2005年07月27日

ノカンゾウ

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/02/22 若い芽

ノカンゾウは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、低地の草地や田のあぜ、溝の縁や湿地などのやや湿り気の多い場所に生える多年草です。ユリ科ワスレグサ属の植物で、同じ属には「ヤブカンゾウ」、「ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)」、「ユウスゲ」などがあります。特に近い環境に生えるヤブカンゾウはボッテリとした八重咲きですが、ノカンゾウは一重でシャープな印象。真正面から見るとヒトデみたいな感じ。

葉は細長い広線形で、長さは40cm〜70cm、幅は1.5cmくらい。付け根の方では2列になって、互いに抱き合うような形になっています。若い葉は主脈の部分で2つ折り、大きく生長した葉でも主脈が少しへこんでいます。長くなるとだらんと垂れます。葉に毛はありません。若い葉は食用になります。

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/07/27 花期の葉

花期は7月〜8月。花茎はまっすぐに伸び、高さは70cm〜90cmほどで、上部の花序に数個〜10個くらいの花を次々開きます。ふつう上部では2つに分かれて、Y字型になります。そして上部には小さな「苞」があります。

花は直径7cm。花被片は6つあります。付け根の方は筒状にくっついて、その花筒の長さは3cm前後。5mmくらいの短い花柄を持ちます。花色は橙赤色〜赤褐色。1つ1つの花被片の中心部には黄色っぽいすじ状の模様が1本入ります。雄しべは6本、雌しべは1本で雄しべより長く突き出します。

ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/06/24
ノカンゾウ Hemerocallis fulva var. disticha
2005/07/27
花の終わった花序


朝開いて夕方しぼむ一日花。属の学名「Hemerocallis」には、「hemera(一日)+callos(美)」という意味があります。ふつうはほとんど結実しないので、果実にはなかなかお目にかかれません。

【和名】ノカンゾウ [野萱草]
【学名】Hemerocallis fulva var. disticha
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/07/27、2005/06/24、2005/02/22
【撮影地】東京都日野市

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ヒペリカム・アンドロサエマム

ヒペリカム・アンドロサエマム Hypericum androsaemum


ヒペリカム・アンドロサエマムは、ヨーロッパ南西部〜中近東原産の半常緑小低木です。ヨーロッパでは古くから薬草として利用されてきたそうです。高さは60cm〜1mくらいになります。オトギリソウ科オトギリソウ属の植物で、同じ属の他種や園芸品種も含めて属の学名の「ヒペリカム」または「ヒペリクム」と呼ばれています。オトギリソウ属の植物は世界的に見ると500種ほど知られていて、日本にもいくつかの種が分布しています。日本の種についてだけ見ても、結構、同定の難しい分類群だと思います。

葉は大きいですが、花はビョウヤナギよりはずっと小さく、キンシバイよりも小さめ。黄色い花は美しいのですが、果実が主に観賞の対象となっているようで、切花にもよく利用されます。最近では、それなりの耐寒性があることから、鉢植えなどで栽培されているのを見かけるようになりました。葉は対生。葉の縁にはギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。葉は大きく、長さは5cm〜10cm近くになります。幅の広い長楕円形です。

ヒペリカム・アンドロサエマム Hypericum androsaemum


花期は6月から7月。茎の先端と上部の葉の脇(葉腋)から出た花序に、黄色い花をたくさん咲かせます。直径は2cm程度。花弁は5枚です。多数の雄しべがありますが、長さは長短いろいろ混じっていて、花弁より長かったり短かったり。「ビョウヤナギ (Hypericum chinense)」の場合はふつう雄しべが花弁より長く、「キンシバイ (Hypericum patulum)」では雄しべが花弁より短くなっています。花の中央には雌しべがあって丸い子房が花弁の上に見えています。

ガクは、円形〜楕円形の緑色で、開花中は花弁の下にかくれてしまいますが、蕾のときや花後にはよく目立ちます。果実の時期にもガクはしっかり残って、やや下垂して、果実を引きたてているようです。花後の果実は長さ1.5cmくらいで、色は赤色から熟すにしたがって濃い色に変化します。「コボウズオトギリ」という和名、あまり浸透していないようですが、それなりにかわいい響きがあると思います。

【一般名】ヒペリカム・アンドロサエマム
【別名】ヒペリクム・アンドロサエムム(学名の読み方が違うだけ)
【英名】Tutsan
【和名】コボウズオトギリ [小坊主弟切]
【学名】Hypericum androsaemum
【科名】オトギリソウ科 CLUSIACEAE (GUTTIFERAE)
【撮影日】2005/07/25
【撮影地】東京都日野市

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オニユリ

オニユリ Lilium lancifolium
2005/07/25

オニユリは、北海道、本州、四国、九州に分布し、野原や田んぼ、人里周辺などに生える多年草です。花が美しく古くからよく栽培されるほか、野生状態のものも多く見られますが、本来の自生のものかどうかはよくわかっていないようです。「鱗茎」をいわゆる百合根として食用にするため古い時代に渡来したといわれています。

草丈は1m〜2mほど、茎の色は黒紫色で、白いクモ毛があります。地下の「鱗茎」は、直径5cm〜8cmの卵球形。葉は互生。長さ5cm〜15cmくらいの被針形で、先はとがっています。葉柄はなく、葉の脇に「珠芽(ムカゴ)」をつけることが大きな特徴。葉は両面無毛で光沢があります。

また、珠芽は、地上茎の「腋芽」が養分を蓄えて大きくなったもので、地面に落ちて生長できれば、新たな個体になります。オニユリの珠芽は、葉のもととなったものが肉質となった「鱗芽」。これに対して、茎が球状に肥大してできた珠芽は「肉芽」といって、「ヤマノイモ」の珠芽がそれです。

オニユリ Lilium lancifolium
2005/07/05
オニユリ Lilium lancifolium
2005/06/24


花期は7月〜8月。茎の上部の総状花序に、斜め下向きに数個〜多いときで20個くらいの花をつけます。「花被片」は6つ、橙赤色で後に強く反り返り、黒褐色の隆起した斑点がたくさん散らばっています。1つ1つの花被片は長さ7cm〜10cmありますが、反り返っているため花の直径としては、10cmちょっとくらいです。内側の花被片がやや幅広め。

ユリ属は、基本的に2倍体が多いといわれていますが、オニユリの多くは3倍体です。つまり種子ができないわけです。そのかわりに葉の脇(葉腋)に黒紫色の「珠芽」をつけ、それによって繁殖します。日本に生育するユリの中で珠芽をつけるのは、このオニユリだけ。ただし、壱岐、対馬や朝鮮半島南部に生育するオニユリは2倍体で、花期がやや早めなのだそうです。また、よく似た「コオニユリ」は、2倍体で種子ができ、珠芽はできないし、より葉が細く全体にスレンダー。

雄しべは6本、先の花粉の部分は濃い赤紫色。雌しべは1本で先の柱頭は太く、花の中をのぞくと基部には緑色の子房が見えています。柱頭には花粉がついていたりするのですが、不稔なんですよね〜。

【和名】オニユリ [鬼百合]
【学名】Lilium lancifolium
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2005/07/25、2005/07/05、2005/06/24
【撮影地】東京都日野市

■おまけのオニユリ写真(JPEG画像のみ別窓 45KB、2004/09/15撮影)

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