2005年12月31日

カシワ

カシワ Quercus dentata


カシワ。この葉は「柏餅」を包む葉としておなじみですね。北海道、本州、四国、九州に分布するブナ科コナラ属(Quercus)の落葉高木です。山地や丘陵地に生育しています。高さは15mほどになり、枝をグンッとのばして、ちょっと荒っぽいような力強い感じの樹形です。樹皮は濃いめの灰褐色〜黒褐色で、縦の割れ目が目立ちます。

葉は互生。枝先に集まってつきます。葉は長さ10cm〜30cmの倒卵形で、先はとがらず丸っこくなっています。縁の鋸歯も大きくて先は丸く、ギザギザという感じではありませんね。ちなみに、学名の種小名「dentata」には、「歯牙状の」という意味があります。

幅もなかなか広くて、一番幅のあるところだと8cm〜15cmくらいはあるでしょうか。とにかく独特の葉なので、すぐカシワの木だと気づきます。同じブナ科コナラ属の「ミズナラ」の葉は、似ているところもありますが、鋸歯の先がもっとシャープです。シャープな鋸歯はカシワ以外のコナラ属の特徴でもあります。

葉の毛は、若葉のころなら短いものがそれなりに見られますが、しばらく経つと少なくなってきます。表面は濃いめの緑色。裏面は表よりは色が薄く、白っぽい緑色。中央の葉脈はしっかり入り、8対〜12対の側脈もよく目立ちます。

カシワというのは、「炊く(かしぐ)葉」、つまり食べ物を蒸すときに利用する葉とういう意味なのだとか。ホオノキなんかも同じように、大きな葉っぱは食べ物を蒸すのに利用されてきたんですよね。カシワの葉はホオノキほどの大きさではないですが、ご飯を盛るのにも使われたそうで、ブナ科では最大級の葉ですね。

カシワ Quercus dentata


花期は5月〜6月。雄花は垂れ下がる雄花序につき、雌花は葉の脇(葉腋)につきます。雌花は新しくのびた枝の上部に5個ほどで、雄花序はそれより下の方から垂れ下がります。長さ10cmほどです。

果実は「堅果」で、いわゆる「どんぐり」の1つです。といってもちょっと形は変わっている方です。長さは1.5cmくらいの横幅の大きなもの。どんぐりの帽子の部分は、「殻斗(かくと)」といいますが、カシワの殻斗は、ふつうどんぐりといって思い浮かべるものとはちょっと違っていて、細長い鱗片状の総苞片がたくさんってボサボサしています。

植林地の縁に生えていたカシワの木。もうあたりの落葉樹の多くが葉を落とした中、カシワの木には茶色になってもなお、なかなか完全に落葉せず、しばらくは枝に残っているものも多い。こういうふうにいつまでも落葉しないのは、「離層」という部分の形成があまりしっかりとしたものではないからだそうです。冬芽は褐色でぶっとく、細かい毛がたくさん生えています。

【和名】カシワ [柏、槲]
【学名】Quercus dentata
【科名】ブナ科 FAGACEAE
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月28日

ヤマネコノメソウ

ヤマネコノメソウ Chrysosplenium japonicumヤマネコノメソウ Chrysosplenium japonicum


ヤマネコノメソウは、山地の林内などのやや湿り気の多い場所に生えるユキノシタ科ネコノメソウ属の多年草です。草丈は10cm〜20cmほど。まだ浅い春、明るい緑色の丸っこい葉を広げ、全体に水分を多く含んだ瑞々しい姿が見られます。地面を横にはう走出枝のないタイプ。茎には長めの軟毛があります。ネコノメソウという名前、これは、花後に見られる果実が裂開したときに中の種子が見える様子、あるいは裂開する前の果実の様子が猫の目に似ていることからきているそうです。

ヤマネコノメソウの茎生葉は互生。ネコノメソウだと対生です。茎の途中には葉は少なく1枚〜2枚、または見られないことも。上部には輪生状に集まってつきます。根生葉にはより長い柄があります。葉は縦の長さよりも横幅の方が広めの腎円形。幅は1cm〜2cmほどです。縁のギザギザ(鋸歯)は、ギザギザというのには程遠く、先はとがらず丸っこいものです。

花期は3月〜4月。茎の上部の葉が集まったあたりの中心に、小さな花を数個つけます。花には花弁がなく、ガク裂片の先の方は緑色で、付け根の方は黄色っぽいです。裂片の長さは1mmちょっとの小さなもの。このガク裂片は、花の最盛期には平たく開いています。その中に4個〜8個の雄しべがあって、先端の葯の部分は黄色です。

果実はさく果で、熟すとパカッと裂開します。開いた果実のおわんの中には、褐色の小さな種子がたくさん入っています。雨が降ったとき、雨滴がおわんの中に当たってその衝撃で中の種子が弾き飛ばされます。そうやって種子が散布される種子散布様式を「雨滴散布」といいます。その後、水の流れで流されたりもするのでしょうかね。ネコノメソウの仲間は、チョロチョロ水が滴るような場所によく生えているし、種子散布の様式と関係ありそうですね。でも、ヤマネコノメソウの場合は、やや乾燥したところにも生えますから、どうなんでしょうね。

今回の写真はまだ芽生えたばかりのようでした。種子から芽生えるのは、春や秋なのかと思っていたので、こんな真冬に芽生えが見られて、ちょっとビックリ。この日は粉雪もちらついていたんですよ。秋に芽生えたものがそのまま成長せずにこんな小さな状態のままだったものなのか、つい最近芽生えたものなのかはよくわかりませんけれど。ちょっと密集して芽生えていたので、どうやら種子は広い範囲には散布されなかったようですね。

【和名】ヤマネコノメソウ [山猫の目草]
【学名】Chrysosplenium japonicum
【科名】ユキノシタ科 SAXIFRAGACEAE
【撮影日】2005/12/24
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月27日

シモバシラ

シモバシラ Keiskea japonica


シモバシラは、本州関東以西、四国、九州に分布し、山地の林内などに生育する多年草です。シモバシラと聞くと、ふつうは冷え込みの厳しい朝、地面からニョキニョキ出たものを思い浮かべます。でも、これ、植物の名前にもあるんです。俗称ではなく、ちゃんと図鑑にも出てくる名前です。シモバシラというからには、やっぱりそれだけの理由があります。写真のような状態になるからなんですね。では、どうしてそうなるかというと。。。

多年草のシモバシラは、冬になっても完全に枯れてしまうわけではありません。厳冬期にはほとんど活動を休止してしまいますが、まだそれほどでもない特に初冬のころには、地上部がすっかり枯れて見える状態でも、なお地下にある茎や根は活動を続けています。そして地下部の茎は根から水分を吸い上げます。いわゆる「毛細管現象」というものです。

でも、葉や地上に出ている茎はすでに枯れていて、地上部に出るとそれより上には吸い上げられず、地表付近の気温が氷点下なっていると、水分が一部凍ったりして膨張し、圧力に耐えかねて茎が破裂してしまいます。その後もその茎の割れ目から出てくる水分が次々と凍って、次第に横に広がって霜柱のような状態となります。それで、この植物は「シモバシラ」と呼ばれています。できる形は条件によっていろいろで、個性豊かな霜柱が楽しめますよ。

この現象は、シモバシラだけではなく、他のシソ科やキク科の植物などでも見られます。霜柱ができているからすべてシモバシラだとは限らないので、どの植物の霜柱なのかは、枯れた植物の姿から判断することになりますね。ほほほっ。

この現象が脚光を浴びるシモバシラですが、花も白色でなかなかよいものです。草丈40cm70cmほどのシソ科シモバシラ属の植物で、9月〜10月ごろ、長さ7mm〜8mmくらいの唇形花をつけます。花序は上部の葉腋から出ます。花序の長さは5cm〜10cmほど、唇形花はその花序の片側に片寄ってつきます。花冠は浅く2つに裂けた上唇とやはり浅く3つに裂けた下唇からできています。その花冠からは4本の雄しべと雌しべが突き出ています。

シモバシラ Keiskea japonicaシモバシラ Keiskea japonica


ガク片の長さは3mmくらい、先が5つに裂けています。ガク片は地上部が枯れてもよく残っています。このガク片や花序の出かたが、それがシモバシラの霜柱かどうか判断するポイントになるでしょうね。ちょっと怪しげな説明ですが、シモバシラの霜柱。だいたいこんな感じでよいですかね。

葉は対生。長さ10cm前後の長楕円形。縁には粗いギザギザ(鋸歯)があります。茎はシソ科らしく4稜形で角ばっています。花序の片側に花が片寄ってつくシソ科といえば、ナギナタコウジュという植物がありますが、シモバシラの葉や茎にはナギナタコウジュのような香りはありません。

【和名】シモバシラ [霜柱]
【別名】ユキヨセソウ [雪寄草]
【学名】Keiskea japonica
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/12/24
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月26日

ヤシャブシ

ヤシャブシ Alnus firma


ヤシャブシは、本州の東北南部以西の主に太平洋側と四国、九州の山地に生育する落葉高木です。樹皮は灰褐色で、短冊状にはがれてきます。高さは数m〜15mくらいになるカバノキ科ハンノキ属(Alnus)の植物です。同じ属で、本州の太平洋側に多い「オオバヤシャブシ」は、本来の生育地はより海岸に近い地域で、このヤシャブシはより内陸に多く生育します。また、日本海側の地域や多雪地域には、よく似た「ヒメヤシャブシ」が見られます。こちらの方は葉がより細長くて、側脈が20対以上とたくさんあります。果穂は垂れ下がります。

ただし、ヤシャブシの仲間は根に根粒菌が共生していることから、やせた土地でもよく生育できます。そのため緑化によく利用されているので、本来の分布域とされる場所以外でも見られます。林道沿いの崩壊地などにもいち早く入ってくるパイオニアでもあります。

葉は互生。幅の狭い卵形で、長さは5cm〜10cm、幅は2.5cm〜4cmほどです。先は次第に細くなってとがります。平行に走る側脈がよく目立ちますが、側脈はふつうは13対〜17対で、だいたい20対以内です。表面は濃いめの緑色。裏面の葉脈の脇にはよく毛が見られます。縁のギザギザは「重鋸歯」です。ですが、よくわからない場合もあります。葉柄の長さは1cmほどです。

葉の幅は、幅の広い方からオオバヤシャブシ、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシ。側脈の数はヒメヤシャブシが多く、オオバヤシャブシとヤシャブシはそれほど違いがないと思います。ただ、オオバヤシャブシの方が葉が少し大きめな分、側脈の間隔が大きくなります。

ヤシャブシ Alnus firma


花期は早春、3月ごろ。葉の展開よりも早く開花が始まります。雄花序と雌花序があって、雄花序のほうが雌花序よりも上につきます。雄花序は枝先や葉の脇から垂れ下がり、雌花序は1個〜2個で上向きにつきます。オオバヤシャブシは雌花序の方が上です。花の色は黄緑色。雌花はやや赤茶色を帯びています。

果穂は上を向き、多くは2個ずつですが、1個〜3個のことも結構あります。果穂の長さは1.5cm〜2cmくらい。果実は「堅果」で、長さは4mmほど、両脇に翼があります。

と、ここまで書いてきて何なのですが、写真の冬芽はかなり怪しいです。葉はヤシャブシなのですがね。。。

【和名】ヤシャブシ [夜叉五倍子]
【学名】Alnus firma
【科名】カバノキ科 BETULACEAE
【撮影日】2005/12/24
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月23日

ヤクシソウ

ヤクシソウ Crepidiastrum denticulatum


ヤクシソウは、身近なところによく見られるキク科の越年草ですが、学名は現在、アゼトウナ属(Crepidiastrum)とされているようですが、初期のころは「Paraixeris denticulata」とされたこともあれば、オニタビラコ属(Youngia)に分類されることもあります。

北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の道端や草地、林縁部などの日当たりのよい場所に生育しています。全体に毛はなく、やや色が薄い感じ、柔らかそうにみえます。茎はよく枝分かれして、しばしば赤みを帯びて、草丈は30cm〜1mを超えるくらいまでなります。小さいものでも結構花をつけるので、地面に近いところで咲いているのも見られますね。何となくヨロヨロと枝が垂れ下がって、何となく無造作な感じがします。

葉は互生。質は薄く、裏面は粉をふいたように白っぽくなっています。形や大きさがちょっと不ぞろいなところがあって、とらえどころのないような形の葉です。ですが、あえて形を書くなら、楕円形〜倒卵形です。長さは数cm〜10cmくらい、幅は2cm〜3cm程度。縁のギザギザ(鋸歯)は浅く入ります。付け根は多くの場合かなりしっかり茎を抱いています。

「ヤクシソウ」という名前は、その葉の形を薬師如来の後ろにある飾り(光背)に見立てたものといわれています。 しかし、名前の由来には諸説あって、薬師堂の近くで見つけられたからとか、薬用になることからなどといわれているそうです。

花期は8月〜11月。枝の先や上部の葉の脇(葉腋)に短めの花序を出して、数個ずつの頭花をつけます。花序には小さな苞葉も見られます。頭花は明るい黄色で、直径は1.5cmほどです。先がギザギザになった十数個の「舌状花」があります。筒形の「総苞」の部分は緑色ですが、濃いこともあれば、薄い色のこともあるようですね。総苞の長さは7mm〜8mmくらい。蕾や咲き始めの時期には上を向いているのですが、何だか次第にうなだれたような状態になります。

果実はやや黒っぽい濃い褐色の「そう果」で、長さは3mmほどしかありません。そのそう果には真っ白な「冠毛」がついています。木枯らしの冬の野山、そこらじゅうが落ち葉色に包まれた中、ヤクシソウの純白の冠毛が妙に目立ち、異彩を放ちます。いろいろあるキク科の植物の冠毛も、初冬のころまで咲くヤクシソウが、今シーズンの最後かな。

【和名】ヤクシソウ [薬師草]
【学名】Crepidiastrum denticulatum
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月22日

キッコウハグマ

キッコウハグマ Ainsliaea apiculataキッコウハグマ Ainsliaea apiculata


キッコウハグマは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林内の少し乾燥気味の場所によく見られるキク科モミジハグマ属の多年草です。多年草というと、少し大きめの草本を思い浮かべますが、キッコウハグマは小さな草本です。葉は地面にはりつくように出ます。草丈は、花茎がのびた状態で10cm〜30cmほどです。

葉は三角状のハート形。葉身の長さは1cm〜3cmほど。ふつうは三角形や五角形に見えますが、時にごく浅く5つに裂けます。それに丸っこいこともあって、意外にも結構、多型ですね。キッコウハグマという名前の「キッコウ(亀甲)」は、この葉の形が亀の甲の形に見えるところからきているそうです。

根もとの方に集まってつく葉は、より茎の上から出て中心の方に見える葉は葉柄が短いですが、より外側にある葉には長い葉柄があります。というより、後から出た葉は葉柄が短いけれど、古い葉になるほど次第に葉柄が長いといった方がよいのでしょうかね。両面にやや長めの毛が生えています。葉の大きさや葉柄の長さはちょっと不ぞろいなんですよね。

花期は9月〜10月。茎の上部の総状花序に、ややまばらに頭花をつけます。キク科の花なので、一見、1つの花に見える頭花には、3つの「小花」があります。花冠は長さ1cmくらいで白色です。小花の先は5つに深く裂けて、細い花びらのように見えます。でもキッコウハグマの花びらに見えるものは、舌状花ではなく筒状花です。開放花の小花3つは両性の筒状花です。総苞の部分は細長い筒状で、長さは1cm〜1.5cmほどです。

キッコウハグマは、ふつうに開く開放花のほかに、開かずに結実する「閉鎖花」もよくつけます。果実は「そう果」といって、長さは4mm〜5mmくらい。淡い褐色の羽状の「冠毛」があります。

【和名】キッコウハグマ [亀甲白熊]
【学名】Ainsliaea apiculata
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/11/20
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月21日

ノササゲ

ノササゲ Dumasia truncata


ノササゲは、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林縁などに生育するマメ科ノササゲ属のつる性の多年草です。結構、身近なところにもふつうに生えているのですが、少し暗めの林内で見られることも多くて、あまりたくさん花をつけているのに出会わなかったりします。果実となると、またなかなか見られなくて、今シーズン見ることができたのは、結局この記事の写真のものだけでした。

葉は質の薄い3つの小葉からできています。表面はやや青みの強い緑色で、薄めの色のこともありますが、裏面はもっと色が薄くて白っぽいです。小葉は長卵形。3枚ともそれほど大きさの差はないですが、頂小葉がやや大きめで、長さは5cm〜15cm、幅は2cm〜4cm。ヤブマメやツルマメなどより葉は大きいのですが、毛は裏面にまばらにあるくらいだし、質が薄く葉脈のシワシワ感がないので、ノササゲの葉は繊細に見えます。

ノササゲ Dumasia truncataノササゲ Dumasia truncata


花期は8月〜9月。葉腋から小さめの花序を垂らして数個の花をつけます。花は淡い黄色のマメ科の「蝶形花」です。長さは1.5cm〜2cmほど。ガクが細長い筒状です。そのガク筒の先は斜めにスパッと切ったような形で、裂片状には裂けないようですね。

豆果は、長さは3cm〜5cm、幅は8mmくらい。先に近い方がやや幅の広い形の鞘で、中に入った豆にそってボコボコとくびれて数珠状になります。ヤブマメだと特に豆果の縁の部分に毛が多く、ツルマメだと枝豆のように毛深いですが、ノササゲの豆果には毛が見られません。

熟すと鞘(豆果)自体が紫色になって、2つに裂けます。中の豆(種子)は、黒紫色の球形で、白っぽく粉をふいたようになっています。1つの鞘の中の種子は3つ〜5つほどです。裂けた豆果からぶら下がった種子は、かなり長い間、豆果から離れずにくっついています。

【和名】ノササゲ [野大角豆]
【別名】キツネササゲ
【学名】Dumasia truncata
【科名】マメ科 LEGMINOSAE (FABACEAE)
【撮影日】2005/11/23、2005/10/13
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月20日

クマヤナギ

クマヤナギ Berchemia racemosa


クマヤナギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林縁などに生えるクロウメモドキ科クマヤナギ属の落葉つる性植物です。クロウメモドキ科。ちょっと聞きなれないかもしれない科ですが、クロウメモドキという樹木も日本に自生していて、山地に見られる落葉低木です。庭木や果樹として植えられる「ナツメ」もクロウメモドキ科です。

枝は細長くのびて、やや大雑把に他のものに絡みつきます。絡みつくというより他の木に寄りかかって、よく垂れ下がっています。茎は太くても10cm〜15cmくらいのものではないでしょうか。でも質は丈夫です。若い枝は緑っぽく、古い枝は黒っぽくなります。

春、時々見られる芽生えたちは、茎がものすごく細く、小さな葉はとても繊細で、これはいったい何の草の芽だろうかと、一見、木本的ではないような姿が見られます。近縁種には、葉の大きな「オオクマヤナギ」、逆に小さな「ミヤマクマヤナギ」などがあります。

葉は互生。長さ5cm前後の卵形〜楕円形です。先は丸く少しくぼんだものと、ややとがったものが見られます。表面は緑色、裏面はやや白っぽい。毛は少なくて、裏面の葉脈の付け根あたりに見られるくらいです。

側脈は7対〜9対あって平行してのびているので、パッと見には直線的な脈にもみえますが、よくみるとゆるくカーブして葉縁に達しています。この側脈の様子がとても整然とした感じで、特徴的です。葉柄の長さは1cm前後です。

クマヤナギ Berchemia racemosa
コナラに絡まった太めのツル

花期は7月〜8月。枝の先や葉の脇(葉腋)からちょっと細長い感じの円錐状の花序をのばして、小さな花がたくさんつきます。花はやや緑色を帯びた白色。花弁もガク片も5つずつありますが、外側のガク片の方が、中にある花弁より目立ちます。雄しべも5本です。

果実は楕円形の「核果」で、長さは5mmくらいです。この果実は1年かかって熟します。はじめ緑色だった果実は、赤色になり、最終的には黒色に熟します。もう多くの木々の葉が落ちた師走の林の中、クマヤナギは比較的遅くまで葉が残っているようです。他の落ち葉の水分がなくなって縮れてきているころ、その上にハラハラと降ってくるクマヤナギの黄色い葉も、霜に覆われていました。

【和名】クマヤナギ [熊柳]
【学名】Berchemia racemosa
【科名】クロウメモドキ科 RHAMNACEAE
【撮影日】2005/12/17
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月19日

コゴメウツギ

コゴメウツギ Stephanandra incisa


コゴメウツギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林縁などによく生えるバラ科の落葉低木です。根もとの方からそう生し株立ち上になって、よく枝分かれもして、高さは1m〜2mになります。若い枝は褐色ですが、後にやや灰色っぽくなります。

葉は互生。形は三角状の卵形で、先は細長く尾状になってのびます。縁はやや羽状に深く裂けたり、浅く裂けたりします。さらに切れ込んだ裂片も含めて、ギザギザとやや不規則な感じの「鋸歯」があります。ちょっと重鋸歯っぽいですかね。葉身の部分の長さは2cm〜6cmくらい。葉柄の長さは5mm前後で少し毛があります。付け根の方は少し心形にくぼんでいて、そのあたりから3本の目立つ葉脈が出ています。表面はやや黄色みのある緑色。裏面はちょっと白っぽい薄い緑色。毛はパラパラと両面に散らばって生えていて、裏面の葉脈にはややかたまって生えているのが見られます。

花期は5月〜6月。小さめの円錐状の花序に、それなりにたくさんの花をつけます。1つ1つの花は小さな白色〜クリーム色の5弁花です。直径は5mmもないくらい。花弁はちょっと細長いヘラ形〜楕円形。花弁より少し短い卵形のガク片が、花弁と花弁の隙間からのぞきます。ガク片も白色。雌しべは中央に1本あって、それよりも少し長い雄しべが10本、雌しべの周りを取り囲んでいます。

コゴメウツギ Stephanandra incisaコゴメウツギ Stephanandra incisa


名前は、ユキノシタ科(アジサイ科)の「ウツギ」に似ていて、小さな花をつけることから「コゴメウツギ(小米空木)」というそうです。花自体は、あまり似ているわけではないかなと思いますが、花期は同じころで、似たような場所にも見られこと、花は白っぽいことなど、共通点はあるかなと思います。

花後には、小さな球形の「袋果」ができます。バラ科の樹木ですが、果実は赤くなるわけではないので、花時期以外、なかなか注目を浴びることがないかもしれませんが、秋には葉が黄色に色づきます。冬芽は濃い赤褐色です。

【和名】コゴメウツギ [小米空木]
【学名】Stephanandra incisa
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/11/20、2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月17日

ゆりのきファン発足

ゆりのきファンになってみませんか

一月ほど前、いつもと変わらない感じで「ユリノキ」の記事をアップしておりましたら、とてもうれしいことに思いがけず、たくさんの方にコメントをいただきました。そのとき、身近なところにたくさん植えられている木なのに、どうしてなのか、あまりよく知られていないことがあるという話がありました。チューリップのような花が咲くのですけれど、背が高すぎて実際にはよく見えないからなのかな、なんて思ったりもしますよね。でも、一度、この木の存在に気づくと、その愉快な花や葉に魅了されるのではないでしょうか。ユリノキって、とっても見た目の楽しい木なんですよね。花も葉も、そして果実とその終わった後の姿も。

わたしのまわりのごく狭い範囲では、まあ、ちらほら見られる程度で、そうたくさんはないのですが、東京の新宿御苑では、「公園おさんぽ日記」のはもようさんの記事、「新宿御苑のユリノキ」で見せていただけるように、本当に立派なユリノキを見ることができます。もう、いつまででも見ていたくなるほどの素晴らしい木ですよ。

ということで、このたび、ようやく、「ゆりのきファン」というものを作ることになりました。この「ゆりのきファン」は、特に難しい決まりごとはありません。ただ、ユリノキが好きだ!というただそれだけが条件です。具体的には、バナーをご自分のサイトに貼っていただくだけです。できれば、バナーを貼ってくださったら、こちらにお知らせいただけるとうれしいです。そのバナーというのはこの記事の下の方にあります。

バナー。ようやく今日になって大急ぎで作ったのですが、実ははもようさんの方が、一足早く素敵なワッペンと細長いのを作ってくださいましたよ。「青葉と花の初夏バージョン」と、「黄葉と実の秋バージョン」。大きさも2つずつ。花、葉っぱ、果実、ユリノキの魅力もしっかりわかるし、とてもおしゃれでかわいいですよ。ぜひ、はもようさんのところの「ゆりのき ファン 倶楽部」でご覧になってくださいね。

これを見せていただ後では、とても恥ずかしいのですが、一応、言い出した本人でもありますので、わたくしも作らせていただきました。ごくふつうのHPのバナーサイズ「88x31」の3種類です。

ゆりのきファン ゆりのきファン ゆりのきファン


上にあるhanaboro作成のバナーは、自由にご利用いただいて構いませんよ。お好みのバナーがあれば、ぜひみなさんのサイトのどこかに貼って、ユリノキの面白さみなさんに教えてあげてくださいませ。画像はどうか一旦お持ち帰りいただいて、ご自身のサーバーにアップロードしてお使いいただけると幸いです。

はもようさんのところのワッペンは、まだ許可を得ておりませんので、ご使用ははもようさんに許可をいただいてからということで、しばしお待ちくださいませ。はもようさん。いやぁ、本当に、暮れの忙しいときに、ありがとうございました!

もしよろしかったら、みなさんもバナー作ってみませんか。何かご要望などありましたら、お気軽にどうぞ。

■TrackBack : 「公園おさんぽ日記」さんの記事「ゆりのき ファン 倶楽部

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2005年12月16日

マユミ

マユミ Euonymus sieboldianusマユミ Euonymus sieboldianus


マユミは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地などに生育するニシキギ科ニシキギ属の落葉小高木です。高さは3m〜5m、大きいものでは10m前後になります。樹皮は灰褐色で、縦に裂けて縦のすじ模様になります。一年枝は緑色〜紫褐色。

葉は対生。やや長めの楕円形で、長さ5cm〜15cm、幅は2cm〜8cmほど、と少し大きさはばらつく感じ。先端は急に細くなることが多くとがっています。付け根の方の形は、くさび形〜やや円形とまあごくふつうの様子。縁のギザギザ(鋸歯)は細かく繊細なもので、やや波状。表面は濃い緑色、裏面は表面よりは少し薄めの緑色。特に白っぽくはないかな。葉柄は1cm〜2cmくらい。

マユミ Euonymus sieboldianusマユミ Euonymus sieboldianus


葉の毛は脈上にあるくらいで、あまり多い方ではないでしょう。葉脈上に突起状の毛が生えているタイプを特に「カントウマユミ (Euonymus sieboldianus var. sanguineus)」といいます。この毛ですが、あるいは毛のような突起(毛状突起)といった方がいいのかな。

中央の葉脈から出る側脈はやや角度が大きめに出て、比較的横方向にのびるイメージかな。というのも、側脈はダイレクトに葉縁に到達しないんですね。側脈の先は丸くカーブして隣の側脈などと合流。その葉脈が表にも裏にも隆起しているから何とも不思議です。

花期は5月〜6月。前年度にのびた枝から集散花序を出します。長さ5cm前後の花序には小さな花をまばらにつけます。花の直径は1cmに満たないもの、色は黄緑色。花弁、ガク片はともに4つです。そして、雄しべも4本という4数性。地味めの花ですが、雄しべの先にある紅紫色の「葯」が目立ちます。

マユミ Euonymus sieboldianusマユミ Euonymus sieboldianus


果実には4つの稜がありますが、4つの角っこが等間隔にならず、ちょっといびつな形になっていることもあります。何形といったらよいものやら。長さは1cmほど。秋にはセンスのよい紅色に熟して、4つに裂けます。よく似た同属のツリバナやオオツリバナなどは、熟した果実が5つに裂けるところが大きく違っています。

熟した果実が裂開すると、中からは赤い仮種皮に包まれた種子がぶら下がります。それはそれはとても美しいもので魅了されます。冬芽はずんぐりしていて、先はそれほどとがった印象はありません。これに対してツリバナの冬芽は細くて先がとがっています。マユミの冬芽の芽鱗は枝と同じ色で、縁がやや薄い色になっています。しばしば縁は白っぽくて毛が見られることもあります。

マユミという名前。まるで人の名前のようで、とても可愛らしい感じがしますが、これは、この木の材が緻密なので、かつてこの木で弓を作ったところからきているのだそうです。人の名前ではないんですね。。。

【和名】マユミ [真弓、檀]
【学名】Euonymus sieboldianus
【科名】ニシキギ科 CELASTRACEAE
【撮影日】2005/10/20、2005/12/11
【撮影地】東京都日野市、八王子市

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2005年12月15日

ツヅラフジ

ツヅラフジ Sinomenium acutumツヅラフジ Sinomenium acutum


ツヅラフジは、本州関東以西、四国、九州に分布し、山地や丘陵地などの林縁などに生育します。ツヅラフジ科ツヅラフジ属の落葉つる性の植物です。「アオツヅラフジ」とは、同じツヅラフジ科ですが別属に分類されています。茎は長くのびて他のものに絡まってよじのぼります。若い茎は緑色ですが、しだいに木化してきます。

葉はハート形に近いようなちょっと幅の広い卵形のものや、5つ〜7つに縁が浅く裂けるものもあって、葉の形はとても変化に富んでいます。今回は、地面に落ちている葉を見て、その存在に気づきました。その葉は裂けるところまでは行かないですが、縁にはちょっと鈍いかどがある感じでした。しかし、何だか様子が変なんですよね。どの葉にも葉柄がないんです。本当だったら5cm〜10cmくらいの長めの葉柄があるはずなのに。落葉時には葉柄と葉身が離れてしまうようですね。そういえば、秋に美しく紅葉していた「ツタ」もそうですね。赤い葉柄が葉身とは別々に散らばっていました。

葉の大きさは、アオツヅラフジよりは大きくて、葉身の長さは5cm〜15cm。表面は濃いめの緑色、若いうちは毛が生えていますが、しだいになくなっていきます。付け根からのびる5本〜7本の葉脈が目立ちます。

花期は5月〜7月。枝の先や葉の脇(葉腋)から円錐状の花序をのばして、小さな花を多数つけます。花序の長さは10cm〜20cm程度。ふつうは雄花と雌花が別の個体につく雌雄異株ですが、しばしば両方つけるものもあるのだとか。花は小さく色は淡い黄緑色、そう目立つものではありません。果実は球形の「核果」で、熟すと黒くなります。果実の直径は6mmくらいです。

先日、アオツヅラフジの果実の中のカタツムリのような、イモムシのようなアンモナイト状の種子、ようやく確認しました。そうなると、このツヅラフジの果実も確かめてみたくなるのですが、その日は結局、ツヅラフジの果実にはお目にかかれませんでした。。。

【和名】ツヅラフジ [葛藤]
【別名】オオツヅラフジ
【学名】Sinomenium acutum
【科名】ツヅラフジ科 MENISPERMACEAE
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月14日

センボンヤリ

センボンヤリ Leibnitzia anandria


センボンヤリは、日本全土に分布し、山地や丘陵地のやや開けた林縁部や乾燥地気味の斜面などに生育する多年草です。特に希少な植物というわけではなくて、比較的ふつうの植物のはずですが、いざこれを探そうということになると、あれれ?というようなちょっと神出鬼没なところもある感じがします。偶然見かけて、ああそうだな、ここはありそうな環境かななんて思います。

春型と秋型と2型あって、季節で異なった花をつけるという変わった植物。でも春は小さめだし、秋は大きくても花は目立たず、綿毛が見えてやっとその存在に気づかされる、そんな植物なのかもしれません。キク科センボンヤリ属の植物で、センボンヤリという名前は、秋型の閉鎖花が長くのび出て様子を大名行列の「千本の槍」に見立てたものだといいます。

葉は根もとから出てロゼット状になります。春型の葉は卵形で、縁に鋸歯はありますが、あまり羽状に裂けません。特に裏面には白くてモヤモヤッとした毛(クモ毛)が多く生えています。と、図鑑の紹介ではこんな感じに書いてありますが、これは春、それなりに早い時期のことかなと思います。季節が進んで初夏ごろに見ると、羽状に裂けた葉が見られます。秋型の方は長い楕円形で、粗くギザギザと羽状に裂けます。長さは5cm〜15cmくらいになります。

センボンヤリ Leibnitzia anandriaセンボンヤリ Leibnitzia anandria


花期は春4月〜6月と秋9月〜11月。春の花の花茎の方が短めで、根もとからのびてきて高さは5cm〜15cm。まっすぐにのびた花茎の先に1つずつ頭花がつきます。花茎にはクモ毛が多いです。周辺部分には「舌状花」が一列ならんでつき、中央部には「筒状花(管状花)」があります。直径は1cm〜1.5cmほどで、ふつう舌状花は白色ですが、特に裏面はよく紅紫色を帯びています。それで、別名をムラサキタンポポとも。

秋の花の花茎は20cmくらいから長いものでは50cmくらいに達します。春の花と同じで、長くのびた花茎の先に1つつきます。ただし、花といっても「筒状花」ばかりで花びら(舌状花)もない「閉鎖花」です。筒状花だけのキク科の花は特に珍しいものではないですが、センボンヤリの秋型の筒状花は、ちゃんと開かずに結実する閉鎖花なんですね。長さは1.5cmほどで、クモ毛のある「総苞」に包まれていて、先はキュッと絞った感じになっています。

この閉鎖花は、熟すと淡い褐色の「冠毛」が広がって、地味めの綿帽子になります。タンポポの綿帽子よりはちょっと小さめです。その冠毛は長さ5mmくらいの「そう果」についています。キク科の植物のそう果というのは、ふつう一見種子に見えるので、これをタネといったりしていますが、本当は果実、それも偽果の一種なんだそうです。本来の種子はその中に1つだけ包まれています。ちなみに、写真はすべて秋型です。

【和名】センボンヤリ [千本槍]
【別名】ムラサキタンポポ [紫蒲公英]
【学名】Leibnitzia anandria
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/12/11、2005/11/20
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月13日

サラシナショウマ

サラシナショウマ Cimicifuga simplex


サラシナショウマは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内や草原などに生育するキンポウゲ科サラシナショウマ属の多年草です。上部で少し枝分かれして、草丈は1m前後になります。茎の上部には短い毛が生えています。この植物のある場所は、独特の雰囲気に包まれます。林内で咲く花を見ると、ずいぶんと深山に入りこんだような気持ちになり、草原で群生する姿を見れば、その圧倒的な存在感に驚かされます。

地下には横にのびる根茎があります。漢方ではこの根茎を乾燥させたものが、解熱や解毒に用いられるそうで、「升麻(しょうま)」と呼ばれているそうです。また、名前の「晒菜(さらしな)」は、若い葉を茹でて水にさらして食用にしたことからきているとか。

葉は互生。2回〜3回3出複葉で、葉は茎の下部のものほど大きく、特に大きな個体の葉は長さは50cmほどにも達するようなものを広げます。小葉は先のとがった卵形で、縁にはちょっと不ぞろいのギザギザ(鋸歯)があります。葉には長い柄があります。その柄の付け根は何やら膜状になっていて、茎を抱いています。

サラシナショウマ Cimicifuga simplex


花期は8月〜10月。茎の先から長い穂状花序をのばして、白色の花をたくさんつけます。花序の長さは、30cmくらいにもなって長くてでっかい試験管ブラシ状。開花してすぐのころには、花の中央部に長さ5mmくらいの白色の花弁がありますが、多くは早々に脱落してしまいます。外側にあって蕾を包んでいたやや幅の広めのガク片も花弁と同様に落ちてしまいます。あの白くてヒラヒラしたものはというと、それは雄しべと雌しべ。とくにたくさんある「雄しべ」の集団ってことになりますね。雄しべの長さは5mmちょっとくらい。真っ白な花糸が目立っています。

一見、同じ構造の花の集団ですが、その中には雌しべと雄しべ両方ある「両性花」と、雄しべだけの「雄花」が混じってついています。

果実は「袋果」で、一ヶ所から1個〜数個、わたしなんぞがヒョコッと見つけられるものは、1つや2つのことが多いです。袋果の長さは1cmほど。果実の柄の長さは5mm〜6mmで、よく見ると短毛があります。果実の時期にも、果実の先端部分に、ちょっと先の曲がったごく短い「花柱」が残っています。果実の袋の中には、薄くて小さな鱗片に覆われた種子が入っています。

ヒョロヒョロの個体の場合だと、葉の特徴が同属の「イヌショウマ」あたりにも似ていたりするし、ほとんど地上部がなくなりかけたような時期なら、果実の柄の長さがイヌショウマとの違いを見るポイントになるかもしれませんね。開花期だと、サラシナショウマにははっきりとした花柄が見られますが、イヌショウマの場合は柄がない状態です。イヌショウマも果実には短い柄がありますが、毛が生えていないですよね。

【和名】サラシナショウマ [晒菜升麻]
【学名】Cimicifuga simplex
【科名】キンポウゲ科 RANUNCULACEAE
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月12日

ジャコウソウ

ジャコウソウ Chelonopsis moschataジャコウソウ Chelonopsis moschata


ジャコウソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の谷筋など湿り気の多い場所に生育するシソ科ジャコウソウ属(Chelonopsis)の多年草です。草丈は50cm〜1m前後くらいになります。茎には4つの稜があって角ばっています。見てもわかるし、触ってみてもカクカクしているのがわかります。細かい毛が多いのも特徴です。

12月10日過ぎの関東の低い山地。いまだ枯れ果てた今年の地上部をとどめていて、来シーズンの地上部になるであろう根生葉などは、まだ見られませんでした。地上部を出さずに越冬する多年草、園芸の方では「宿根草」とよばれるタイプなのでしょうか。新しい芽はいつごろ出てくるのでしょうね。

葉は対生。幅の細めの長楕円形です。長さは10cm〜20cmほど。先は尾状にやや長めに伸びてとがります。縁には粗めのギザギザ(鋸歯)がありますが、付け根の方の3分の1くらいの部分には、ギザギザがなく縁が直線的になっている感じ。それで付け根のあたりは小さく角ばったような耳状にちょっと張り出すような印象もあります。茎を抱きこむ場合にこういう葉の形をしているものが多いように思いますが、タニジャコウソウの葉にはちゃんと葉柄があって、茎を抱くわけではないですよね。その葉柄は1cm前後で、葉の長さに比べれば短めに見えます。

花期は8月〜9月。花冠はシソ科やゴマノハグサ科の花によく見られる、上唇と下唇のある「二唇形」です。花冠の長さは4cmほどで、同じようなところに生えて、同じくらいの背丈のシソ科の植物の中では、かなり大きめの花をつけます。色は紅紫色。茎の上部の葉腋(葉の脇)に1個〜3個ほどつけます。上唇はごく短く、下唇は3つに裂けて、中央の裂片が特に大きく長く突き出します。下唇の両側の裂片は上唇よりは長いですが、でもあまり目立たない方かもしれませんね。少し外側に反り気味になります。花冠の中には上唇にくっつくような形で、1本の雌しべと4本の雄しべがあります。

関東以西、四国や九州に分布するといわれる「タニジャコウソウ (Chelonopsis longipes)」は、花は小さめですが、細い花柄がスーッと長くのびでた先に唇形花がつきます。写真の撮影地は関東ですから、両者の存在が考えられますが、花のない果実だけの状態ではやはり花柄(果柄)の長さが頼りです。今回のものは柄の部分が5mmくらいですので、ジャコウソウでよさそうですね。大きく袋のようになったガクの中をのぞくと、シソ科らしく4つの分果が見えていました。ガクは開花期には長さ1cm程度ですが、果実の時期には1.5cm以上の丸みのある鐘形になります。脈も目立ちます。

ジャコウソウという名前は、葉や茎に麝香のような香りがあるからといいますが、どうでしょうね。今回はもうほとんど枯れ果てていましたし、寒さで凍えていた筆者の鼻はまったく利かないし、その香りはわかりませんでしたよ。


【和名】ジャコウソウ [麝香草]
【学名】Chelonopsis moschata
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月10日

ウスゲタマブキ

ウスゲタマブキ Parasenecio farfarifolius var. farfarifolius


ウスゲタマブキは、本州の関東以西、四国、九州に分布し、山地の林内に生育するキク科コウモリソウ属(Parasenecio、以前はCacalia)の多年草です。草丈は50cm〜1mを超えるくらいになります。まだ若いうちはクモの巣状の白っぽい毛、「クモ毛」が見られますが、次第に薄くなっていきます。

葉は丸みのある三角形に近いような卵形。長さは10cm〜15cm、幅も広くて15cm前後〜20cm近く。先は細くなって少しとがります。付け根の方はハート形の上部のように少しくぼんだ心形です。葉柄は長めです。裏面には薄くクモ毛が生えています。このクモ毛が密生しているタイプを「タマブキ (Parasenecio farfarifolius var. bulbifer)」といって、こちらの方は、北海道と本州の関東以北に分布するとされています。

ウスゲタマブキは、葉の脇などに「ムカゴ(珠芽)」ができます。これが大きな特徴です。コウモリソウ属の仲間はよく似ていますが、ウスゲタマブキ、タマブキの他に、ムカゴができるのは、北海道に見られる「コモチミミコウモリ」くらいではないでしょうか。こちらもまた変わっていて、葉柄に翼があって、付け根は茎を抱きこみます。

ウスゲタマブキ Parasenecio farfarifolius var. farfarifoliusウスゲタマブキ Parasenecio farfarifolius var. farfarifolius


花期は8月〜10月。茎の先に細長い円錐状の花序をのばして、長さ1cmほどの頭花をパラパラパラッとですが、それなりにたくさんつけます。

キク科の花なので、1つの頭花は複数の「小花」が集まってできています。しかし、ウスゲタマブキの小花はすべて両性の「筒状花(管状花)」なので、ふつう花びらにみえる「舌状花」はありません。白い筒の先から茶色っぽいヒラヒラが見えるような、いつ花が咲いたんだろうかというような地味なものです。でも筒状花は最盛期には黄色で、先が5つに裂けて反り返っています。筒状花の数は5個〜6個。それを包む「総苞」も細長い筒状で、長さは1cm程度。白色の総苞片が5つ並んでいます。

果実は長さ6mmくらいの円柱形の「そう果」で、白い冠毛があります。

【和名】ウスゲタマブキ [薄毛珠蕗]
【学名】Parasenecio farfarifolius var. farfarifolius
(Cacalia farfarifolia var. farfarifolia)
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/11/20
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月09日

カノツメソウ

カノツメソウ Spuriopimpinella calycina


カノツメソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内に生育するセリ科カノツメソウ属の多年草です。暗い林の中を通る登山道や林道の脇なんかにちらほらと見られる感じ。茎は細長くて、草丈は50cm〜1mほどになります。毛は生えていません。林内にひっそり咲く線の細いセリ科です。

上にのびた茎につく茎葉は3出複葉ですが、根生葉は2回3出複葉で長い柄があります。小葉はやや大小あって数cmから10cm前後です。先が細長くやや尾状にのびてとがります。小葉の縁には粗めのギザギザ(鋸歯)があります。特に上部の葉では幅が狭くなることが多く、小葉は披針形です。毛は葉脈上にちょっと見られます。

カノツメソウ Spuriopimpinella calycina


花期は8月〜10月。筆者の近辺で見られるセリ科の中では、もっとも花期の遅いセリ科です。同じころに見られるのは、ヤマゼリやノダケあたりですかね。茎の先に「複散形花序」と呼ばれる花序をのばして、小さな花がたくさんつきます。たくさんといっても、それなりの草丈のセリ科の中では、やや花はまばらな方かもしれませんね。花は白色。花弁より長い雄しべが目立つといえば目立つでしょうか。また、小散形花序の付け根の部分には、線形の「小総苞片」というものがヒラヒラと数枚ついています。

果実は長さ5mm程度の長卵形。果実ができるころ、長さ2mmくらいの雌しべの花柱や、ガクの先端部分の三角形が残っています。晩秋のころ、咲き誇っていた秋の花も終わり、木々たちの鮮やかな紅葉が主役となる山道では、カノツメソウも静かに次世代の種子を実らせて、今年の花の役目を終えようとしていました。

「カノツメソウ」という名前は、セリ科っぽくないような、ちょっと変わった名前ですが、これは根の形からきているとか。確かめたことはないですが、鹿の爪の形に似ているのだそうですよ。セリに似ている雰囲気のあることから、山地に生えるセリということで「ダケゼリ」とも呼ばれるそうです。ただし、「セリ Oenanthe javanica」はまさにセリ科の植物ですが、カノツメソウとは別属のセリ属(Oenanthe)です。

【和名】カノツメソウ [鹿の爪草]
【別名】ダケゼリ [岳芹]
【学名】Spuriopimpinella calycina
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE (APIACEAE)
【撮影日】2005/11/20
【撮影地】東京都八王子市

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2005年12月08日

ネコヤナギ

ネコヤナギ Salix gracilistylaネコヤナギ Salix gracilistyla


ネコヤナギは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の川沿いなどの水辺に生育します。ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木〜小高木です。高さは50cm〜3mほど。よく枝分かれして、株立ち状になり、枝はやや弓状に曲がって上に伸びます。枝は細く、樹皮は暗めの灰色。若い枝には灰白色の細かい毛がたくさん生えています。

葉は互生。長楕円形で付け根の方は丸っこく、先はとがっています。長さは10cm前後です。縁には細かいギザギザ(鋸歯)があります。やや硬い感じで表面は濃いめの緑色、裏面には絹毛が密生していて白っぽいです。冬芽も目立ち始め、わずかに枝に残る葉もほとんど枯れ果ててもなお、その裏面の絹毛を確認することができました。葉が若いうちは表面にも毛がありますが、次第に脱落してしまいます。

花期は3月〜4月。葉の展開よりも早く開花します。花序は尾状で、雄の花序と雌の花序があります。開花中の花序の長さは雄花序が3cm〜6cmと、雄の花序の方がより太くて長め。雌花序は長さ2.5cm〜4.5cmほどです。ですが、雌花序の方は、受粉後に長くのびてきて、果実の時期には10cm近くになります。長くのびて反り返った果実は「さく果」で、2つに裂けます。中から出てくる細かな種子は、モワモワの綿毛に包まれています。

初冬のころ、冬芽は赤褐色。枝の上部には葉芽が多く、その少し下部に花芽が多くつきます。やや先がとがっていて、灰白色の細かい毛に覆われています。長さは1cm〜1.5cmほど。よく似たバッコヤナギの冬芽は、先が丸っこくて毛がなくツヤツヤしています。芽鱗は1枚で、帽子をかぶったように芽を覆って、継ぎ目のようなものは見当たりません。

花芽の下のほうはちょっとふくらみがあります。葉がまだ残っているうちは、葉柄が枝にくっつくようについていて、その内側に冬芽が包み込まれています。葉柄の長さは5mm〜2cmほど。早春のころ、赤褐色の芽鱗を破って、銀白色の光るおなじみの姿になるまでには、これから来る寒波をいくつも越えなければならないのですね。

【和名】ネコヤナギ [猫柳]
【別名】エノコロヤナギ、カワヤナギ
【学名】Salix gracilistyla
【科名】ヤナギ科 SALICACEAE
【撮影日】2005/11/23
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月07日

ユキヤナギ

ユキヤナギ Spiraea thunbergii


ユキヤナギは、本州の関東以西、四国、九州に分布し、川沿いの岩場などに生えるバラ科シモツケ属(Spiraea)の落葉低木です。ですが、これがもともと自生していたものなのか、中国原産のものなのかは、いろいろと見解があるようです。それよりも一般的には、観賞用に庭や公園などに広く植えられているので、とても身近な春の花として親しまれています。

たくさん細かい枝に分かれて、弓状に曲がり垂れ下がります。樹皮は暗褐色〜赤褐色。若い枝には白っぽい短毛が密生しています。高さは1m〜1.5mくらいです。枝はもろくて、特に細かいものなどはちょっと触ったくらいでもボロボロと落ちてしまいます。根から新たに芽を出したり、そういうところからすると、増水時でもしなやかに枝を保つような、植物体を保護するような、川沿いに生きる植物として適応した形質のようにも思えます。

葉は互生。幅は狭めで先のとがった披針形。長さは2cm〜4cm。縁のギザギザ(鋸歯)はだいたい上半分にあって、細かく鋭い感じ。質は薄め。表面は明るい緑色。

ユキヤナギ Spiraea thunbergii


花期は3月〜4月。葉の展開より少し早めに開花が始まりますが、すぐに葉の展開が追いついてくる感じ。前年にのびた枝から「散形花序」を出して、たくさんの花をつけます。たくさんといっても1つの花序につき花は5個前後ですけれど。花の柄は長さ1cm前後ですが、花序には柄がありません。花序の基部には緑色の「総苞片」のようなものが幾枚か、まるで花が咲くようにパッと開いています。花は真っ白な5弁花。ガク片も5つ。枝いっぱいに咲く姿はとても美しいものです。

直径6mm〜8mmほどの小さめの花ですが、雄しべは20本ほどとたくさんあります。でも花弁より長さが短いので、雄しべ自体はそんなに目立つものではないかもしれません。花弁が開いた直後は、雄しべはまだ中央部で内側にまいていることもあります。その巻いた部分には黄色っぽい蜜腺が見られます。雄しべの多い花はふつうですが、ユキヤナギの雌しべは5本もあります。まあ、これも珍しいというわけではないですけれど。それぞれ花柱と子房があって、離生しています。花が咲き進むと、花の中央部分にツブツブと子房が並んで、5角形に見えます。この子房がそれぞれ結実して「袋果」になり、5月〜6月くらいには熟してしまいます。

名前は真っ白な花を雪に、葉の形を柳にたとえたものだそうです。落葉前は黄色から赤く紅葉します。

【和名】ユキヤナギ [雪柳]
【別名】コゴメバナ [小米花]
【学名】Spiraea thunbergii
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/11/26
【撮影地】東京都日野市

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2005年12月06日

ヒペリカム・ヒデコート

ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’


写真は、「キンシバイ」という種そのものではなく、キンシバイの園芸品種の「ヒペリカム・ヒデコート」といわれているものではないかと思います。確証はないですけれど。

さて、キンシバイはというと、これは中国原産のオトギリソウ科オトギリソウ属の半落葉性の小低木です。よく枝分かれして、高さは1mほど。枝は垂れ下がるように弧を描いてのびます。日本に導入されてから庭や公園にしばしば植えられています。しかし、近年、道路脇などによく植えられているのは、「ヒペリカム・ヒデコート」と呼ばれるもののようです。これはキンシバイの園芸品種ということなので、学名で書くと「Hypericum patulum‘Hidcote’」、こんな感じでしょうか。

ただし、オトギリソウ属の仲間つまり「ヒペリカム」と呼ばれているものは、外国の種や園芸品種がたくさんあるそうで、詳しいところはよくわかりません。「セイヨウキンシバイ」とも呼ばれる「ヒペリカム・カリシナム (Hypericum calycinum)」という種もよく植えられるそうですが、こちらは矮性で、地面を這うように枝が伸びて、グランドカバーとして利用されるそうです。

ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’ヒペリカム・ヒデコート Hypericum patulum‘Hidcote’


葉は対生。葉柄はありません。ちょっと幅の狭めの卵形で、長さは2cmくらい。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。裏面は粉を吹いたような感じでやや白っぽいです。キンシバイとヒペリカム・ヒデコート。どちらも基本的には葉のつき方が「2列対生」のようですね。でも葉のつき方も形もちょっと違って、キンシバイだと、先が急にちょっととがる感じで、葉のつき方は、だいたいはきれいに平面的に2列に並んで対生する「2列対生」です。ヒペリカム・ヒデコートと思われるものだと、ちょっとずれていることも多くなって、十字対生に近くなっていることもあります。

花期は6月〜7月。枝先の数個、鮮やかに光る黄色の花をつけます。花弁は5枚。まぶしいほどテカテカして、分厚いものです。直径はキンシバイだと3cm〜4cmほど。ヒペリカム・ヒデコートの場合は、キンシバイそのものよりは大きいようですね。直径はビョウヤナギと大差ないくらい大きく見えました。たくさんの雄しべがありますが、その雄しべは数十本が1セットになって、そのセットが5つあります。分解しなくてもよくみれば、何となく5つの束に分かれているっというのがわかると思います。

同じ時期に咲く同属のビョウヤナギとキンシバイはそれなりに似ていますが、一度違いがわかると、まったく別物に見えると思います。ビョウヤナギの方は大きめの花を上向きにつけますし、大量の雄しべが上にのびて、やや下に反り返る花弁との距離が開いています。これに対して、キンシバイの方はやや小さめで、花弁はふっくらとした梅弁。雄しべは短めで花弁の内側におさまっています。向きはだいたい斜め横くらいからやや下向きになります。開花期に見れば、遠目にも姿がぜんぜん違います。果実は「さく果」で、直径は1cmほど。熟すと先が5つに裂けます。

秋にもちらほらと咲いているものも見られました。

【一般名】ヒペリカム・ヒデコート
【学名】Hypericum patulum‘Hidcote’
【科名】オトギリソウ科 GUTTIFERAE(CRUCIACEAE)
【撮影日】2005/11/26
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 20:23| 東京 ☀| Comment(3) | TrackBack(0) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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