2005年08月22日

オトギリソウ

オトギリソウ Hypericum erectum


オトギリソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地〜亜高山帯まで日当たりのよい草地などに生育する多年草です。茎はまっすぐにのび、草丈は30cm〜60cmほどになります。茎や葉、花には「腺体」があります。赤い色素を含み黒く見えるものを「黒点」や「黒線」といって、赤の色素を含まないものを「明点」や「明線」といいます。

葉は対生。葉柄はなく葉の基部はやや茎を抱く感じになります。長さは5cm前後、幅は1cm前後の幅の広い披針形。ふつう黒点があり、明点はありません。葉の大きさや形、黒点の有無など変異が多くて、なかなか難しいところです。

花期は7月〜8月。茎の先の「集散花序」に多数の黄色の5弁花をつけます。1つの花は一日でしぼんでしまう「一日花」。直径は1.5cm〜2cm。1つ1つの花弁は長さ8mm〜1cmくらい。ガクは5つに裂け、ガク片は幅の狭い楕円形、先は丸く、長さは5mmくらい。花弁やガク片に黒点や黒線があります。やや縁に多いです。

雄しべは多数あって、基部のほうでいくつかくっついて束になります。その束が3つあります。雌しべは1つで、花柱は3つに裂けています。果実は「さく果」で、長さ5mm〜1cmほど。縦に明線があります。

オトギリソウという名前は、傷を治す秘伝の薬草のことを他人にもらしてしまった弟を、鷹匠の兄が怒って斬ってしまったという平安時代の伝説からきているそうで、そのときに飛び散った血が、この葉などの黒点となったのだとか。「和漢三才図絵」に記されているそうです。これまたすごい名前ですね。

【和名】オトギリソウ [弟切草]
【学名】Hypericum erectum
【科名】オトギリソウ科 CLUSIACEAE (GUTTIFERAE)
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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ミタケスゲ

ミタケスゲ Carex michauxiana subsp. asiatica


ミタケスゲは、東北アジアの寒地に分布し、日本では主に北海道、本州以北に見られるカヤツリグサ科スゲ属(Carex)の多年草です。主に亜高山帯〜高山帯のミズゴケの生えるような「高層湿原」に生育し、茎や葉は根もとのほうからそう生し、草丈は20cm〜50cm。茎(稈:かん)は細長く2枚〜3枚の葉をつけます。葉はちょっと堅め、幅5mmくらい、細長い剣状。

花期は6月〜7月。小穂は3つ〜5つ。一番上の「頂小穂」が雄の小穂で、他の「側小穂」は雌の小穂です。苞には鞘があって、鱗片は淡い褐色で果胞より短く2分の1くらいの長さです。芒はありません。

雄小穂は褐色がかった細長い線形で雌小穂より長くなります。雌小穂の果胞は淡い緑色で細長く、先の方はくちばし状。果胞は長さ1cm〜1.3cmの円柱形。くちばしの部分以外は無毛です。先端のヒゲのようなものは雌しべの柱頭で3つあります。果実の時期には果胞は放射状に開出して、小穂は星のような形になります。

ミタケスゲ Carex michauxiana subsp. asiatica


以前、尾瀬の湿原の保護についてお話をうかがったことがあります。そのとき、踏みつけなどによって荒廃してしまった湿原の回復に、このミタケスゲの種子が利用されていることを知りました。外部からの種子を持ち込んだりはせず、尾瀬ヶ原にもともと生育している植物の種子によって復元が試みられ、調査研究されてきたそうです。そこで、ミタケスゲは種子の集めやすさ、発芽率のよさ、発芽後の生長のよさなどにすぐれた重要な種なのだとか。

尾瀬は、自然の美しさに感動するだけではなく、傷ついた自然の姿、そして日本の自然保護の原点や歴史、それに携わる方々の努力、そういったことを見て感じ、学ぶことのできる場所だと思います。

【和名】ミタケスゲ [深岳菅、御嶽菅]
【学名】Carex michauxiana subsp. asiatica
【科名】カヤツリグサ科 CYPERACEAE
【撮影日】2005/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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posted by hanaboro at 16:22| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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