2005年12月02日

タブノキ

タブノキ Machilus thunbergii


タブノキは、本州、四国、九州に分布するクスノキ科タブノキ属の常緑高木です。山地というよりは、ふつうは海岸沿いの林に多く生育しています。また、しばしば公園などにも植栽されています。幹はだいたいまっすぐに伸びて、高さは15m〜20mにもなります。幹もかなり太くなり、1m前後、巨木になると2mにもなる堂々とした樹木。うっそうとした日本の照葉樹林の代表的な樹種です。樹皮は灰褐色。ほとんど滑らかですが、やはり古木になれば割れ目が見られます。クスノキ科ですので枝葉には特有のにおいがあります。

葉は互生。枝先に集まるようにしてたくさん葉がつきます。葉は長さ8cm〜15cmほどの長楕円形で、先が細く短めに突き出しています。突き出した部分は、とがるというよりちょっと丸っこくて鈍頭です。どちらかというと、上の方が幅広く、基部の方が細くなった感じで、卵をひっくり返した倒卵形に近い形。縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。葉柄は長さ1cm〜2.5cmくらい。質は厚く、表面は濃い緑色で光沢があります。裏面は白っぽいです。毛はありません。

タブノキ Machilus thunbergii


花期は4月〜5月。枝先の芽から黄緑色の花をつけた円錐花序と、しばしば赤みを帯びた葉がのびてきます。

果実は球形で、熟すのは夏。最初は緑色ですが、やがて赤色になった後熟すと黒くなります。果実は鳥に食べられて、それによって種子が分散されますが、そうやって運ばれた種子は地につくと直ちに発芽するのだそうです。果実の時期になっても、6つのガク片(花被片)が果実の後ろ側によく残っています。柄の部分が赤くなるのがちょっと異様な感じも。

枝先の芽は楕円形で太く、よく目立ちます。遠めには、どことなくツバキやサザンカの蕾をずっと小さくしたような雰囲気もあるかな。芽鱗の縁には褐色の毛があります。冬越し前はまだ緑色ですが、この芽は越冬中に次第に赤くなってきます。冬芽の観察といえば、何となく落葉樹の方に目がいきますが、タブノキは芽が大きな特徴でもあるので、要チェック!

クスノキ科にはクロモジやアブラチャン、ダンコウバイなどのように、秋には黄葉して葉を落として越冬するいわゆる「落葉樹」もあれば、クスノキやヤブニッケイ、シロダモのように、濃くつやのある葉をつけたまま越冬するいわゆる「常緑樹」もあります。常緑樹といわれるものはその言葉の印象から、まったく落葉しないようなイメージがありますが、ちゃんと?落葉します。落葉樹に比べて1つの葉の寿命が長くて一年以上なので、葉がまったくなくなる時期がないだけですね。クスノキなんかは落葉する葉は紅葉していたりします。

そういえば、樹皮が鹿の子模様のカゴノキも、名前の変わったバリバリノキなんていうのもクスノキ科ですね。

【和名】タブノキ [椨の木]
【別名】イヌグス [犬樟]
【学名】Machilus thunbergii
【科名】クスノキ科 LAURACEAE
【撮影日】2005/11/27
【撮影地】東京都新宿区

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posted by hanaboro at 18:15| 東京 ☁| Comment(5) | TrackBack(2) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。
この木は山に入るとよく見かけています。
何の木かな?と気になっていましたが・・・
赤い実が印象的だったので。
あまり日のあたらないところで良く見かけ
ますが、半日陰に自生するタイプでしょうかね?
Posted by atom at 2005年12月02日 23:34
タブノキは大きな芽ですぐわかるのでうれしくなります。
私がよく行く低山でかなりよく見かけるのですが、多くが1M程度の樹高です。もっとも大木に気づいてないだけなのかもしれませんね。
芽生えの頃オレンジ色の葉が広がりはじめたのを少し離れたところから見て、きれいな花が咲いているが何だろうと思ったことがありました。
Posted by arr at 2005年12月03日 07:15
*atomさん*

ようこそ、いらしてくださいました。
やっぱり、実が赤いと目に付きますよね〜。そうですね。タブノキなどの照葉樹林って、ちょっと暗くてうっそうとしている感じがしますね。社寺林なんかだと手つかずのままの原生林で、成熟した林とでも言うのかな、極相に達して林冠がふさがっていることも多いですしね。

それに、同じようなところに生えるブナ科のシイやカシ類も葉が枝先に集まるような感じで、樹冠がこんもりと茂るので、林の中は暗いかもしれませんね。また、発芽して、芽生えから幼樹のころにも、それほどたくさんの日光が必要ではないのかもしれませんね。でも林冠を占めている大きな木だと、光は十分得られているはずで。。。

あっ!すみません。何だかあんまりお答えになってないですね。変なことばっかりいってるような。ううう、つまり、その、公園なんかでドドーンとしている木を見ると、特に日陰でないと育たないわけではないでしょう。
Posted by hanaboro at 2005年12月03日 19:15
*arrさん*

おお、そうですよね。
大きな芽が目印になってくれます。葉っぱの他の部分は、よくある常緑樹の葉っぱって感じなんですけれどね。大きな木、どこかでめぐり合えるとよいですね。

新芽の色って、よいものですよね。タブノキの場合は、濃い古い葉との対比もよくて、本当、花のような美しさがあると思います。クスノキもちょっと小さめですが、そんな感じでなかなかよいですよね。
Posted by hanaboro at 2005年12月03日 19:23
タブノキといったら、潜在自然植生で有名な宮脇昭先生の木ですよね〜。古い神社の神木にタブノキがいくつかあります。タブノキは水に強い木だから、タブノキのあるところには、水が豊富にあるということであり、そこに田んぼをつくりなさいということだったんでしょうネ。なんか、歴史的なものを感じさせる木ですよね〜☆
Posted by パパパパパフー at 2007年09月06日 21:14
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Excerpt: クスノキ科の植物、タブノキです。 神社やお寺などに、大きなタブノキが植えられていることがあ...
Weblog: そらいろブログ新聞
Tracked: 2007-01-09 19:39

◇ タブノキの 赤い新芽が 天目指し/ タブノキの 幼木のクセ 新芽萌え
Excerpt: 色々引用させていただきました。どうぞ、よろしくお願いします。
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Tracked: 2008-05-15 11:40
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