2005年12月26日

ヤシャブシ

ヤシャブシ Alnus firma


ヤシャブシは、本州の東北南部以西の主に太平洋側と四国、九州の山地に生育する落葉高木です。樹皮は灰褐色で、短冊状にはがれてきます。高さは数m〜15mくらいになるカバノキ科ハンノキ属(Alnus)の植物です。同じ属で、本州の太平洋側に多い「オオバヤシャブシ」は、本来の生育地はより海岸に近い地域で、このヤシャブシはより内陸に多く生育します。また、日本海側の地域や多雪地域には、よく似た「ヒメヤシャブシ」が見られます。こちらの方は葉がより細長くて、側脈が20対以上とたくさんあります。果穂は垂れ下がります。

ただし、ヤシャブシの仲間は根に根粒菌が共生していることから、やせた土地でもよく生育できます。そのため緑化によく利用されているので、本来の分布域とされる場所以外でも見られます。林道沿いの崩壊地などにもいち早く入ってくるパイオニアでもあります。

葉は互生。幅の狭い卵形で、長さは5cm〜10cm、幅は2.5cm〜4cmほどです。先は次第に細くなってとがります。平行に走る側脈がよく目立ちますが、側脈はふつうは13対〜17対で、だいたい20対以内です。表面は濃いめの緑色。裏面の葉脈の脇にはよく毛が見られます。縁のギザギザは「重鋸歯」です。ですが、よくわからない場合もあります。葉柄の長さは1cmほどです。

葉の幅は、幅の広い方からオオバヤシャブシ、ヤシャブシ、ヒメヤシャブシ。側脈の数はヒメヤシャブシが多く、オオバヤシャブシとヤシャブシはそれほど違いがないと思います。ただ、オオバヤシャブシの方が葉が少し大きめな分、側脈の間隔が大きくなります。

ヤシャブシ Alnus firma


花期は早春、3月ごろ。葉の展開よりも早く開花が始まります。雄花序と雌花序があって、雄花序のほうが雌花序よりも上につきます。雄花序は枝先や葉の脇から垂れ下がり、雌花序は1個〜2個で上向きにつきます。オオバヤシャブシは雌花序の方が上です。花の色は黄緑色。雌花はやや赤茶色を帯びています。

果穂は上を向き、多くは2個ずつですが、1個〜3個のことも結構あります。果穂の長さは1.5cm〜2cmくらい。果実は「堅果」で、長さは4mmほど、両脇に翼があります。

と、ここまで書いてきて何なのですが、写真の冬芽はかなり怪しいです。葉はヤシャブシなのですがね。。。

【和名】ヤシャブシ [夜叉五倍子]
【学名】Alnus firma
【科名】カバノキ科 BETULACEAE
【撮影日】2005/12/24
【撮影地】東京都八王子市

■当ブログ内関連記事
オオバヤシャブシ

■Trackback People : ツリーウォッチング

posted by hanaboro at 20:08| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
hanaboroさん、はじめましてこんばんは。
図鑑.net Blogの松沢千鶴です。リンクありがとうございます。
 こちらもリンクさせていただきました。
これからもよろしくお願いいたします。
Posted by 松沢千鶴 at 2005年12月27日 17:22
*松沢千鶴さん*

ようこそいらしてくださいました。いえ、本当ならこちらからご挨拶にうかがうべきなのに、お越しくださって恐縮です。

リンクしていただいて、本当にありがとうございます。松沢千鶴さんのところのブログ、とてもおもしろくて、それにとっても勉強になります。こちらのほうこそ、今後ともよろしくお願いします!
Posted by hanaboro at 2005年12月27日 20:24
八王子市に住居する男性です。
能面の色付けにヤシャブシの実を煮詰めた液を使います。
よろしかったら、ヤシャブシの自生している、場所をお教えねがいませんでしょうか。実は落ちている物を拾うだけです。
宜しくお願いいたします。
      河内 信義
       
Posted by 河内 信義 at 2006年01月09日 12:42
*河内 信義さん*

うわ〜。能面を作っておられるのですか。せっかくコメントいただいたのに申し訳ないのですが、実はわたしはこの土地の人ではなく、このあたりの植物の分布に精通しているわけではないものですから、ちゃんとお答えできないんです。多摩地区に住まうようになって、まだ数年しかたってなくて、自分の住む近所では、まだヤシャブシは見かけていないんです。

この写真のヤシャブシも少し出かけていった先で、たまたま一株見かけただけなんですよ。果実があれば写真にもおさめたかったのですが、見当たりませんでした。オオバヤシャブシの方なら、もっと多く見られると思いますけれど。道路わきの斜面なんかにあると思いますよ。あの独特の果実の形がこの仲間の目印ですね。

お役に立てず、すみませんでした。
Posted by hanaboro at 2006年01月11日 20:12
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。