからチェックしてみます。

ユキザサは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内に生える多年草です。茎は斜めに弓なりに伸び、長さは20cm〜70cm。茎や葉の両面に毛がたくさん生えています。葉は長楕円形で、先はとがります。長さは5cm〜15cm。

花期は5月〜7月。茎の先から円錐花序が出て小さな花がたくさんつきます。ふつう、花序や花柄には毛が多いです。花は白色で、6つの花被片があります。1つ1つの花被片は、長さ4mmの幅の狭い長楕円形。雄しべも6本あって、先端の「葯」は淡い黄白色。中央にある雌しべの柱頭の先は、浅く3つに裂けます。果実は球形で、後に赤く熟します。

ふつうなら、この説明で終了したいところなのですが、今回の写真のものは、針葉樹林内で見られたものなので、ユキザザよりも標高の高い場所に生育し、本州中部以北に分布する「ヒロハユキザサ」や「ヤマトユキザサ」が候補にあがります。ヒロハユキザサは最初にチェックしたとおり、今回は違うと思いますが、ユキザサと残りの2つの大きな違いは、ユキザサの花が「両性」なのに対して、ヒロハユキザサとヤマトユキザサは「雌雄異株」。雌しべの裂けた花柱の長さがそれぞれ違っていて、ヒロハユキザサが最も長く、次いでヤマトユキザサが長くなっています。ユキザサの雌しべの花柱はわずかに3裂するのみです。雄花はちょっと緑色っぽい。

そこで、今回の写真の場合ですが、撮影したのが8月半ばで、花はなく果実しかありません。そのため、同定が難しいところなのですが、その果実の先端に残る花柱を見ると、一応、3つに裂けていたことが、何とかわかりました。茎の長さは60cmくらいで大柄、葉の長さは15cmほど、縁が少し波打ち、花序や葉に毛の多いことから、「ヤマトユキザサ」の可能性が高そうです。

【和名】ヤマトユキザサ [大和雪笹]
【別名】オオバユキザサ、ミドリユキザサ
【学名】Smilacina viridiflora
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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posted by hanaboro at 02:24| 東京 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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