2005年09月28日

イヌムギ

イヌムギ Bromus catharticus


イヌムギは、南アメリカ原産のイネ科スズメノチャヒキ属の植物で、一年草、または越年草です。多くは秋に芽生えて越冬するようです。ただし、資料によっては多年草となっていて、地下茎でも繁殖するそうなので、数年は寿命があるのかなぁと思います。世界中の温帯〜暖帯に広く見られ、日本に入ってきたのは、明治のはじめのころのことだったそうです。現在では、北海道〜九州まで各地の道ばたや河原などにふつうに見られます。

茎(稈)は、本来は太めで、草丈は70cm〜1.2mにまで達します。写真のはちょっと季節はずれに見られたためか、高さは40cmくらいで、稈もヒョロヒョロでした。しかもまだ夏の名残にあるような好天の日、河原もかなり乾燥したらしく、葉がちょっと巻いていました。近くのセンダングサの仲間の芽生えなんて、もっと葉がしおれてすっかり巻いてしまっていました。

イヌムギの葉は、本来はちょっと幅の広い線形なんですけどね。長さは15cm〜30cmほど。幅は5mm〜1cmくらい。「葉鞘」の部分には白い膜のような「葉舌」がありますが、写真のものは茶色くなって裂けています。葉鞘や葉にはまばらな毛が見られます。稈の毛はあったりなかったりです。

イヌムギ Bromus catharticusイヌムギ Bromus catharticus


花期は5月〜8月。円錐花序の長さは20cmくらい。本当はもっと花序が垂れ下がります。「小穂」には短い柄があります。長さは2cm〜3cmほどで、そこには6個〜12個の「小花」があります。写真の個体では6個〜7個くらいでした。1つ1つの小花の長さは1.5mm程度。小花は二つ折りになって、ペッタリくっついているので、小穂全体が扁平に見えています。

ほとんどが開かず「閉鎖花」の状態で結実するので、雄しべの葯や雌しべが外に飛び出していることはあまりないですね。「芒(のぎ)」はありません。

名前は「ムギ」に似ているけれど、穀物としては役に立たないので、「イヌムギ」と呼ばれています。「イヌ」というのは、「役に立たない」という意味の接頭語として、植物の名前にはよく使われています。似ている相手が人間にとって有用な植物であることが多いですね。

【和名】イヌムギ [犬麦]
【学名】Bromus catharticus
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

■Trackback People : 帰化植物

posted by hanaboro at 21:13| 東京 ☁| Comment(6) | TrackBack(0) | 茎など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

クサマオ

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea


クサマオは、イラクサ科カラムシ属の多年草です。別名、「カラムシ(茎蒸)」または単に「マオ(苧麻)」といいます。茎のことを「幹(から)」といって、それを蒸した後、皮をはいで繊維をとったところから「カラムシ」というそうです。とられた繊維からできる織物は、とても上質なのだとか。

日本では本州〜沖縄まで分布し、山野の道ばたや草むら、林縁部などで見られます。今回の写真は河原の草むらに生えていました。茎の長さは1m〜1.5mに達しますが、夏が過ぎて、秋ともなれば茎が横に倒れて、高さとしてはそれほどではなくなっていたりします。茎も茶色く硬そうで、確かに丈夫な繊維をとることができそうな感じ。

茎や葉柄には毛がたくさんあります。写真では茎が茶色く硬くなっていて、毛の様子がわかりにくいですが、よくよく見ると短毛が生えているのが見えました。葉柄の方はまだ白くて毛があることがわかりやすかったですね。そして葉の裏には綿毛が密生しているのでかなり白いです。晩秋のころ、丈夫な茎はそのまま立ち枯れて、枯れた葉もクシャッと巻いた状態で残っていることがあります。その状態でも葉の裏の白さがよく目立ちます。それで、あぁ、きっとクサマオ(カラムシ)だろうなぁと思ったりします。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花期は8月〜9月。雄花と雌花があってそれぞれ別の花序につきますが、個体としては雄花も雌花も両方つけます。つまり、「雌雄異花同株」です。花序は茎の上部では雌花序、下部では雄花序が出ます。雄花序、雌花序ともに花序の軸にも毛があって白っぽい。

雄花序の雄花では、雄しべの「花糸」がのびて、その先に花粉の入った「葯」があります。この花糸の部分が開花と同時にバーンとのびて、その衝撃で花粉が飛び散るしくみです。雌花序の方では、つぼ形の「花被」をもつ雌花が集まって球状になっています。そしてその球状のものがたくさん花序についています。雌花の花被の部分には、細かい毛がたくさん生えているのでブワブワした感じです。

クサマオ Boehmeria nivea var. nipononiveaクサマオ Boehmeria nivea var. nipononivea
左:雌花序、右:雄花序

花は1つ1つが小さく地味で、基本的には「風媒花」なのですが、花糸をバネのようにのばして花粉を飛ばすというちょっと積極的な部分もあったりする不思議な花ですね。花糸の部分には横の縞模様があるそうで、それがバネの役割をするのだとか。

【和名】クサマオ [草苧麻]
【別名】カラムシ [幹蒸、茎蒸]
【学名】Boehmeria nivea var. nipononivea
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

以前、「ヤブマオ」または、雑種かも知れない、大きな葉のタイプを「クサマオ」として掲載していますが、そちらの方はちょっと怪しい。でも、今回のはしっかり「クサマオ」だと思います。

■当ブログ内関連記事
クサマオ(前回の記事)

■Trackback People : 野草people

posted by hanaboro at 19:05| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 茎など | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。