2005年09月23日

ひっつきむし

野山でひっつきむしを見つけよう!

ひっつきむし。それは動物の体や人の衣服にくっつく果実のこと。地域によって呼び名はいろいろあるそうで、くっつきむし、ばくだん、どろぼう、ぬすっとなど様々です。筆者は九州出身ですが、もっぱら、「ひっつきむし」といっています。この記事を見てくださったみなさんは、何て呼んでますか。

ひっつきむしは、人にとってはやっかいなものですが、ひっつきむしの果実をつくる植物にとっては、そのくっつくという性質がとても重要。くっつくことによって、動物や人の移動にともなって、離れたところまで運ばれていきます。おかげで、親の個体とは離れたところへと種子を散布できるというわけです。

効率よく種子散布が行えるように、ひっつきむしは、それぞれ、くっつきやすい構造を発達させています。その構造の部分は、植物の分類とは関係なしによく似た形状になっていたりします。逆向きのトゲがあるタイプ、先がカギ状になったトゲのあるタイプ、そして「腺毛」から「粘液」を出してくっつくタイプなどです。

こういう植物は意外に多いもので、例えば、オナモミの仲間センダングサの仲間ヤブジラミヌスビトハギなど、身近なところにもいろんなひっつきむしが見られます。特にこれからの季節、秋の野山を歩くと、大量に服にくっついて、肌に触れると痛かったり、寒くなってきても毛糸ものの服を一番上に着てゆくわけにはいきませんよね。わざわざ、ひっつきむしを探そうなんて思わなくても、見つかってしまうってものでした。

マルバヌスビトハギ [丸葉盗人萩]
マルバヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. podocarpum果実は「節果」で、表面にはカギ状の毛が密生。
【花期】7月〜9月
【学名】Desmodium podocarpum subsp. podocarpum
【科名】マメ科 FABACEAE
【撮影】2004/10/11 東京都日野市

関連記事→マルバヌスビトハギ


チカラシバ [力芝]
チカラシバ Pennisetum alopecuroides小穂の柄や剛毛にトゲ状の毛がある。
【花期】8月〜11月
【学名】Pennisetum alopecuroides
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影】2005/09/19 東京都日野市


ミズヒキ [水引]
ミズヒキ Persicaria filiformis花柱の先が2本のカギ状の角のようになる。
【花期】8月〜10月
【学名】Persicaria filiformis (Polygonum filiforme)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影】2005/07/25 東京都日野市

関連記事→ミズヒキ


ハエドクソウ [蝿毒草]
ハエドクソウ Phryma leptostachya subsp. asiaticaガクの先が3つのカギ状のトゲになる。
【花期】6月〜8月
【学名】Phryma leptostachya subsp. asiatica
【科名】ハエドクソウ科 PHRYMACEAE
【撮影】2005/09/11 山梨県塩山市

関連記事→ハエドクソウ


ダイコンソウ [大根草]
ダイコンソウ Geum japonicum花柱の先の柱頭の部分がカギ状になる。腺毛もある。
【花期】6月〜8月
【学名】Geum japonicum
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影】2004/09/16 山梨県山中湖村

関連記事→ダイコンソウ


コセンダングサ [小栴檀草]
コセンダングサ Bidens pilosa種子の先端に鋭いトゲがある。種子表面やトゲにもさらに細かいトゲがある。
【花期】9〜11月
【学名】Bidens pilosa
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影】2004/10/11 東京都日野市

関連記事→コセンダングサ


ヒナタイノコズチ [日向猪子槌]
ヒナタイノコズチ Achyranthes bidentata var. fauriei針状の小苞がちょっと外向きになる。
【花期】8月〜9月
【学名】Achyranthes bidentata var. fauriei
【科名】ヒユ科 AMARANTHACEAE
【撮影】2005/09/08 東京都日野市

関連記事→ヒナタイノコズチ


ヤエムグラ [八重葎]
ヤエムグラ Galium spurium var. echinospermon果実は「二分果」で、表面にはカギ状のトゲがある。
【花期】5月〜6月
【学名】Galium spurium var. echinospermon
【科名】アカネ科 RUBIACEAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

関連記事→ヤエムグラ


オヤブジラミ [雄藪虱]
オヤブジラミ Torilis scabra果実の表面にはカギ状の刺毛が密生する。
【花期】5月〜7月
【学名】Torilis scabra
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

関連記事→オヤブジラミ


ヤブジラミ [藪虱]
ヤブジラミ Torilis japonica果実の表面にはカギ状の刺毛が密生する。
【花期】5月〜7月
【学名】Torilis japonica
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影】2005/05/12 東京都日野市

関連記事→ヤブジラミ


ひっつきむしは他にもいろいろ。また次の機会にでも。
ノブキ(果実の先の腺体から粘液が出る)
サジガンクビソウ(果実の先端から粘液が出る)
タニタデ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
ウマノミツバ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
オオバノヨツバムグラ(果実の表面にカギ状のトゲがある)
ヤブニンジン>(果実の表面に逆向きのトゲがある)

オオオナモミメナモミチヂミザサガンクビソウ仲間キンミズヒキイノコズチ。。。

季節が早いものもあるので集めておいて、いろいろ集まったころに並べてみると、おもしろいかもしれませんね。

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posted by hanaboro at 05:33| 東京 🌁| Comment(26) | TrackBack(5) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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