2005年08月20日

ツガザクラ

ツガザクラ Phyllodoce nipponica


ツガザクラは、本州中部以北、近畿や中国地方の一部、四国に分布し、亜高山帯〜高山帯の岩場や礫地などに生育しています。高さ5cm〜20cmほどのツツジ科ツガザクラ属の常緑矮性低木です。いろいろと変異が多く、いくつかの種内分類群も認められているし、種間雑種ができることも知られていて、少し複雑なところもあります。

茎はよく枝分かれして、下の方は地面をはうようにのびます。若い枝には刺状の小さな突起があって、ブツブツしています。葉は互生、密につきます。質は厚く、長さ5mm〜8mm、幅1mm〜2mmくらいの線形。縁には非常に細かい鋸歯(ギザギザ)があります。

ツガザクラ Phyllodoce nipponica


主な花期は7月〜8月。枝先から長さ2cmくらいの細長い花柄をだして、その先端に下向きに咲きます。1つの花柄に1つずつ、1つの枝の先に1個〜数個。花冠はごく淡い紅色を帯びた白色。釣鐘形で先は5つに浅く裂けて、裂片は少し外側に反り返ります。花冠は長さ5mm〜7mm。10本の雄しべがあります。ガクは5つに裂け、ガク片は紅紫色。花柄も紅紫色で、腺毛とごく細かい毛が密生しています。

花は下向きですが、果実は上を向きます。果実は直径3mm〜4mmの球形の「さく果」で、熟すと上から5つに割れます。花が終わって若い果実ができているころには、まだ中心に花柱が残っているのですが、写真ではもう見当たりませんでした。上の写真ではガク片に包まれた果実が見えますが、果実にはかなりたくさんの微毛が生えています。下の写真では、もう果実は裂けて、果柄ごとほとんど枯れています。わずかに小さな種子が残っているのみでした。

【和名】ツガザクラ [栂桜]
【学名】Phyllodoce nipponica
【科名】ツツジ科 ERICACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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ハイマツ

ハイマツ Pinus pumila
前年度にできた球果

ハイマツは、日本では北海道と本州中部以北に分布し、亜高山帯〜高山帯の砂礫地や岩場などに生育しています。マツ科マツ属の常緑低木で、よく大群落となっています。高さは地面をはう状態のものから1mほどにのびたものまで。標高がやや低めでそれほど風当たりの強くないところでは高くなっています。それに対して、特に風当たりのかなり強い尾根などでは、ハイマツという名前の通り、高さも低くよく分枝して、地面をはうように広がっています。地面についた枝からは根を下ろし、さらにどんどん枝を伸ばし、次第に地面を覆いつくほどのハイマツの純林となるわけです。

葉には2つのタイプがあって、長枝には「鱗片葉」、短枝には「針状葉」と「鱗片葉」があります。針状葉は短枝の5つずつ束になってつき、ただ針のような細長いものに見えますが、3稜形です。長さは3cm〜10cmくらい。白色の「気孔線」があります。写真の中で茶色くてヒラヒラしたのが「鱗片葉」。

ハイマツ Pinus pumila


花期は6月〜7月。雄花と雌花が同じ株につく「雌雄同株」。小さい松ぼっくり形の球花です。雄花は今年度にのびた枝のやや下の方につき、上部に雌花がふつう1個〜2個つきます。果実は長さ5cmくらいの「球果」で、翌年の夏〜秋に熟して緑っぽい褐色になります。球果にはたくさんの「種鱗」という広卵形のものが重なり合ってついています。この種鱗の中に種子が入っています。

ハイマツ林の縁で立ち止まると、バサバサバ〜とすごい音が。飛び立ったのはホシガラス。どうやら縄張りをおかしてしまっていたようです。ときどき登山道の岩の上なんかに、グチャグチャのハイマツの球果が落ちている。犯人はあなたでしたか。ハイマツにとっては、地面をおおった暗いハイマツ林に球果が落ちるよりは、別の場所へ球果を運んでくれる方がよい。ホシガラスは重要なパートナーなんですね。

【和名】ハイマツ [這松]
【学名】Pinus pumila
【科名】マツ科 PINACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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ミネウスユキソウ

ミネウスユキソウ Leontopodium japonicum var. shiroumense


ミネウスユキソウは、本州中部以北に分布し、高山帯の乾燥した草地や礫地などに生育しています。キク科ウスユキソウ属の多年草です。ヨーロッパアルプスの「エーデルワイス (Leontopodium alpinum)」と同じ属。同属の英名は、Edelweissのほかに、Lion's footとも。

草丈は10cm程度。花のつかない茎もそれなりにのびてきます。「ミヤマウスユキソウ」や「ハヤチネウスユキソウ」などは花が咲く時期に、花のない茎に根生葉が見られますが、「ウスユキソウ」や「ミネウスユキソウ」は花の時期には根生葉が残っていないのがふつうです。

のびた茎につく茎葉は、披針形〜長楕円形で先がとがっています。長さは2cm〜4cm、柔らかさはないものの、シャープで整った形には好感が持てます。ウスユキソウ属にしては、茎葉の表面の綿毛は少なく緑色で、ちょっと白っぽいという感じ。裏面には密生しています。茎の上部に放射状につき、綿毛が密生して白く見えるのは「苞葉」です。花びらではありませぬ。長短混じってついていますが、だいたいは茎葉より小さめ。

ミネウスユキソウ Leontopodium japonicum var. shiroumense


花期は7月〜8月。茎の先の1個〜数個の頭花をつけます。そこでポイントとなるのが、花柄の長さです。花柄がないかごく短い柄がある場合は、「ミネウスユキソウ」で、明瞭な花柄があって中央の花序と周りの小さな花序に分かれている場合は母種の「ウスユキソウ (Leontopodium japonicum)」。とはいうものの、はっきり区別できない場合もあります。ウスユキソウも咲き始めはまだ花柄がのびていなかったりするそうですし。ラフな感じで考えると、より標高が高いところで見ると、「ミネ」の方にしたい気分になりますね。

頭花には花びら(舌状花)はなく、「筒状花(管状花)」のみ。花序の軸や茎、頭花の総苞の部分にも綿毛があります。総苞は長さ2mm〜4mmくらい。やや丸みのある卵形で、先のほうはちょっととがっています。数個の頭花がつく場合、中央の大きめの頭花が最初に咲き始め、周辺の頭花は後から開花が始まります。ちょっと時期を逃したときに中央が茶色くて、残念ってこともあるでしょう。筒状花には雄花と雌花があるようなのですが、ちょっとこの状態ではよくわかりませんね。

【和名】ミネウスユキソウ [峰薄雪草]
【学名】Leontopodium japonicum var. shiroumense
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

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posted by hanaboro at 00:14| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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