2005年10月31日

コミカンソウ

コミカンソウ Phyllanthus lepidocarpusコミカンソウ Phyllanthus lepidocarpus


コミカンソウは、本州、四国、九州に分布し、道ばたや畑に生育する一年草です。トウダイグサ科コミカンソウ属(Phyllanthus)に分類されています。茎は赤みを帯びてまっすぐに伸び、草丈は10cm〜30cmほどです。まっすぐに伸びるのは主要な茎のみで、この主要な茎の各節から小枝を横に伸ばします。葉はこの横にのびた小枝につき、直立した茎には葉がつかないことで、よく似た「ヒメミカンソウ」と区別できます。

葉は小枝の左右に1列ずつきれいに並んでつきます。マメ科植物のオジギソウのような見た目ですが、コミカンソウの葉は小枝に互生します。羽状複葉ではなく「単葉」です。その並んだ小さな葉は、長さ5mm〜1.5cmくらいの長楕円形、葉柄はほとんどありません。

コミカンソウ Phyllanthus lepidocarpusコミカンソウ Phyllanthus lepidocarpus


花期は7月〜10月。雄花と雌花がありますが、同じ個体に両方つく雌雄同株。雄花も雌花も葉の脇(葉腋)に下向きにつきます。小枝のより先端には白っぽい雄花が、基部の方には赤っぽい雌花がつきます。

ごく小さな花で、真上から見ていたのでは、開花に気づかないかもしれませんね。花被片は6つ。雄しべのように見えているものに2種類あって、中央の黄色い方は雄しべ、周辺の白っぽいものは「腺体」です。雌花の子房の表面には隆起した横しわ状のブツブツがあって、これが果実の時期まで残っているので、果実の表面がブツブツになります。また、雌花のごく小さなガク片6つも果実の時期でも果実の上部にはりついています。

果実も下向きで、葉の下にきれいに並んでつきます。直径2.5mmくらいの扁球形の「さく果」です。色は赤褐色で、表面にブツブツの突起があります。その名のとおり小さな蜜柑のような果実です。ヒメミカンソウやナガエコミカンソウの果実にはブツブツがありません。逆に花柄(果柄)はヒメミカンソウやナガエコミカンソウにはありますが、コミカンソウにはほとんどありません。

【和名】コミカンソウ [小蜜柑草]
【学名】Phyllanthus lepidocarpus
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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ネバリタデ

ネバリタデ Persicaria viscofera


ネバリタデは、日本全土に分布し、主に山野の日当たりのよい草地に生える一年草です。日本以外にも朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。タデ科イヌタデ属またはタデ属に分類させています。秋の野山に見られるタデの仲間は、いろいろありますが、このネバリタデは、茎や葉に毛が多く茎の上部に粘る部分があることが大きな特徴です。

ただし、いろいろと形態の変異があって、「アオネバリタデ Persicaria viscofera f. viridescens」、葉が細長く毛がより短い「オオネバリタデ Persicaria viscofera var. robusta」、「イヌネバリタデ Persicaria viscofera var. robusta f. laevis」などが認められています。

筆者の住んでいる近所では、道端の草地に「イヌタデ」と「ハナタデ」が多く見られ、河川敷だと「オオイヌタデ」が群生しています。でも、このネバリタデは、なかなか目に入ってこないです。

ネバリタデ Persicaria viscoferaネバリタデ Persicaria viscofera


草丈は40cm〜60cmほど。茎は細くて華奢な印象。茎や葉に粗い毛が多くてフサフサ。また、茎の上部の節間や花柄から粘液が出て、触るとベタベタします。ネバリタデという名前は、そこからきています。

葉は長楕円形〜披針形。先はとがっています。葉の両面、縁にも毛が目立ちます。葉柄はほとんどありません。節の部分の「托葉鞘」は筒状で、そこには長い縁毛があります。筒の長さ、縁毛の長さはともに8mmくらい。この托葉鞘はタデの仲間のチェックポイントの1つ。ネバリタデの場合は、茎の托葉鞘の下のあたりを触ってみると粘るので、要チェックです。

ネバリタデ Persicaria viscoferaネバリタデ Persicaria viscofera


花期は7月〜10月。花穂はほとんどまっすぐにのびます。花穂が細長くて花がまばらなところなどは、「ヤナギタデ」や「ボントクタデ」に似ています。でも花穂はこの2種のように明らかに花穂が垂れ下がるという感じではないです。花被(がく)は緑白色〜淡い紅色で、4つに裂けます。花被の長さは2mm程度のものです。果実は黒くて光沢のある3稜形です。

【和名】ネバリタデ [粘り蓼]
【学名】Persicaria viscofera
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2005/10/31
【撮影地】東京都

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2005年10月29日

アレチウリ

アレチウリ Sicyos angulatusアレチウリ Sicyos angulatus


アレチウリは、北アメリカ原産のつる性の一年草です。ウリ科アレチウリ属の植物で、日本で最初に確認されたのは、1950年代のことだそうです。現在では、各地の荒れ地や河原などで群落になっているのがよく見られます。旺盛な繁殖力で、大きな問題となっている植物です。

つる状の茎は数mまでのび、粗い毛が密生しています。葉の脇から出る巻きひげで他のものにからみついて、大きめの葉で背の低い植物の上を覆いつくすような状態になります。葉は幅の広い円心形で、浅く3つまたは5つ〜7つに裂けます。表面はザラザラして、長めの葉柄には粗い毛があります。

アレチウリ Sicyos angulatusアレチウリ Sicyos angulatus


花期は8月〜9月。葉の脇(葉腋)から花序が出て、淡い黄白色の花が咲きます。雌花と雄花がありますが、同じ個体に両方つく雌雄同株。ただし、同じ個体にはつきますが、雄花と雌花は別々の花序につきます。雄の花序の方は長さ10cm〜15cmほどまで伸びて、まばらに雄花がつきます。雄の花序は長くのびて葉よりも上に見えます。雌の花序は長さは短くて、雌花は葉の下、葉柄の付け根のあたりに、球状に集まってつきます。長さ2cmくらいの柄の先にぶら下がるような感じです。柄の部分には腺毛があります。

花は直径1cmほど、雄花の中心には雄しべがありますが、葯と花糸がくっついて丸っこい塊になっています。雌花の雌しべの柱頭は3つです。

アレチウリ Sicyos angulatus


もちろん果実ができるのは、その雌花序の方です。ウリ科の植物の果実ときいて想像する果実とはずいぶん様子が違います。果実の表面は鋭く長くて、でも軟らかいトゲとそれより短い軟毛に覆われて白っぽく見えます。そのゴツゴツした塊には、長い卵形の果実(液果)がいくつも球状に集まっています。1つの果実にできる種子は1つ。平べったい卵形です。

【和名】アレチウリ [荒れ地瓜]
【英名】Burcucumber
【学名】Sicyos angulatus
【科名】ウリ科 CUCURBITACEAE
【撮影日】2005/09/17、2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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Flower Blog Ring TB企画参加記事の更新情報について

Flower Blog Ring TB企画、ご参加くださってありがとうございます。今回は、このTB企画について、すでにご参加くださっている皆さんや、これから参加しようと思ってくださっている皆さんにご相談です。

現在、Flower Blog Ringでは「第一回TB企画:心に残る花への手紙」をやっているところです。リングに参加されていない方からもトラックバック(TB)していただけて、とてもうれしく思っているのですが、参加していただいた記事のTB、今のままだとしばらくすると埋もれてしまいます。それに新しいTBがあるかどうかは、企画記事に飛ばないとわかりづらいですし、記事の下までスクロールしないといけませんよね。それを何とか改善して、参加いただいた記事をせっかくですから、よりたくさんの方に見ていただくにはどうしたらいいものかと考えておりました。

新たに参加いただいた記事のリンク集を、このブログの1記事としてもよいのですが、どうしてもその記事の更新が遅れがちになると思いますし、その記事だって埋もれていってしまいます。個別記事についてRSSの配信でもできればよいのでしょうけれど。。。

そこで、ひとつご提案なのですが、「MyClip」を利用させていただくのはいかがでしょうか。MyClipというのは簡単に言うと、気になるニュースやblog記事を自分のblogに表示できるというものです。これなら、TBいただいた記事を管理人がClipすることによって、BlogPeopleやMyblogListと同じように、記事へのリンクをJava ScriptやRSSを利用してブログのサイドバーなどに表示することができます。Clipすると早い段階でClip情報が更新されるので、企画記事を経由しなくても参加記事に飛ぶことができます。

ただし、問題があります。このサービスを利用して記事をClipすると、MyClipのトップページに投稿される形になります。つまり、そこにリンクがつくことになって、そこからのアクセスがある可能性があります。多くの方が利用されているサービスですので、そういうアクセスがありがたくない場面もあるのかもしれません。TB企画立ち上げ時点で、ご提案していたらよかったのですが、実際に始めてみてから考えたことなので、すでに参加の皆さんやこれから参加を考えてくださっている皆さんはどうお考えかなと。もし、そういうことは困る!とお考えの方がおられましたら、これは取りやめますのでご検討いただけたらなと思います。

また、他にもっとよい方法があるよという場合は、どうぞお知らせくださいね。ご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。

(例) 実際にMyClipを利用した場合は、下記のようになります。表示されているのは記事タイトルで、日付はClipした日、タイトル部分にマウスを乗せるとポップアップでブログタイトルがでる設定です。恐縮ですが、現在、自分の企画参加記事のみClipして表示しています。カテゴリ困ってしまいましたけれど。

Flower Blog Ring 心に残る花への手紙:Flower Blog Ring

posted by hanaboro at 15:19| 東京 🌁| Comment(17) | TrackBack(0) | Flower Blog Ring | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オニウシノケグサ

オニウシノケグサ Festuca arundinaceaオニウシノケグサ Festuca arundinacea


オニウシノケグサは、ヨーロッパ原産のイネ科ウシノケグサ属(Festuca)の多年草で、温帯を中心に亜寒帯〜暖帯まで世界的に広く見られます。日本では牧草や法面の緑化に利用されていますが、北海道〜九州の各地で野生化して、道ばたや空き地などでしばしば群生が見られます。さらに、同属の「ヒロハウシノケグサ」や両種の交雑種も認められているといいますから、なかなか難しいところですね。

茎は根元からそう生して、直立しますが、背の高くなったものは花期にはうなだれていることも多いです。茎の長さとしては50cm〜2m近くに達します。茎や葉は全体に無毛です。葉は線形で、長さは10cm〜50cmくらい、幅は1cm前後です。「葉舌」は短くて1mmほど。葉鞘の口の部分にはちょっと張り出した「葉耳」があって、そこには開出した毛があります。

オニウシノケグサ Festuca arundinaceaオニウシノケグサ Festuca arundinacea


花期はふつう6月〜8月。写真は10月なのでちょっと季節はずれ。夏のころには葉がもうちょっと立ち上がっているのですが、秋も深まったこの時期、葉は頼りなく横に広がっていました。

花序は茎の先につき、長さは10〜30cmほど。小穂は3コ〜10コの小花からなり、長さは1cm〜1.8cmで、しばしば紫色っぽくなっています。小穂には柄があって、長さは1cmはないくらいです。芒は1mm〜4mm。

今回、オニウシノケグサとしたのは、1つの小穂につく小花の数が10個を超えないことと、ごくわずかに葉耳の縁に毛が見られたことからです。芒は1mm〜4mmということですが、今回のものにはほとんどないように見えました。だとすると、芒にないヒロハウシノケグサや中間的なものなのかと、また迷ってしまいますけどね。

【和名】オニウシノケグサ [鬼牛の毛草]
【英名】トールフェスク(Tall fescue)
【学名】Festuca arundinacea
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月28日

ヒメジョオン

ヒメジョオン Erigeron annuus


ヒメジョオンは北アメリカ原産の一年草、または越年草で、世界中に広く見られるそうです。日本に入ってきたのは、江戸末期〜明治初期のことだそうで、観賞用にもたらされたそうです。今では都市部の空き地や道路脇などから、山地のかなり標高の高い場所までいたるところで見られます。旺盛な繁殖力によって、特に荒れ地では大繁栄をとげています。

キク科ムカシヨモギ属の植物で、草丈は30cm〜1.2mくらい。茎には毛が生えています。茎を切ったときの断面は、白い「髄」がしっかりつまっていて「中実」です。特に上部の方で枝分かれします。よく似た「ハルジオン (Erigeron philadelphicus)」とは、花期が少し遅く、蕾があまりうなだれないこと、頭花がひと回り小さめ、茎が中空でないことなどで区別できます。

葉は互生。根生葉や下部の葉は卵形で柄がありますが、上部にいくにしたがって葉柄は不明瞭になります。縁のギザギザ(鋸歯)は粗いです。上部の葉は先のとがった長楕円形。ふつう根生葉は花期には枯れてしまいます。

ヒメジョオン Erigeron annuus


花期は6月〜10月。これに対してハルジオンの花期は5月〜7月で、早くから開花しはじめ、早く花期が終了します。ヒメジョオンの方は秋まで長く見られます。

頭花は枝の先に頭花の直径は2cmほど。周辺にある「舌状花」は、ほとんど白色か淡い紅紫色。舌状花、つまり花びらに見えるものは、細長くて質も薄く繊細な感じ。それがかなりの数、周辺部に並んでいます。中央部の黄色の部分には、「筒状花(管状花)」があります。舌状花と筒状花の冠毛の長さが違っていて、舌状花の冠毛より筒状花の冠毛は長いです。

夏の終わりに草刈が行われた場所では、すでに新たに芽生えたらしい根生葉。そして早くも開花している個体も。今の時期、大きく生長している個体は、きっと越冬はできないでしょうけれど、根生葉のものはこのまま越冬かな。あぁ、根生葉が目立つ時期になったなぁ。あれからもう一年経ったのね。

【和名】ヒメジョオン [姫女苑]
【学名】Erigeron annuus
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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ウシノシッペイ

ウシノシッペイ Hemarthria sibiricaウシノシッペイ Hemarthria sibirica


ウシノシッペイは、本州、四国、九州に分布し、道端の草地などに生育するイネ科ウシノシッペイ属(Hemarthria)の多年草です。ふつうは湿り気の多い場所に生え、長く横にのびる走出枝によってふえて群生するそうですが、今回の写真、筆者の近所のものは道端の空き地の縁にありました。開花している茎は、数mの範囲で5〜6本。セイタカアワダチソウ、ヒメムカシヨモギ、オオアレチノギク、ヨモギやノコンギクなどにまぎれて生えていました。

草丈は60cm〜1mちょっとくらい。草丈はそれなりにあるのですが、とにかく、地味なものが多いイネ科の中にあっても、かなり地味な方。その植物がそこにあるということに気づきにくい植物の筆頭格といえるかもしれません。でも、よく見るとその姿は、とても個性的。茎の上部の節で枝分かれします。葉は線形。長さは20cmほど、幅は5mm前後です。

ウシノシッペイ Hemarthria sibiricaウシノシッペイ Hemarthria sibirica


花期は7月〜10月。茎の先端や比較的上部の葉の脇(葉腋)から、1本ずつ花序がでます。花序は細長い円錐状ですが、長さは5cm〜8cmくらいで、ちょっとだけ弓のように曲がっています。この花序の付け根の部分には、葉のような「苞」があります。「ウシノシッペイ」という名前は、この花序の形から、竹を割って作った牛をたたく「竹箆(しっぺい)」に見立てての名前だそうです。

小穂は平べったい披針形で花序の軸にペッタリはりついています。小穂の長さは5mm〜8mm、柄のある小花と柄のない小花が1セット。ただし柄があるといっても、その柄は花序の軸と合わさっているので、通常の柄のようにはよくわからないものです。花序は一見すると、ただの茎のように見えますが、はりついた小穂からブラシのような「花柱」が飛び出ているのを見ると、かろうじてそこに花があるのだと気づかされるような、そんな感じです。

【和名】ウシノシッペイ [牛の竹箆]
【学名】Hemarthria sibirica
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/28
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月27日

マルバヤハズソウ

マルバヤハズソウ Kummerowia stipulacea


マルバヤハズソウは、本州、四国、九州に分布し、道端の草地などに生育する一年草です。マメ科ヤハズソウ属に分類され、同じ仲間の「ヤハズソウ (Kummerowia striata)」とそっくりですが、枝分かれのしやすさ、葉の形やつき方、茎の毛の生える向き、豆果の形などが違っています。

茎は赤みを帯びて、たくさん毛が生えていますが、この毛が上向きについているところがポイントです。ヤハズソウの場合は下向き、茎に伏せたように生えています。茎は細いですが、よく枝分かれして、結構しっかりしています。草丈は15cm〜30cmほどです。

葉は互生。倒卵形の3つの小葉が1セットになったもので、枝の先ほど集まってつく傾向があります。葉の先はごく細くとがっていますが、その部分が下向きに曲がっているので、上から見れば先がへこんでいるように見えます。ヤハズソウと同じように、斜めに走る側脈がきれいに並んでいます。やっぱり、同じように引っ張れば矢はず形ににちぎれます。小葉の縁や裏面の中央の葉脈上には毛があります。

マルバヤハズソウ Kummerowia stipulaceaマルバヤハズソウ Kummerowia stipulacea


花期は8月〜10月。花は葉の脇(葉腋)にだいたい1つか2つ、パラパラとつきます。淡い紅紫色のマメ科の「蝶形花」。一番目立つ「旗弁」は淡い紅紫色。そして旗弁の付け根と、花の底の部分にある「竜骨弁(舟弁)」の先はちょっと濃いめの紅紫色。他の部分は白っぽい。

昆虫が訪れる前の花は、雄しべや雌しべが竜骨弁の中に包まれていますが、そこに昆虫が訪れたりして刺激が加わると、雄しべや雌しべが竜骨弁から出たままになります。この小さな花、何の昆虫が訪問するのでしょう。でも、このマルバヤハズソウも、たとえ昆虫が訪れなくても結実する仕組みをちゃんと持っているようです。蕾のまま開かずに結実する「閉鎖花」もつけますし。

果実は平べったい楕円形で、先は丸っこいです。ガクは果実の時期にも残っていて、長さは1.5mm。1つの豆果の中に種子は1つだけできますが、熟しても裂けないマメです。

【和名】マルバヤハズソウ [丸葉矢筈草]
【学名】Kummerowia stipulacea
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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キササゲ

キササゲ Catalpa ovataキササゲ Catalpa ovata


キササゲは、中国原産のノウゼンカズラ科キササゲ属(Catalpa)の落葉高木です。日本でも古い時代から主に薬用植物として植えられていたそうで、現在ではしばしば河原などに野生化しているのが見られます。同じ仲間で花が大きく見栄えのする「アメリカササゲ (Catalpa bignonioides)」などは、観賞用の花木として植栽されます。

高さは5m〜12mほどまで達し、樹皮は少し灰色っぽい褐色で、縦に裂け目が入ります。葉は対生または三輪生。大きな広卵形で、ふつうは先が3つに浅く分かれています。長さはだいたい20cmほどですが、もっと大きめの葉も見られます。質はやわらかくて葉の裏、特に葉脈上に毛が生えています。葉柄は5cm〜20cmほどと長めです。また、葉の付け根の方を見ると、濃い紫褐色の小さな点々があります。ところどころ葉脈の脇にも見られるこの点々の部分には「蜜腺」があって、主にアリが訪れます。

キササゲ Catalpa ovataキササゲ Catalpa ovata


花期は6月〜7月。枝の先に円錐状の花序を出します。花冠は先の広がった漏斗形。色は淡い黄色で、内側には紫色の斑点模様と黄色の2本の帯状の模様があります。訪れる虫たちを中へと誘導しているかのような模様ですね。花冠の長さは2cmほどで、先は5つに裂けて、ビラビラと縮れた感じになります。

果実は「さく果」で、長さは30cmほどもあって、たくさん束になってひものように垂れ下がります。その様子は独特なので、少し遠めに見てもそれとわかると思います。キササゲという名前はその果実がマメ科の「ササゲ」に似て、木であるところからきているそうです。ちなみに種小名の「ovata」は「卵形の」という意味なんですが、う〜ん、どの部分のことを指しているのでしょうね。

【和名】キササゲ [木大角豆、木捧]
【学名】Catalpa ovata
【科名】ノウゼンカズラ科 BIGNONIACEAE
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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ヒロハホウキギク

ヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensis


ヒロハホウキギクは、北アメリカ原産の一年草または多年草です。世界的に温帯の地域に広く見られるそうです。日本で最初に確認されたのは1960年代のことだそうで、現在では各地の道ばたや空き地、水田の周辺などに見られます。同じ北アメリカ原産の「ホウキギク」や両種の雑種で種子のできない「ムラサキホウキギク」というのもあります。

茎には毛はなくよく枝分かれして、草丈は50cm〜1m程度で、大きいものでは1.5mほどにもなります。枝分かれした枝が横に広がって、線が細く目立たない割にはそれなりの空間を占めます。枝の出る角度がホウキギクの場合は「30度〜60度」、ヒロハホウキギクの場合は「60度〜90度」といわれています。雑種や他の種をとりあえず置いといて、この2つで迷った場合、横に大きく広がった形になっていればヒロハホウキギク、全体が細くまとまっていたらホウキギクの可能性が高くなるでしょうね。

葉は互生。まばらな感じでつきます。幅は0.8mm〜2.5cmとホウキギクよりは広めですが、上部の葉だと小さく細いので、この点だけでは難しいこともあります。開花期には下部の葉が枯れていることも多いですし。葉の基部はほとんど茎を抱かず、葉柄が見られることも。

今回の写真のものはちょっとだけ残っていた下部の枝の葉を見ると、幅が狭くて付け根から先までの幅がほとんど変わらないので、この部分はホウキギクの特徴になっています。しかし、枝が横広がりであることと開花期の冠毛が短いことでヒロハホウキギクとしています。ヒロハホウキギクの葉は本来なら付け根と先が細くとがって中央部分が幅広くなるはずなんですがね。

ヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensisヒロハホウキギク Aster subulatus var. sandwicensis


花期は8月〜10月。直径は7mm〜9mm。ふつう「冠毛」は頭花の中心にある「筒状花(管状花)」より短くて、よく見ればちょっとだけ筒状花の間からのぞいているというくらいです。開花期にはほとんど目立ちません。これに対して、ホウキギクの方は冠毛が筒状花より長くて、開花期にもよく見えます。ヒロハホウキギクの周辺部にある「舌状花」は、淡い紫色。総苞は細長い筒状で、総苞片は先のとがった線形で総苞にはりついています。

筆者の近所のヒロハホウキギクは、道路脇のコンクリート壁のわずかな隙間に生育しています。ススキやヨモギ、セイタカアワダチソウ、ノコンギクもすぐ近くに生えているのですが、どういうわけだか、他の植物がみんな道路脇の平たい部分に生えているのに、このヒロハホウキギクは平たいところにはなくて、壁の隙間から出ていました。

【和名】ヒロハホウキギク [広葉箒菊]
【学名】Aster subulatus var. sandwicensis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/09/17、2005/09/29
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月26日

オオクサキビ

オオクサキビ Panicum dichotomiflorum


オオクサキビは、北アメリカ原産のイネ科キビ属の一年草で、世界中に広く帰化しているそうです。日本で最初に確認されたのは、昭和のはじめごろのことだそうで、今では日本各地の道ばたのの草地や空き地、田畑の周辺などに見られます。

草丈は40cm〜1mほどですが、茎が太くしっかりとした印象があります。茎は全体に毛はないですが、「葉舌」の先には毛があります。また、花序の中軸の部分にも細かな毛が見られます。葉は長い線形で、長さは20cm〜50cm、幅は1cm〜2cmくらい。表面には光沢があって、中央に走る葉脈がよく目立ちます。

オオクサキビ Panicum dichotomiflorumオオクサキビ Panicum dichotomiflorum


花期は9月〜10月。茎の先にフワッと広がるような円錐状の花序を出します。花序の部分の長さは20cm〜30cmくらいになりますが下の方は葉鞘に入った状態です。花序の枝は細くてたくさん出ますが、まばらな感じ。その枝には長さ2mm〜3mmくらいの「小穂」がついています。小穂は先のとがった細長い卵形です。その小穂の付け根の方を見ると、先のとがらない小さな三角状のものがはりついています。それは「第一苞頴」といいますが、これと反対の側には「第二苞頴」があって、こちらは小穂の長さと同じくらいです。

【和名】オオクサキビ[大草黍]
【学名】Panicum dichotomiflorum
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/09/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月25日

ヒメアシボソ

ヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianumヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianum


広義のアシボソは、日本全土に分布し、生育地は山野の日当たりのよい少し湿り気のある草地や林縁部などです。

ヒメアシボソは、イネ科アシボソ属(ササガヤ属 Microstegium)の植物ですが、学名の取り扱いはちょっとややこしそう。芒のあるものを「アシボソ」、芒のないものを「ヒメアシボソ」といいますが、これを分けるか分けないかは資料によってまちまち。両者のタイプをあわせて広義の「アシボソ」とすることが多くなっているようです。今回のものは明らかに芒がないので「ヒメアシボソ」のタイプ。これをアシボソの種内変異ととらえると、学名は「Microstegium vimineum f. willdenowianum」。狭義のアシボソは「Microstegium vimineum f. vimineum」。また、その逆にヒメアシボソの方が「Microstegium vimineum」となっていて、アシボソがその1変種などとされていることもあります。

草丈は60cm〜1mくらい。茎の下の方は地面をはってよく枝分かれし、節からは根を下ろします。アシボソという名前は、茎(稈)の下部が上部より細いことからきているといわれています。葉は長さ5cm〜8cmくらい。先のとがった披針形。幅は1cmくらいです。

ヒメアシボソ Microstegium vimineum f. willdenowianum


花期は9月〜10月。茎の先に花序の枝を1本〜3本、まっすぐ上向きか、またはやや斜め上にのばします。ふつうは茎頂部の1本が真上にのびてそれ以外が横方向にのびます。枝の長さは5cm程度で、長さ5mmくらいの「小穂」が1つの節に2つずつ対になってつきます。その小穂は柄のあるものと柄のないもので1セット。イネ科の小穂のつき方などは、パッと見ているだけでは、なかなかわかりづらい部分ですね。ヒメアシボソには芒がありませんが、狭義のアシボソには1cmを超えるほどの長い芒があります。

写真のものは、茎や葉が赤くなっていますが、特にこれはこの種を特徴づける特徴というわけではなさそうです。他の場所のはふつうに緑色ですし。

【和名】ヒメアシボソ [姫脚細]
【学名】Microstegium vimineum f. willdenowianum
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/21
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月24日

ヤマミズ

ヤマミズ Pilea japonica


ヤマミズは、本州関東より西の地域、四国、九州に分布し、山地の林の中の湿り気の多い場所に生育する一年草です。日本のほか中国や朝鮮半島にも分布するそうです。イラクサ科ミズ属(Pilea)の植物で、同じ属の「アオミズ (Pilea pumila)」よりも小型。属は違いますが春に咲く「カテンソウ (Nanocnide japonica)」をもっと地味にした感じかな。

草丈は10cm〜20cmほど、全体にヒョロヒョロと弱々しい感じで、茎は地面に倒れぎみ。下部の地面についた部分の節からは根をおろします。茎は全体に毛はなく、赤っぽくなっていることが多いです。茎の途中の節から短めの枝が少し出ます。

葉は対生。長さは1cm〜3cmくらいの卵形で、先は少し尾状にとがります。縁のギザギザ(鋸歯)は粗く、細長い葉柄があります。鋸歯の数は片側で5コ前後。質は薄くて、とても細かい毛が生えています。

ヤマミズ Pilea japonica


花期は9月〜10月。茎の先や上部の葉の脇(葉腋)から、細い柄を出してその先に、直径数ミリの塊となって小さな花がつきます。色は淡い緑色。その塊の中に雄花と雌花が密についています。雄花の方は雄しべが4本、花被片は4枚、雌花には細長い5枚の花被片があります。雄花と雌花の花被片の数が違うんですね。雌花の花被片は、果実の時期には、果実の周りを取り囲む形になります。その花被の間に挟まれたようにできる果実は、平べったい卵形で、濃いめの褐色。肉眼では、花序(果序)の中に小さくて黒っぽいプツプツが見える程度です。

【和名】ヤマミズ [山みず]
【学名】Pilea japonica
【科名】イラクサ科 URTICACEAE
【撮影日】2005/10/23
【撮影地】神奈川県

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2005年10月22日

野の草:それぞれの秋

関東の丘陵地。今のところイロハカエデの紅葉前線は到着していない。あとひと月ほどはかかるのかな。それでもケヤキは黄色や茶色に、街路や公園のハナミズキやビョウヤナギ、ドウダンツツジも赤く色づいて、草や木々の果実も目立つ。紅葉している草、立ち枯れている草も多くなった。足元に転がるドングリ、落葉樹の冬芽にも目が留まる。確実に深まる秋色。。。

そんな中、今を盛りと咲き誇っている花もあれば、しばらく見なかったのに返り咲いている花もある。おなじみの越年草の面々は早くも小さな芽生えを出して、瑞々しい姿を見せている。多年草たちもすでに立派なロゼットを形成しているものもある。今年は咲かなかった個体なのかもしれないけれど。秋とは役目を終えて散りゆくものと新たに芽生えるもの、それらの命のリレーを実感できる季節でもあるのですね。


■紅葉する草
オオニシキソウ Chamaesyce nutansオオニシキソウ Chamaesyce nutans (Euphorbia maculata)

オオニシキソウ


カラスノゴマ Corchoropsis tomentosaカラスノゴマ Corchoropsis tomentosa

カラスノゴマ



■終わりゆく花、果実
ツユクサ Commelina communisツユクサ Commelina communis
ツユクサっていろいろとおもしろい花ですが、しっかり開花せずに結実する「閉鎖花」もつけるのだとか。「花*花・Flora」のなかなかさんのサイトで知りました。
ツユクサ


ヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllumヌスビトハギ Desmodium podocarpum subsp. oxyphyllum

盗人の足跡に見えるかな。くびれのある「節果」。くびれたところからはずれたりして、衣服にくっつく「ひっつきむし」



■芽生える草
ホトケノザ Lamium amplexicauleホトケノザ Lamium amplexicaule
閉鎖花によってできる果実はちょっと小さめみたいですね。年内には閉鎖花が見られるかも。
ホトケノザホトケノザNo.2ホトケノザNo.3


カラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigraカラスノエンドウ Vicia sativa subsp. nigra
花時期の「花外蜜線」によくアリが。芽生えの状態ではまだ見られないですね。
カラスノエンドウカラスノエンドウ(No.2)


【撮影日】2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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記憶の中のアザミ

フジアザミ Cirsium purpuratum


もうずいぶんと前の話。西日本の住人だったわたしは、あるとき着のみ着のまま北陸を訪れて、今までに見たことのない美しいアザミに出会いました。その名はカガノアザミ。日本海側に見られるそのアザミは、少し湿り気のある林縁や里山的風景の中に生きていました。淡い桃色の頭花には細長い花梗があって、頭花は下向きに点頭します。総苞片は瓦状にほとんどピッタリとはりつき、そこには腺体があって触ると粘着します。クモ毛はなかったなぁ。

葉の表面には光沢があって羽状に浅裂〜中裂。葉のつき方、花のつき方、どこをとってもバランスのよいその草姿は、走らせる車の窓からでもよくわかりました。そのカガノアザミを見てしまったおかげで、その後しばらくの間はアザミ漬けの毎日。ほかの植物はもはや目に入らなかったほど夢中になっていました。思い返すと、とてつもなく懐かしい気持ちがこみ上げてきます。わたしは愚かでした。そういう幸せな日々を壊して、別れを告げなければならなかったのは若さゆえのこと。

それに引き換え手に入れたものは。。。会いたいのに会えないと、その分だけ想いはつのるものなのですね。今もなお、いつかまたあのころのようにと願いながらも、別の時間を過ごさなければならないもどかしさ。大事なものを遠くに置いてきてしまったまま、いったいどこへ向かっているのだろうかと思う今日この頃。

載っけた写真は、午後の光を浴びたフジアザミ。本文の内容と合ってない。カガノアザミにはもう長いことお目にかかってないものだから。当時はデジカメはなくてリバーサルで撮っていたけれど。あぁ。もうどこへ行ったのやら。それでも、記憶の中のアザミはいつも、さわやかに秋風に揺れて、林の縁を静かに照らしています。その花が心の中の一番ってことは、出会ったときからずっと変わってないんだよね。

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心に残る花への手紙:Flower Blog Ring

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2005年10月21日

コシロノセンダングサ

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


コシロノセンダングサは、暖帯〜熱帯にかけて広く分布する一年草です。日本で最初に確認されたのは、江戸時代の末期のことだとか。現在では道端や荒れ地などで見られます。キク科センダングサ属(Bidens)の植物で、「コセンダングサ」の変種として扱われています。

草丈は50cm〜1.2mくらいになります。茎には短毛が生えています。葉は対生。ふつう3枚〜5枚の小さな葉に分かれています。たまたま見かけた個体では小さな葉に分かれていない葉もつけていました。両面には細かい毛があって、縁の鋸歯(ギザギザ)の先はとがっています。

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


花期は9月〜11月。頭花は直径2cmほど。葉状になった総苞片や花柄には毛が目立ちます。中央の黄色い「筒状花(管状花)」はほとんどが両性で結実します。

中央部には周辺部には白色の「舌状花」が4個〜7個あります。花びら状に見えている部分の長さは5mm〜7mm程度。といいますが、大きさはかなり変異の幅が大きいようです。そしてその舌状花は雄しべ、雌しべが退化していて「そう果」ができません。この舌状花がまったくないのが、コセンダングサで、花びら状の舌状花があるのがコシロノセンダングサ。そして、外側の筒状花が舌状花になりかけたような中間的なものは両者の雑種と考えられています。「Bidens pilosa var. intermedia」という学名もあるようですが、どうなんでしょう。

コシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minorコシロノセンダングサ Bidens pilosa var. minor


筆者の近所のごく狭い範囲では、ごく小さな舌状花が見られるタイプから、一番外側の筒状花が白っぽく少し大きめになったようなタイプが多いです。まったく舌状花らしきものが見られないコセンダングサはちょっと少なめ。コシロノセンダングサっぽいタイプの方がちょっと大めって感じです。なんとなく雑種群となっている感じがするので、あえて区別しなくてもいいのかなという気もしますが、コシロノセンダングサか両者の雑種かその判断基準は、白くなっている「小花」が筒状花なのか舌状花なのかということかなぁと思っています。いかがでしょうか。

細長い果実は「そう果」で、長さは5mm〜1.2cmくらい。4つの「稜」があってちょっと角ばっています。先端のトゲは3本〜4本、または2本。そのトゲの部分にはさらに小さな下向きのトゲがあります。そう果本体の方にも細かいトゲがありますが、こちらは上向きに生えています。このようなトゲによって動物の体などにくっついて種子が散布される、「ひっつきむし」の1つです。

【和名】コシロノセンダングサ [小白の栴檀草]
【学名】Bidens pilosa var. minor
【別名】シロバナセンダングサ、シロノセンダングサ
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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2005年10月20日

ナガエコミカンソウ

ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellusナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus


ナガエコミカンソウは、アフリカやインド洋のマスカレーヌ諸島が原産といわれるトウダイグサ科コミカンソウ属(Phyllanthus)の小低木または一年草です。日本では近年になって温室以外の野外で生育しているのが確認されたものです。同じころ、異なる場所で発見されたものに別々に名前がつけられていましたが、現在では「ブラジルコミカンソウ」の方は別名として扱われています。その後は関東〜九州、沖縄の各地で認められ、特に都市部の道端に多く見られるといいます。その広がり方はかなり急速なものなのだとか。

草丈は10cm〜大きいものでは50cmほどに達します。茎は全体に毛はなく、やや赤みを帯びていることも多いです。まっすぐに伸びた茎から水平方向に枝を出します。枝は互生。その枝には長さ1cmほどの小さな葉がたくさんついています。葉は互生ですが、遠めにはマメ科に見られるような「羽状複葉」のように見えます。

葉は丸っこい広卵形ですが先端はちょこっととがっています。両面ともに毛はなく、縁のギザギザ(鋸歯)もありません。裏面は表面より薄い色で少し白っぽい。葉柄はごく短いもので、パッと見にはないように見えます。

ナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellusナガエコミカンソウ Phyllanthus tenellus


花期は夏〜秋にかけてが主なのだと思いますが、温度が保たれれば通年開花可能なようですね。日本では今のところ一年草ですが、熱帯では低木状で過ごすそうですし。葉の脇(葉腋)に直径は2mmくらいの小さい花をつけます。1つの節につく花は1個〜数個です。花には5mm程度の柄があります。色は淡い黄白色。花の柄は付け根の方が赤っぽい。

花は雌雄異花、つまり雄花と雌花が別々の花で、雌花は長めの柄で葉の上に乗っているような感じで開き、雄花は短い柄で葉の脇の下の方についてよく見えない感じ。

果実は直径2mmくらいの小さなもの。表面は滑らかです。果実の柄は、よく似たこの仲間の中では長い方。同じ属のよく似た在来種「コミカンソウ (Phyllanthus lepidocarpus)」の果実は、柄が短く表面に赤褐色の突起があって下向きに並んでつきます。「ヒメミカンソウ (Phyllanthus ussuriensis)」の場合は、ナガエコミカンソウと同じように表面は滑らかですが、短い柄で下向きに並んでいます。そして葉の幅が細いです。

【和名】ナガエコミカンソウ [長柄小蜜柑草]
【別名】ブラジルコミカンソウ
【学名】Phyllanthus tenellus
【科名】トウダイグサ科 EUPHORBIACEAE
【撮影日】2005/10/20
【撮影地】東京都日野市

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ヒメミカンソウ

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2005年10月19日

ヤマゼリ

ヤマゼリ Ostericum sieboldii


ヤマゼリは、日本では本州、四国、九州に分布し、山野の林縁などに生育するセリ科ヤマゼリ属(Ostericum)の多年草です。ただし、「多年草」とはいっても、1度花をつけた個体は、果実をつけると枯れてしまいます。このような生活様式を「一回繁殖型」といいます。ちなみに発芽したその年は根生葉のみで過ごすそうです。これは「ヤマゼリ」が特別というわけではなく、ふつう多年草といっている植物の中にも、このタイプの植物はいろいろあると思います。

名前は「山芹」ですが、とくに山地に限らず、標高は低くても見られます。茎は上部のほうでよく枝分かれして、草丈は50cm〜1mくらいになります。葉は2回または3回羽状複葉。1つ1つの小葉は長さ3cm〜5cmくらいの卵形で、縁のギザギザ(鋸歯)は粗めです。

ヤマゼリ Ostericum sieboldiiヤマゼリ Ostericum sieboldii


花期は7月〜10月。枝先から草丈の割には小さめの花序をたくさん出します。花序の形はセリ科の植物によく見られる「複散形花序」です。花は白色の5弁花。花弁の先は内側に向かって小さく折れ曲がっています。ガクは小さくて、先のとがった披針形です。開花前のつぼみの状態がちょっと変わっていて、花弁がクルクルと内側にないたようになっています。雄しべもクルクルの脇に挟まっている感じで、開くとパーンとのびて紫褐色の「葯」が見えます。伸びきった雄しべって結構長いですよね。

果実は長さ4mm程度。ふくらみはありますが、ちょっとつぶれたような卵形〜楕円形。縦に入った「隆起線」がよく目立ちます。

【和名】ヤマゼリ [山芹]
【学名】Ostericum sieboldii
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE (APIACEAE)
【撮影日】2005/10/02
【撮影地】東京都八王子市

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ヤマボウシ

ヤマボウシ Benthamidia japonica


ヤマボウシは、日本国内では本州、四国、九州に分布し、山野のやや湿り気のある場所に生育しています。朝鮮半島や中国にも分布しているそうです。ミズキ科の落葉高木で、高さは5m〜15mくらいになり、枝は水平にのびます。樹皮は灰色っぽいようなちょっと赤っぽいような褐色で、成木になるとやや円形に不規則に剥がれて斑模様になります。「ハナミズキ」の場合だと、亀裂が入る感じの樹皮になります。

葉は対生ですが、短い枝(短枝)の先に何枚も集まってつくことが多いです。長さは5cm〜10cmくらい、幅は5cm前後で丸っこい卵形。縁にギザギザ(鋸歯)はなく、ウネウネと細かく波打ちます。葉をひっくり返ると、葉脈の付け根のあたりに茶色っぽい毛が生えていることがあります。葉脈はよく目立ち、4対〜5対ある「側脈」は、葉先の方に向かって緩やかなカーブを描いてのびています。葉柄は短めで5mm程度。

ヤマボウシ Benthamidia japonica


花期は5月〜7月。白くて花びらのように見えるのは「総苞片」です。いわば花を保護する役目のもの。総苞片は4枚あって先がシャープにとがっています。長さは5cm前後。実際の花は小さくて中心部に球状に集まっています。花の数は20個〜30個くらいです。ヤマボウシという名前は、この球形の頭状花序を僧侶(山法師)の頭に、それより下の部分から出ている白色の総苞片を頭巾に見立てたものだといいます。

1つ1つの花は5mm程度のもので、ちゃんと「花弁」があります。花弁は黄緑色でやはり数は4枚、雄しべは4本、雌しべは1本だけ。ガクも4つあるのですがほとんど目立ちません。

「アメリカヤマボウシ」または「ドッグウッド」とも呼ばれる「ハナミズキ」の方は、近年、都市部の街路樹に多く利用されているほか庭のシンボルツリーとしても人気の高いようですね。こちらの方は、同じように4枚ある「総苞片」の先がくぼんでいるので、見分けられると思います。

花の時期、中心部に見えていた緑色の小さな球状の部分が大きくなって果実になります。果実は直径1.5cnほどで、各花がくっついてできた「集合果」です。秋、9月〜10月には赤く熟して、見た目はゴツゴツですが食べられます。このゴツゴツの様子が桑の実にも見ているということで、別名を「ヤマグワ」とも言うそうです。花は長い柄によって葉よりも上に突き出して咲きますけれど、果実はというと、熟すまでは上向きについていますが、次第に写真のようにぶら下がってくるようですね。でもそのまま上向きのこともあるかな。

【和名】ヤマボウシ [山法師]
【別名】ヤマグワ
【学名】Benthamidia japonica (Cornus kousa)
【科名】ミズキ科 CORNACEAE
【英名】Japanese strawberry tree
【撮影日】2005/09/29
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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ゴゼンタチバナ

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2005年10月18日

ネズミガヤ

キダチノネズミガヤ Muhlenbergia ramosa
キダチノネズミガヤかもしれないタイプ

ネズミガヤは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野のちょっとした草地に生育する多年草です。イネ科ネズミガヤ属に分類されているのですが、実はこの属の数種、よく似ているんですよね。ネズミガヤのほかに、「キダチノネズミガヤ」、「コシノネズミガヤ」、「オオネズミガヤ」などです。今回の写真のものは、今のところ、ネズミガヤとキダチノネズミガヤではないかなと思っていますけど、どうでしょうね。

茎(稈)は細くてやや斜めに立ち上がることが多く、草丈は15cm〜30cmほど。ふつう茎の下の方では地面をはって地面についた部分の節からは根を下ろします。葉は細長い線形で、質は薄くやわらかいです。長さは5cm〜10cmくらい、幅は細くて5mmあるのかなってぐらい。

ネズミガヤ Muhlenbergia japonicaネズミガヤ Muhlenbergia japonica
ネズミガヤのタイプ

花期は8月〜10月。花のつく穂の部分は長さ10cm前後、ややまばらに枝をつけて「小穂」もあまり密集する感じではないです。小さめの円錐形の花序はやや先が垂れ下がり気味で、サラサラと涼しげな印象です。小穂は長さ3mmくらいしかありませんが、「芒(のぎ)」は5mm〜8mmです。細長い糸状のものが芒で、「外花頴(がいかえい)」というところから出ています。苞頴や護頴は半透明の膜のような感じで灰色っぽいですが、芒は紫色っぽいです。

外花頴は「護頴(ごえい)」ともいいますが、イネ科の小穂の一番外側にある2枚の「苞頴(ほうえい)」の次に外側にあるもので、「内花頴」とともに「雄しべ」、「雌しべ」などを包んでいる部分です。そして外花頴より内側のものが1セットになったものが「小花」です。ネズミガヤの場合、1つの小穂に小花は1つだけ。

キダチノネズミガヤ Muhlenbergia ramosa
キダチノネズミガヤタイプ
稈の上部
ネズミガヤ Muhlenbergia japonica
ネズミガヤタイプ
小さい苗の状態


写真が入り乱れてわかりにくいですが、ネズミガヤタイプとしているものは苞頴の先がとがっていること、その長さは小花の3分の2くらいはあるということで、ネズミガヤとしています。ちょっと雄しべの「葯」がでっかいような気もしますけれど。また、キダチノネズミガヤタイプとしているものも、小穂の様子などは、ネズミガヤタイプとしたものとそう変わらないのですが、稈が途中でやや密に枝分かれしている感じがあったので、キダチノネズミガヤ(Muhlenbergia ramosa)かもしれないなと思います。

ちなみに、オオネズミガヤの場合は、稈がほとんど枝分かれせず直立して、苞頴の先がとがらないはずです。なかなか難しいですのう。

【和名】ネズミガヤ [鼠茅]
【学名】Muhlenbergia japonica
【科名】イネ科 GRAMINEAE (POACEAE)
【撮影日】2005/10/02、2005/09/19
【撮影地】東京都日野市、八王子市

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posted by hanaboro at 20:17| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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