2004年11月27日

イヌタデ

イヌタデ Persicaria longiseta


イヌタデは、日本全土の田畑、道端や荒れ地などでふつうに見ることができます。草丈はふつうだと20cm〜40cmぐらいの一年草です。似たような種類には、オオイヌタデ、サナエタデ、ハルタデ、ハナタデなどがありますが、見分ける最大のポイントは、「托葉鞘(たくようしょう)」の状態ではないでしょうか。

「托葉鞘」…少々難しそうな言葉ですので、まず、「托葉」から説明します。托葉は、葉の柄が茎についている部分(葉柄の基部)にある葉のようなものです。植物の種類によって大きさもさまざまで、形もトゲ状、巻きヒゲ状、 鱗片状だったりといろいろです。とくに、スミレ類の観察では必須のチェックポイントとなっていますね。

その托葉が、タデ科の場合、鞘(さや)のようになって茎をつつむ形になります。それで、「托葉鞘」といいます。イヌタデの托葉鞘は筒形になっていて、筒の長さは8mmぐらいです。そして筒の上部(筒の縁)には筒と同じくらいの長さの長い毛が生えています。

アスファルトの歩道のでこぼこにわずかにできた土壌、そこに生えた1株。丈は2cm。すでに赤紫色の蕾を膨らませています。すでに草刈が行われた斜面のすぐ近くだから、夏の間に咲いた株にできた種から芽生えたものかもしれません。こんなに小さくてもイヌタデの特徴である「托葉鞘の縁の剛毛」がちゃんとありましたよ。

別名は、小さくて赤いツブツブの花を赤飯に見立てて「アカマンマ」といって、子どものままごとの遊びになるくらいですから、やはりその花に目がいきますけれど、ぜひ今度は「托葉鞘」をチェックしてきてください。ちなみに、うちは子どものころにこれで遊んだ記憶はありません。みなさん遊んだものなんですか〜?

ちなみにイヌタデの「イヌ」は、似ているけれど違う、役に立たないという意味の接頭語です。植物の名前には「イヌ」とついているものがたくさんあります。「イヌ」がつい種類はだいたいよく似たほかの種類が有用なもので、それに比べてこの種類は役に立たないということで、そう呼ばれてしまっていますね。イヌタデの場合も同じ仲間の「ヤナギタデ」の葉には独特の辛味があるのに対して、イヌタデには辛味がないことからきているそうです。

図鑑によって学名はPolygonum longisetumだったり、Persicaria longisetaだったりしますが、はじめはPolygonum属だったものが、あとからPersicaria属に変更になったからです。Polygonum属のときは、タデ科の植物の多くを広く含んだ形でしたが、より細かく分類してPersicaria属となったようです。「longiseta」は、このままでは辞典に載ってないので、恐らく「longius→より長く」+「seta(saeta)→剛毛」という感じで、その「托葉鞘」の特徴からきているのではないでしょうか。

【和名】イヌタデ [犬蓼]
【学名】Persicaria longiseta (Polygonum longisetum)
【科名】タデ科 POLYGONACEAE
【撮影日】2004/11/23
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:12| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(0) | 芽生え・幼植物 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アカマンマですね。
もう芽生えですか・・・
こういう写真は初めてみました!
綺麗なものです。
Posted by マグ at 2004年11月29日 14:14
■マグさん、こんにちは♪

マグさんもアカマンマで遊んだことがあるんですね、きっと。うちは、子ども時代にあまり野山で遊ぶことがなかったので、なかなか実体験にもとづいた話ができないんですよね〜。

写真の個体は、あまりに小さかったので、「芽生え」のカテゴリに入れていますが、すでに、本葉も何枚も出ていますし、蕾まであるので、正確には「芽生え」ではないのかもしれませんね。一年草だと早い時期にできた種子なんかは、条件次第でその年に発芽して、咲いてしまうこともあるのだと思います。

写真は上手に写せないもので、お恥ずかしいのですが、ちょうどこのときは夕日が当たっていて、小さいアカマンマの赤がとても鮮やかで、綺麗でしたよ〜。

うちの方では歩道の脇の駐車禁止の黄色い線がついているようなところにありましたけれど、マグさんところは都会みたいだからどうなんでしょうね?


Posted by hanaboro at 2004年11月29日 17:00
かつて(笑)アカマンマでオママゴトしました!

あれは花だったんですねー。
なんの躊躇いも無くぶちぶちしちゃった記憶がありますが、結構カワイそうなことをしていたんですね(反省)。
Posted by 知三朗 at 2004年11月29日 18:08
■知三朗さん、こんばんは♪

いいですね〜。遊んだ思い出を持っておられるなんて。アカマンマなら子どもがおままごとに使って遊ぶくらいのことで種の存続が危ぶまれたりはしませんから、大丈夫ですよ〜。花なので、ちぎっちゃうのはかわいそうな感じはありますけれど、むしろ、子どもの時にはどんどんそういう遊びをやった方がいいと思いますよ〜。今の子どもたちにもぜひやってほしいですね!

Posted by hanaboro at 2004年11月29日 21:15
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