![]() |
ホトケノザは、国内では本州・四国・九州・沖縄に分布しますが、世界的にみると温帯〜暖帯に広く分布しています。日当たりのよい草地や道端、畑などにごくふつうに生える越年草です。ふつうだと秋に種子が発芽して冬を越し、春に花を咲かせて実を結びます。こういった生活をする植物を、「越年草」といいます。主な花期は3月〜6月ですが、生育の早かったものは秋の深まったころには、もう花を咲かせていることがあります。
葉は同じ節に2枚の葉が向かい合ってつく「対生」ですが、とても個性的な形をしています。扇を広げたような形で、長さは1〜2cmぐらいです。下の葉には長い葉柄があるのですが、花がつく上の葉には葉柄がなくて茎を抱いたような状態でついています。
この葉の形が、仏像の蓮座に似ていることから「ホトケノザ」という名前がつけられているんです。ただし、「春の七草」のホトケノザはまったく別の植物をさしていて、ふつうは、キク科の「コオニタビラコ(小鬼田平子 Lapsana apogonoides)」という植物のことだといわれています。また、別名を「サンガイグサ(三階草)」といいますが、これは葉が段々になってつくことからきています。
秋や冬でも見かけることがある花ですが、やはり春のイメージが強く、写真は11月下旬のものなのに、もう春なのかと錯覚してしまうくらいでした。といっても、花が開いているわけではありませんが。よく見ると扇の中にはうずもれるように紅紫色の小さい蕾が見えます。ホトケノザはちゃんと開く花以外に少し小さめの「閉鎖花(へいさか)」というのもつけますので、見えているものがちゃんと開くかどうかはわかりません。閉鎖花の場合は開かずに蕾の状態のまま結実します。まあ、すべてが閉鎖花ということはないでしょうから、もう時期この個体にも紅紫色の花が開くことでしょう。
学名は「Lamium amplexicaule L.」です。「Lamium」はオドリコソウ属の学名ですが、もともとギリシャの植物名に「lamos(喉)」という言葉に由来するものがあるそうで、Lamiumはさらにその植物名からきているのだとか。「amplexicaule」は茎を抱くという意味で、上部の葉の様子からつけられているようです。「L.」はCarl von Linne(リンネ:1707-1778)の略で、この学名を命名した人の名前です。
【和名】ホトケノザ [仏の座]
【学名】Lamium amplexicaule
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2004/11/28
【撮影地】山梨県富士吉田市
■当ブログ内関連記事
→ホトケノザ (No.2)
→ホトケノザ (No.3)





今日花壇でキミを狙い討ちしまし…:y=-( ゚д゚)・∵;;
って、ホトケノザにも閉鎖花があるんですね。初めて知りました。やっぱりかわいがって観察せねば。
ありゃ、そうだったんですか〜。ねらいうちしたくなるほど、もう旺盛に生育していたんですね。11月がわりと暖かだったから、グングン生長したのかもしれませんね。ホトケノザの閉鎖花はふつうに開く花と同じ時期で蕾に見えるのでそれと気づきにくいですね。開いた花がある時期に、蕾の状態で開いてないものがあれば、まあ、だいたいそれが閉鎖花なんだと思いますよ。開くものの中に混じっている感じですね。
もし花壇で復活してきたら(じゃなくて、別の場所でもいいんですけど)、今度はぜひ観察してみてくださいませ。