2005年07月23日

トウゴマ

トウゴマ Ricinus communis


トウゴマは、アフリカ北東部原産の大型の一年草です。ただし、一年草というのは霜が降りたりトウゴマにとっては低温になる日本でのことで、熱帯〜暖帯では茎が木質化します。日本に入ってきたのは、かなり古い時代のことだったようです。その後、戦時中に栽培が奨励されたことから、主に西日本で野生化しているのが見られるのだといいます。

トウダイグサ科トウゴマ属の植物で、高さは1m〜2m、太い茎がまっすぐに伸び、枝分かれはまばら。茎に毛はなくツルツルしていて、赤みを帯びているものが多く見られます。特に茎や葉、果実が赤い品種は「ミズマ」または「アカトウゴマ」と呼ばれています。

葉は互生。5個〜11個程度、中ぐらいに裂ける大きな掌状で、長い葉柄があります。葉柄は葉の付け根につくわけではなく、葉身の基部より中心よりの位置につきます。縁のギザギザはちょっと不規則で、ところどころ先のとがった大きな鋸歯があります。葉柄や葉脈も赤いタイプが多いです。

トウゴマ Ricinus communisトウゴマ Ricinus communis


花期は夏〜秋。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)から花序を出して、雄花と雌花をつけます。花序の長さは20cmくらいで、上部に雌花、下部に雄花がつきます。これはよくあるパターンとは上下逆なので、ちょっと変わった配置といえるかもしれません。雄花の方はわかりやすいのですが、問題は雌花です。だいたいは、果実ができてきてから、そこが雌花だったのかと気づくようなものです。

雌花には3つ〜5つの「花被片」と1本の雌しべがあります。そして後に果実となる「子房」の部分にはトゲが密生しています。花柱は3本あって、それがさらに2つずつに裂けるので、花の先端部でヒラヒラとして見えます。雄花にはたくさんの雄しべとそれを包む「花被片」が5つあります。開くと花被片は後に反り返ります。雄しべの形状がまたとても変わっていて、たくさん枝分かれします。枝分かれしたそれぞれの先端に淡い黄色の「葯」があるので、全体としてみると、泡が立っているような状態に見えます。

しかし、この雄花と雌花の配置。どうしてこうなっているんでしょうね。どうやって受粉が行われているのでしょう。風によって花粉が運ばれ受粉する「風媒花」なら、やっぱり雄花が上にあるのがふつうのような。まったく、どこをとっても妙な植物。

果実はさく果で、ほぼ球形、まわりにたくさんトゲがあって、赤い「ウニ」みたいです。3室に分かれた果実の中には、各部屋1つずつ種子が入っています。種子には黒っぽい斑模様が入っていて光沢があります。この種子からはひまし油が採られ、薬用や機械油として利用されてきました。しかし、この種子は有毒なので注意が必要。

【和名】トウゴマ [唐胡麻]
【別名】ヒマ
【英名】Castorbean
【学名】Ricinus communis
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市

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ガクアジサイ

ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis


ガクアジサイは、本州の太平洋側の暖かい地域、四国に分布し、海岸沿いに自生するほか、庭木や鉢植えとして広く栽培されています。高さは2mほどになる落葉低木です。野生種から見出されたといわれる品種も多く、よく栽培されます。例えば、装飾花(飾り花)が八重になる「隅田の花火」などはとても人気が高い品種です。

葉は幅の広い卵形〜倒卵形。表面には光沢があり、質は厚めです。長さは5cm〜15cm程度。縁の鋸歯(ギザギザ)は細かく入ります。ヤマアジサイの場合だと、葉の幅が狭く先が細長くとがる傾向が強くて、質は薄め光沢はないです。

ガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalisガクアジサイ Hydrangea macrophylla f. normalis


花期は6月〜7月。枝先の「散房花序」にたくさんの花を咲かせます。ふつう「アジサイ(あるいはセイヨウアジサイ、ハイドランジア)」といっているタイプの花序が、球形に盛り上がるのに比べると、ガクアジサイの花序はやや平面的で「散房花序」らしいかも。花序に周辺部にあって、ふつう花弁のように見えているのは「装飾花(中性花)」、中央部でツブツブのように見える部分が「両性花」です。つまり、ヒラヒラと目だってふつうの花のように見えるのは飾りの花で、中央の目立たない部分が雌雄両機能を備え、結実可能な花というわけです。

装飾花は、結実はしないけれど、花を訪れ花粉を運ぶ昆虫を誘導する役割を果たしていると考えられます。装飾花は花弁のようですが、これはガク片で3枚〜5枚あります。雄しべや雌しべは退化し、花弁もごく小さく目立たないものです。ガクアジサイの装飾花の色は、淡い青紫、紫、淡い紅紫色などです。ふつうのアジサイだとほぼすべてが、装飾花でできていて、非常にボリュームがあります。

両性花は、青紫色〜紫色のタイプをよく見ます。雄しべは10本、雌しべの花柱は3個〜4個。雄しべは花後にはなくなってしまいますが、花柱は花が終わった後も残っていて、ツンツンと角のように突き出ています。装飾花に比べて1つ1つが小さなものなので、花弁はないように思えるかもしれませんが、両性花にはしっかりと小さいながらも5枚の花弁と5枚のガク片があります。

写真のガクアジサイは、すでに花が終わって、中心部の両性花は結実し若い果実ができはじめています。花の最盛期には、装飾花は白っぽい淡い青紫色、両性花は濃いめの青みの強い青紫色だったのが、同じ花とは思えないような色に変わっています。装飾花は紅紫色で長い柄が下向きに曲がって、ガク片の裏側が上に見えています。両性花は若い果実の緑褐色。

【和名】ガクアジサイ [蕚紫陽花]
【別名】ガク、ガクバナ
【学名】Hydrangea macrophylla f. hortensia
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
(アジサイ科 HYDRANGEACEAE)
【撮影日】2005/07/16
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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posted by hanaboro at 14:33| 東京 🌁| Comment(3) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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