2006年01月16日

野の草:枯れ草の中の綿毛たち

身近なところから高い山の上までいたるところで見られるキク科の植物。ふつう種子といっているものは、本当は「そう果」という果実にあたるものですよね。キク科の植物には、そのそう果の上部に、風に乗って運ばれるくらいの「冠毛」をつけるものもたくさんあります。 その冠毛を見て、触って、飛ばして。花の終わった後も楽しめます。今回の写真は、多くの植物が枯れ果てた真冬の草原でのものです。ところどころ突き出している立ち枯れた姿を残す植物たち。よく見ると何種類かのキク科の植物にはまだ綿毛をつけたものも見られました。

オヤマボクチ Synurus pungensオヤマボクチ Synurus pungens 【和名】オヤマボクチ [雄山火口]
【学名】Synurus pungens

巨大な総苞から長めの冠毛のついた種子が出てきます。冠毛はあまりフワフワではないですが、パッと開いて風に乗ります。

タムラソウ Serratula coronata subsp. insularis 【和名】タムラソウ [田村草]
【学名】Serratula coronata subsp. insularis
タムラソウ

花時期の見た目がアザミ属によく似て見えるタムラソウ。上向きに咲き、草原で遠くから見るとノアザミやノハラアザミあたりに見えるかもしれません。でも葉はまったく違いますよね。枯れたときの総苞の感じもアザミ属のそれとは雰囲気が違っています。茶色さが違うとでもいいましょうか。それにかれても総苞片があまり反り返らず張り付いていますよね。

オケラ Atractylodes ovata 【和名】オケラ [朮]
【学名】Atractylodes ovata
オケラ

枯れてもしっかり残る魚の骨状の「苞」。これが大きなポイント。ボワボワとした羽毛状の冠毛も目を引きますね。カサカサの葉の縁の細かい鋸歯も要チェック。

タイアザミ Cirsium nipponicum var. incomptum 【和名】タイアザミ(トネアザミ)
【学名】Cirsium nipponicum var. incomptum

ただでさえ区別が難しいといわれている日本のアザミ属。冠毛だけでは無理だといってよいでしょう。枯れ果てた状態ではなおのこと。そこで一応の決め手となるのは総苞の大きさや形、総苞片の形状、腺体の有無やその様子、花や葉があればもちろんチェック。または筒状花の広筒部と狭筒部の長さなども要チェックですね。

ただし、枯れると本来は反り返っていないはずの総苞片が反り返っていたりしますから、そういう状態では同定といえるほどでもなく、精度はちょっと低くなってしまいますね。ある程度、分布域から種を絞り込んで、だいたいそうだろうということになります。詳しくはどうしても花の最盛期に、付近の個体群レベルで多くの個体を観察することで同定することになりますよね。今回、タイアザミとしているものだって、分布域と大きさなどから絞り込んでのものです。

【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2006/01/08
【撮影地】山梨県

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posted by hanaboro at 20:52| 東京 ☁| Comment(8) | TrackBack(1) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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