2005年08月18日

ミヤマカニツリ

ミヤマカニツリ Trisetum koidzumianum


ミヤマカニツリは、日本固有種で、本州中部の高山帯に分布する、いわゆる「高山植物」の1つです。高山の岩礫地や砂礫の多い草地に生育するイネ科カニツリグサ属の多年草です。草丈は15cm〜40cm。線形の葉がそう生します。

夏の終わりの高山帯で、この茶色っぽいような白っぽいようなボサボサを見ると、だいたい「カニツリグサ」の仲間だなと当たりをつけることができます。花時期にはそれほどボサボサではないのですが、終わりに近づくと次第に長くのびた「芒(のぎ)」がねじれてきて、ボサボサになります。ただし、特に本州中部の南アルプスだと3種類が候補にあがって、そこから先は細かいところを見ないといけなくなります。「リシリカニツリ」とその変種「キタダケカニツリ」、そして「ミヤマカニツリ」。

ポイントは、まず、花序の中軸の毛の有無です。(ここでいう「毛」は、長くて目立つ「芒」のことではありませぬ。)毛が多くて、比較的わかりやすいのは、リシリカニツリだと思います。リシリカニツリの場合は、花序や茎に軟毛が密生して、さらに葉の基部が茎を巻いたようになっている部分、「葉鞘」にも軟毛が密生しているので、全体に白っぽい印象になります。それに対して、ミヤマカニツリだと花序や茎には毛がありません。でも葉鞘には毛があります。キタダケカニツリの場合は、花序の毛がごく細かい微毛で、茎には毛が少なく、葉の毛は短毛です。

ちなみに、イネ科では茎を「稈(かん)」と呼びます。稈には明らかな節があってそこに葉がつきます。節には隔壁があって節と節の間は多くの場合「中空」になっています。カヤツリグサ科だと節間が中身がつまっていて「中実」です。

リシリカニツリやミヤマカニツリの花序は、長さ5mm〜6mm「小穂」が基本単位で、その小穂がたくさんついて、長さ4cm〜10cmくらいの花序になっています。小穂には2個〜3個の「小花」があって、「内花頴(ないかえい)」、「外花頴(護頴)」と呼ばれる鱗片状のものに包まれています。さらにその外側には「苞頴」があります。芒は先が2つに裂けた外花頴の、その裂けた間からのびてきます。芒の長さは4mm〜7mm。

今回の写真は白っぽいですが、それはシーズンも終わって枯れて色が抜けているだけで、毛のせいではないです。そして、小穂の柄が数mmあることと花序や茎に毛がないことで、ミヤマカニツリとしています。

■高山帯のカニツリグサ属の簡単チェックポイント

花序の中軸葉鞘
ミヤマカニツリ無毛無毛長い軟毛
リシリカニツリ軟毛が密生軟毛が密生軟毛が密生
キタダケカニツリ微毛ほぼ無毛葉のふちに短毛


【和名】ミヤマカニツリ [深山蟹釣]
【別名】タカネカニツリ
【学名】Trisetum koidzumianum
【科名】イネ科 POACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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posted by hanaboro at 12:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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