2005年08月28日

ネバリノギラン

ネバリノギラン Aletris foliata


ネバリノギランは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地帯〜亜高山帯の草地に生える多年草です。ユリ科ソクシンラン属(Aletris)に分類されています。草丈は花茎がのびた状態で、20cm〜40cmほど。ときに50cmくらいにもなります。葉は根もとからそう生します。長さ10cm〜25cm、幅1cm〜2cmの披針形で、先はとがっていたり、あまりとがらなかったり。

よく似た「ノギラン」ですが、こちらは以前は「ノギラン属」という別属に分類されて、「Metanarthecium luteoviride」という学名になっていることもありました。しかし、これは異名として整理されたのでしょうね。現在は同じソクシンラン属に分類されて、学名は「Aletris luteoviridis」となっているようです。ノギランは粘らないし、花被片が開きます。花茎が枝分かれすることも多いです。

花期は6月〜8月。長さ20cm〜40cmほどの花茎をのばし、その茎には上部にいくにつれて小さくなる葉があります。茎の上部は総状花序になります。白っぽいような黄色っぽいようなつぼ形の小さな花がたくさん斜め上向きにつきます。花被片6個がくっついてつぼ形になり、先の方がほんの少し開くだけで、満開時でもほとんど蕾のような花です。花柄は1mmと短い。雄しべは6つ、雌しべはごく短いものです。

つぼ状の部分、つまり花被の長さは6mm〜8mmくらい。その花被の外側や花序の軸、1つ1つの花の柄の部分には「腺毛」があります。そのため、花茎を触るとベタベタと粘ります。それが名前の由来ともなっています。

果実は「さく果」で、花後には子房を包んでいる部分が楕円形にふくらんできます。その部分は膜のような感じで、長さは5mm〜6mmくらいです。

【和名】ネバリノギラン [粘り芒蘭]
【学名】Aletris foliata
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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タチシオデ

タチシオデ Smilax nipponica
若い果実

タチシオデは、本州、四国、九州に分布し、山野に生える多年草です。ユリ科またはサルトリイバラ科に分類されています。茎ははじめ直立し、途中から「巻きひげ」を出し、他のものに絡みつき、茎の長さは1m〜2mに達します。この巻きひげは「托葉」が変化したものだそうです。巻きひげは他のものに絡みついて植物体を安定させますが、巻きひげにもいろいろあって、例えば「カラスノエンドウ」だと「小葉」が変化したもので、「バイモ」だと葉の先やときに葉全体が巻きひげに変化しています。

葉は互生。長さは5cm〜10cmくらいの幅の広い卵形〜幅の狭い卵形。シオデに比べると先は丸みのあることが多いです。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。

花期は5月〜6月。シオデよりは1ヶ月ほど早めに開花しています。葉の脇(葉腋)から長めの柄を伸ばして、先は球状の「散形花序」になります。花序にはたくさんの小さな淡い黄緑色の花がつきます。雄花と雌花が別々の個体につく「雌雄異株」。花被片の数は雄花、雌花ともに6枚。雄花の花被片は長さ4mm〜5mm。雌花の花被片はちょっと小さめ。雌しべの柱頭は3つに裂けます。

タチシオデとシオデはよく似ています。両者を比べたとき、雄花の花被片の反り返り方もやや違いがありますが、この点だけでは区別しづらいこともあります。だいたいはシオデの方が激しく反り返り、タチシオデはちょっとだけという感じはあるかなぁと。また、雄しべの先の葯の形に注目すると、シオデの葯は細長い線形で、タチシオデの場合はちょっと短い長楕円形でプツプツとついている感じです。

果実は直径1cmほどの球形の「液果」で、熟すと白い粉をかぶったような黒色になります。

■タチシオデとシオデ
茎の様子葉の表裏花期果実
タチシオデはじめ直立、後につる性葉の裏面は白緑色、表面光沢なし5月〜6月白い粉をかぶったような黒色
シオデ早い時期からつる性裏面薄い緑色、表面光沢あり7月〜8月白くならない黒色


ところで、写真はというと、これはまだ若い果実です。葉柄はやや短めだし、果実の先端はとがっていないことなど、何となくシオデかもしれないとも思います。自立傾向が強い点と若い果実なりに白い粉を吹いている点から、タチシオデとしていますが、花はすっかり終わっていて未確認です。つまり、今回の写真はまったくあてになりません。

【和名】タチシオデ [立牛尾菜]
【学名】Smilax nipponica
【科名】ユリ科 LILIACEAE (サルトリイバラ科 SMILACACEAE)
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県檜枝岐村

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