2005年11月14日

オトコヨウゾメ

オトコヨウゾメ Viburnum phlebotrichum


オトコヨウゾメは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地のやや日当たりのよい林縁部などに生えるスイカズラ科ガマズミ属の落葉低木です。高さは大きくても2mくらいでしょうか。枝は薄い灰色。「ヨウゾメ」というのは、「ガマズミ (Viburnum dilatatum)」の地方名だそうですが、ガマズミに比べると、オトコヨウゾメの方が、葉や花序も小さくて木全体の姿もずっと繊細です。

葉は長さ4cm〜9cmほどの卵形。表面はほとんど無毛。側脈が平行に走っているところは、なるほどガマズミの仲間だなと感じます。縁には粗めのはっきりとしたギザギザ(鋸歯)があって、葉柄は5mmくらい。葉の形は同じガマズミ属の「コバノガマズミ (Viburnum erosum)」によく似ていますが、オトコヨウゾメの方が葉柄が長めです。また、ガマズミやコバノガマズミの葉は、毛が多くて、触るとフサフサします。

オトコヨウゾメ Viburnum phlebotrichumオトコヨウゾメ Viburnum phlebotrichum


花期は5月〜6月。枝先から小さめの散房花序がでて、小さな花を数個つけます。ガマズミよりはずっと控えめな花序です。雄しべもそんなに目立ちません。花冠はほとんど白色で、直径5mm〜9mmほど、先は5つの裂片にわかれていて、その分かれた裂片が平たく開きます。

果実は「核果」で、秋には赤く熟します。そして果実が十分に熟すころには、果序が垂れ下がってきます。コバノガマズミも同じように垂れ下がる感じですね。でもちょっと、果実の形が違っています。オトコヨウゾメの核果は長さ8mmほどの楕円形ですが、コバノガマズミは球形に近いです。

写真の果実は、もう水分が飛んでしまってシワシワになっています。こういう果実を見ると冬の訪れを感じます。枝先や葉腋にはすでに冬芽の準備もできています。冬芽は濃い紫褐色。ガマズミのような星状毛はなく、無毛でちょっと光沢があります。一番外側の1対の「芽鱗」が小さいのはガマズミ、コバノガマズミ、ミヤマガマズミとも共通です。

【和名】オトコヨウゾメ
【学名】Viburnum phlebotrichum
【科名】スイカズラ科 CAPRIFOLIACEAE
【撮影日】2005/11/13
【撮影地】東京都あきるの市

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posted by hanaboro at 18:31| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

モミジガサ

モミジガサ Parasenecio delphiniifolius


モミジガサは、本州近畿地方以北と四国に分布し、山地の林内の比較的肥沃な場所に生育するキク科の多年草です。草丈は30cm〜90cmほど。若い葉が山菜として利用され、「シドキ」と呼ばれています。地上部もそろそろなくなりそうな、初冬にもなれば、枯れた花や葉しかなくなってしまって、山菜として利用したい気持ちにはならないですけどね。

モミジガサは、近年まで長いこと「コウモリソウ属 (Cacalia)」に分類されてきましたし、多くの一般的な図鑑類でも「Cacalia」となっていました。しかし、東アジアに分布しているコウモリソウ属の植物は、「Cacalia」から「Parasenecio」に組み込まれ、日本に分布する十数種も「Parasenecio」に分類されるようになっています。

葉は互生。葉の形が独特です。葉身はモミジの葉のように裂けます。長さは15cmくらいです。長めの葉柄があります。モミジときいてふつうイメージする樹木のモミジ類の葉よりはずっと大きい葉です。葉脈は裏面に向かってちょっと刻まれたような感じで目に付きます。表面は無毛ですが、裏面に絹毛が見られます。

和名はモミジとついていますが、学名の種小名は「delphiniifolia」。つまり「デルフィニウム属のような葉」とつけられています。学名の最初の命名者のSieboldさんたちにはデルフィニウムに似ていると見えたようです。確かにちょっと似ているかもしれませんね。

モミジガサ Parasenecio delphiniifoliusモミジガサ Parasenecio delphiniifolius


花期は8月〜9月。茎の先に細長い円錐状の花序がのびます。花序はいくらか小さな枝を出して、そこに頭花がいくつかずつつきます。頭花は白色、キク科の花を見たとき、ふつう花びらのように見える「舌状花」がモミジガサにはなく、小花はすべて両性の「筒状花(管状花)」です。1つの頭花には5つ程度の筒状花があります。

「総苞」の部分は細長い筒形で白緑色。幅は5mmあるかなというくらいで、そこには、細長い「総苞片」が5つほど並んでいます。果実は、長さ5mmくらいの「そう果」です。

【和名】モミジガサ [紅葉傘]
【別名】モミジソウ、シドキ
【学名】Parasenecio delphiniifolius (Cacalia delphiniifolia)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/11/06
【撮影地】東京都檜原村

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posted by hanaboro at 16:26| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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