2005年07月29日

スズサイコ

スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
夕方、開きかけの花

スズサイコは、北海道、本州、四国、九州に分布し、日当たりのよい山野の草地に生える多年草です。草丈は40cm〜1mくらい。茎は細長く直立します。スズサイコという名前は、蕾が鈴に似て、全形がセリ科の「柴胡(ミシマサイコ)」に似ていることからきているそうです。

葉は対生。細長い線形〜披針形で、長さは10cm内外、幅は5mm〜1.5cm。先はとがっています。また、特に葉の長さが12cm〜17cmと長く、幅も1.5cm〜2.5cmと広いタイプを「ヒロハスズサイコ (Vincetoxicum pycnostelma f. latifolium)」といいます。葉の付け根のあたりを見るとは対生した葉が両方から茎を抱きこむような状態になっていますが、短い葉柄らしきものも見られます。

スズサイコ Vincetoxicum pycnostelma
まだ開花するまでには生長していない蕾

花期は7月〜8月。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)からごく細い柄のある花序が出て、垂れ下がるような状態になります。といっても垂れ下がらないこともありますけど。花は直径1cm程度。花冠は黄みがかった緑褐色〜濃い赤褐色で、なかなか渋い色合いです。花冠の裂片は5つで、長さ7mm〜8mmの三角形。開くと星型になりますが、縁が外側に巻いて裂片が細く見えます。ガク片は花が咲いているうちは目立たないものですが、5つあり先のとがった三角形をしています。

花の中央部には雄しべが雌しべにくっついた「ずい柱」があります。そしてそのまわりには肉質の「副花冠」があります。副花冠というのは、花冠そのものではないのですが、花冠の一部や葯が変形してできた付属物のことをいいます。スズサイコの副花冠は直立して、長さは中央のずい柱とほとんど同じか少し短い程度です。

花の開閉はやや気まぐれなところもありますが、基本的には、夕方ごろ開花して翌朝、日が差し始めると花を閉じてしまいます。1つの花の寿命は数日なので、一度閉じた花はまた夕方日が落ちるころに開花し始めます。そのためしっかりと花開いた状態をみるには、夕暮れ時か早朝ということになります。今回の写真は夕方、日が沈みかけのときでしたが、一番上の写真のようにまだ開きかけという感じでした。

果実は「袋果」で、細長い円錐形というか紡錘形というか、横から平面的に見れば披針形です。長さは5cm〜8cm。園芸的に栽培されている「ブルースター」の果実と形は似ていますが、ブルースターの方は果実が上を向いてつきますが、スズサイコは下にぶら下がります。

【和名】スズサイコ [鈴柴胡]
【学名】Vincetoxicum pycnostelma (Cynanchum paniculatum)
【科名】ガガイモ科 ASCLEPIADACEAE
【撮影日】2004/07/04
【撮影地】山梨県牧丘町

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ヒメフウロ(Erodium reichardii)

ベニバナヒメフウロ Erodium reichardii


「ヒメフウロ」という名前で呼ばれる植物には、まったく異なる2つの種があって紛らわしいのですが、今回はフウロソウ科オランダフウロ属の「エロディウム・レイチャルディー (Erodium reichardii)」の方です。「ベニバナフウロ」とも呼ばれているようですが、多くの場合単に「ヒメフウロ」となっているのを見かけます。ただし、今回の写真のものが、「Erodium reichardii」という種そのものなのか、他種との種間雑種による園芸品種の1つなのかは定かではありません。

もう一方は、科は同じフウロソウ科ですがフウロソウ属の「ヒメフウロ (Geranium robertianum)」です。こちらの方は、本州や四国の一部の石灰岩地に生育し、独特のにおいを持つことから「シオヤキソウ」の別名があります。3つの小葉がさらに細かく裂けた繊細な葉を持っています。なお、フウロソウ科の植物は世界的に見ると、5属数百種が知られていますが、フウロソウ科の植物で日本に分布しているのは、「フウロソウ属」のみで数は12種ほどです。

ベニバナヒメフウロ Erodium reichardiiベニバナヒメフウロ Erodium reichardii


ヒメフウロ(Erodium reichardii)は、ヨーロッパ原産の多年草です。草丈は5cm〜10cmくらいで、株が横に広がり、しばしばグランドカバープランツとして栽培されます。

葉の表面や葉柄、花柄など全体に毛がたくさん生えています。葉は先の丸い広卵形で、長さは1cmちょっとくらい。縁には丸みのある鋸歯があります。

花期は6月〜9月。花は紅紫色〜白色、直径は1cm内外。花弁は5枚で、脈が濃い紅紫色に染まり、すじ状の模様が入っています。花の中央をのぞくと花弁の付け根のあたりには白い毛が生えています。雄しべは5本。花の開き始めの時期は、雌しべの柱頭がまだ開いてなくて、雄しべが中央に集まって見えるのですが、その後、雄しべは花弁にはりつくような形で開いて、中央にある雌しべの柱頭が5つに裂けます。雌雄の成熟時期に時間差があるような気がします。

ガク片の外側には粗い毛が目立ちます。雄しべの葯がなくなり、すっかり花弁が散ってしまった後の姿は、ガクと柱頭だけのまた別の花が開いているかのようです。

【一般名】ヒメフウロ
【別名】ベニバナヒメフウロ [紅花姫風露]
【学名】Erodium reichardii
【科名】フウロソウ科 GERANIACEAE
【撮影日】2005/05/12
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 18:10| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(2) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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