2005年09月22日

チカラシバ

チカラシバ Pennisetum alopecuroidesチカラシバ Pennisetum alopecuroides
左:2005/09/19、右:2004/10/07

チカラシバは、東南アジアや日本の北海道南部〜九州、沖縄まで広く分布し、草地や道ばた、空き地など日当たりのよい場所にごくふつうに見られる多年草です。草丈は50cm〜80cmほど。茎(稈)は、根もとからたくさんそう生して、結構大きな株立ちになります。イネ科チカラシバ属(Pennisetum)に分類され、日本の野生種には他に似たようなものがないし、花期の紫褐色のフサフサは特徴的なので、イネ科の中ではわかりやすい方だと思います。

葉は長さ30cm〜50cm、幅は5mm程度の幅の狭い細長〜い線形です。葉の多くは根元の方から出ています。濃いめの緑色で、表面はザラザラです。「葉鞘」の部分は白くて長い毛が生えています。根もしっかりとはっていますが、葉も堅くて丈夫です。

チカラシバ Pennisetum alopecuroidesチカラシバ Pennisetum alopecuroides
2005/09/19 穂の軸の部分や下部には毛がある

花期は8月〜11月。濃い紫褐色の毛足の長い花穂がのびます。根もとで株立ち状になる以外、稈は枝分かれせず、花穂は稈の上部に1つずつ。遠めにはやわからそうなフサフサなのですが、近づいてみると、これが結構な剛毛なんです。花穂の部分は、長さ15cm〜20cmくらい、幅は2cmくらいの円柱状です。

濃い紫褐色の剛毛は、「総苞片」が変化したものだそうで、「小穂」のつけ根から出ています。細長い剛毛にはさらに微細な毛が生えていて、それによって、ザラザラします。このチカラシバの剛毛は、花が終わって小穂が落ちるとき、一緒に落ちてしまいます。それは、小穂の柄に関節があって、そこから外れるからです。この柄の部分や剛毛にあるトゲ状の毛によって、動物の体や人の衣服にくっついて、種子が運ばれます。つまり、「ひっつきむし」の1つなわけです。

これに対して、エノコログサの仲間の剛毛は、小花が落ちても剛毛は残ったままです。チカラシバの剛毛はふつうは暗めの濃い紫褐色ですが、ときに淡い緑色のことがあります。このタイプを「アオチカラシバ (Pennisetum alopecuroides f. viridescens)」といいます。

小穂は8mm程度の披針形、先がとがっています。そこには2つの「小花」があって、そのうち下の小花は雄性、上の小花は両性です。

チカラシバ Pennisetum alopecuroides
2005/09/19 出穂期

チカラシバ。この草の名前を尋ねられると、まず「抜いてみて」といいます。実際に抜こうと力いっぱい引っぱっても、容易く抜き取ることはできません。それほど、しっかりと根を張っていて、「抜くのに力のいる芝」ということで、「力芝」って言うんですよ!と。特有の味のする草をみつけて、「ちょっとなめてみて」と言っても、抵抗を感じる人はあるけれど、引き抜くくらいならやってみようと、実際にやってくれることは多いかも。実体験に基づいた記憶は、ただ教えてもらっただけより、深く植えつけられるものですよね。

でも、筆者はそれをはじめて人から教わったとき、力入れすぎて手に切り傷をつくりました。試すときには、ほどほどの力加減でどうぞ。

【和名】チカラシバ [力芝]
【学名】Pennisetum alopecuroides
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/19、2004/10/07
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(2) | 茎など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

メリケンカルカヤ

メリケンカルカヤ Andropogon virginicusメリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/17

メリケンカルカヤは、北アメリカ原産の多年草です。アジアやオーストラリアなどに多く帰化しているといいます。日本に入ってきたのは、昭和15年〜16年ごろのことだそうで、戦後になって、都市部を中心に広がったのだとか。現在は各地の道ばたや空き地など日当たりのよい場所にふつうに見られます。

イネ科の植物で、ウシクサ属またはメリケンカルカヤ属に分類されています。花序の数や葉の長さの違いなどで、ウシクサ属とメリケンカルカヤ属を分ける場合は、ウシクサ属の学名が「Schizachyrium」、メリケンカルカヤ属が「Andropogon」で、メリケンカルカヤは当然後者に含まれます。両属をわけない場合は両方とも「Andropogon」となるようです。

茎(稈)は根元の方からいくつもそう生して、株立ち状になります。稈は根元の方は平べったくなっていますが、まっすぐにのび、草丈は50cm〜1mちょっとくらいまでなります。「葉鞘」の部分に毛がある以外は無毛です。葉は幅の狭い線形で、長さは数cm〜20cm、幅は5mmほどです。

メリケンカルカヤ Andropogon virginicusメリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/17

花期は9月〜11月。花序は茎の中部くらい〜上部の葉腋(葉の脇)につきます。花序の枝は2本〜4本、1つの枝の長さは2cm〜3cmくらいで、白色の長い毛が生えています。その小枝の節の部分に「小穂」が2つずつつきます。2つと言っても、そのうちの1つは退化して細い柄になっています。一方の小穂は逆に柄がなく長さは3mmくらいです。こちらの小穂は、ごく淡い褐色の両性花で結実します。芒(のぎ)は長さ1cm〜2cmと結構長めです。

メリケンカルカヤ Andropogon virginicus
2005/09/19

その長〜い白色の毛はフワフワの綿毛状で、この種の大きな特徴です。花期も終盤になると全体が朱色になりやがて立ち枯れてきます。その姿は秋の野では本当によく目立ちます。「タンポポ」と同様で、この綿毛で風によって種子が運ばれます。ちなみに、「カルカヤ」というのは、「刈る萱」、つまり、萱葺き屋根を葺くために刈りとる草という意味です。

【和名】メリケンカルカヤ [米利堅刈萱]
【学名】Andropogon virginicus
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 12:30| 東京 🌁| Comment(2) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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