2005年12月12日

ジャコウソウ

ジャコウソウ Chelonopsis moschataジャコウソウ Chelonopsis moschata


ジャコウソウは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の谷筋など湿り気の多い場所に生育するシソ科ジャコウソウ属(Chelonopsis)の多年草です。草丈は50cm〜1m前後くらいになります。茎には4つの稜があって角ばっています。見てもわかるし、触ってみてもカクカクしているのがわかります。細かい毛が多いのも特徴です。

12月10日過ぎの関東の低い山地。いまだ枯れ果てた今年の地上部をとどめていて、来シーズンの地上部になるであろう根生葉などは、まだ見られませんでした。地上部を出さずに越冬する多年草、園芸の方では「宿根草」とよばれるタイプなのでしょうか。新しい芽はいつごろ出てくるのでしょうね。

葉は対生。幅の細めの長楕円形です。長さは10cm〜20cmほど。先は尾状にやや長めに伸びてとがります。縁には粗めのギザギザ(鋸歯)がありますが、付け根の方の3分の1くらいの部分には、ギザギザがなく縁が直線的になっている感じ。それで付け根のあたりは小さく角ばったような耳状にちょっと張り出すような印象もあります。茎を抱きこむ場合にこういう葉の形をしているものが多いように思いますが、タニジャコウソウの葉にはちゃんと葉柄があって、茎を抱くわけではないですよね。その葉柄は1cm前後で、葉の長さに比べれば短めに見えます。

花期は8月〜9月。花冠はシソ科やゴマノハグサ科の花によく見られる、上唇と下唇のある「二唇形」です。花冠の長さは4cmほどで、同じようなところに生えて、同じくらいの背丈のシソ科の植物の中では、かなり大きめの花をつけます。色は紅紫色。茎の上部の葉腋(葉の脇)に1個〜3個ほどつけます。上唇はごく短く、下唇は3つに裂けて、中央の裂片が特に大きく長く突き出します。下唇の両側の裂片は上唇よりは長いですが、でもあまり目立たない方かもしれませんね。少し外側に反り気味になります。花冠の中には上唇にくっつくような形で、1本の雌しべと4本の雄しべがあります。

関東以西、四国や九州に分布するといわれる「タニジャコウソウ (Chelonopsis longipes)」は、花は小さめですが、細い花柄がスーッと長くのびでた先に唇形花がつきます。写真の撮影地は関東ですから、両者の存在が考えられますが、花のない果実だけの状態ではやはり花柄(果柄)の長さが頼りです。今回のものは柄の部分が5mmくらいですので、ジャコウソウでよさそうですね。大きく袋のようになったガクの中をのぞくと、シソ科らしく4つの分果が見えていました。ガクは開花期には長さ1cm程度ですが、果実の時期には1.5cm以上の丸みのある鐘形になります。脈も目立ちます。

ジャコウソウという名前は、葉や茎に麝香のような香りがあるからといいますが、どうでしょうね。今回はもうほとんど枯れ果てていましたし、寒さで凍えていた筆者の鼻はまったく利かないし、その香りはわかりませんでしたよ。


【和名】ジャコウソウ [麝香草]
【学名】Chelonopsis moschata
【科名】シソ科 LABIATAE (LAMIACEAE)
【撮影日】2005/12/11
【撮影地】東京都八王子市

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posted by hanaboro at 18:40| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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