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オオイヌノフグリは、もともとはアジア西部や中近東の原産で、ヨーロッパを中心に世界中に広く帰化している越年草です。原産地については、図鑑によって記述が微妙にずれていることもあり、ヨーロッパやアフリカ、あるいはユーラシアやアフリカなどとなっていることもあります。国内で最初に発見されたのは、明治中期のことだったとか。当時は東京の都心部で少しだけ見られるぐらいだったそうですが、現在では全国的に道ばたや田畑、空き地などでふつうに見られ、春になったことを知らせてくれる花としてすっかりおなじみになっています。
種子は秋に発芽し冬を越して翌年の春に開花します。通常の花期は3月〜5月です。写真の撮影は12月中旬、平年よりも暖かな関東の丘陵地です。早くもオオイヌノフグリが蕾をつけています。写したのは午前中でしたから、午後には日の光を十分受け蕾が開いたかもしれません。しかし、まだ開花していないとはいえ、全体に長い毛がたくさん生えている様子や花柄が茎の上部の葉の脇(葉腋:ようえき)から伸びている様子などを観察することができます。
花弁は4枚で、色は鮮やかな青紫色、2本の雄しべも目立ちます。開いたときの花の直径は1cmほどです。比較的小さな花の割にはよく蜜を出し、おおむね、虫によって花粉を運んでもらって受粉する虫媒花のようですが、虫の訪問がなくても自家受粉して確実に種子を作ることができるため、一度定着した場所では秋にはかなりの数の芽生えが見られます。
オオイヌノフグリという名前は、大きな「イヌノフグリ」という意味です。同じ仲間の在来種(といわれています)「イヌノフグリ (Veronica didyma var. lilacina)」に比べて大きいのでこの名があります。フグリとは陰嚢の古い言い方で、果実の形が犬の陰嚢に似ているからだそうです。他にも似ている形のものはあったと思うのですが、よりによってこの名前にするとは。。。
今のところ、植物の和名に関しては、定まった基準があるわけではなく、慣例的に多く使われているものが標準として図鑑などで掲載されています。つまり、どういう名前で呼んでもかまわないわけで、このままでは別名や地方名などでもいいことになり(いいのはいいのですが)、混乱するかもしれません。現在、生物の分類学の各分野で、鳥類のように1つの学名に対して1つの標準和名を決めることや、差別的な言葉が含まれている和名をそうでないものに変更する案などが出ているようです。ただし、「オオイヌノフグリ」は、特に差別的というわけではなさそうですから、このままの可能性が高そうな気がします。
別名には「ヒョウタングサ」や「オオハタケクワガタ」というものがあるそうですが、今のところ、実際にこの名で呼んでいる場面は見たことがありません。
【和名】オオイヌノフグリ [大犬の陰嚢]
【学名】Veronica persica
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/12/13
【撮影地】東京都日野市
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→タチイヌノフグリ





なぜにこの名前なんだ=?っていうのが、けっこう
多いですよね。
これはとくにそう思わせてくれる植物ですなあ。
(あえて、口にしません 笑)
学名のほうが、すてきかも。。
あ、PM入れてます。
ちょと、ごらんくださいませ。
今、北関東でも咲いてますよ。
…学生時代は小金井〜府中〜百草園方面をうろうろしていたのですが、立ち止まって、花や自然に目を向ければ良かったです…。残念っ。
やはり暖冬の影響なんでしょうか。
上手く冬を越せるか、ちょっと心配です。
オオイヌノフグリ、名前の由来は見なかったことにしましょう(笑)
ヘクソカズラ並みにちょっと可哀想かも(^_^;)
命名者を呼び出して、尋問してみたいです。
「もっとマシな呼び方があったのではないか?」と。
今の時代だとありえない名前もいろいろとありますね。他にも呼びようはあっただろうに、なぜあえてそれになってしまったのかとよく思いますよ。名前の由来をたずねられ、実際に口に出していうのは、非常にためらわれます。そういう点では、別の呼び方に変わった方がいいのかもしれません。そうなると、同属の近縁の種類のいくつかも名前を変えなければならないことになっちゃいますね。
学名の「Veronica」は、磔場に向かうイエスの顔を布で拭ったといわれる女性にちなんでいるのだそうです。なんでもその後、その布にイエスの像が写るという奇蹟が起こったのだとか。「persica」は、ペルシャのという意味ですから、発見された場所なのかもしれません。
■ひなっぺたさん、こんにちは。
先ほど、「4月6日の記事」拝見させていただきました。お子さんたちと実を観察しておられる様子が何ともほほえましいといいますか。。。男の子さんでしたよね。きっと、しっかりと覚えられたことでしょう。
「小金井〜府中〜百草園方面」…まさに、今、このあたりをうろうろしてますよ。今でも緑に恵まれている地域ですから、当たり前のようにそこにあるので、意識しないと逆に目に入らないのかもしれませんね。
今は、貴重な緑に対する関心も高くて、府中の浅間山などは春に行列ができるほどですよ。他の緑地でもそうなんですが、数の減ってしまった種類の植物が柵やロープの中に囲われて、細々と花をつけている姿には、物悲しさがあります。保護に携わっておられる方々の努力なしには、いつ消えてもおかしくないような状態なんですね。できるだけ自分の目で確かめておきたいという思いはあります。
■タツヤさん、こんにちは。
暖冬の影響はあるでしょうね。現在、夏草が刈られた後の草地などでは、一年草の芽生えがたくさん見えていますが、平年以上の暖かさでよく生長してしまっています。本格的な寒さにあう前に、大きく生長してしまうと、ちょっと傷んでしまうこともあるかもしれませんね。
しかし、もともと越年草ですから、冬の寒さは覚悟の上?、冬の間も日光を受けて春の訪れとともに他の植物に先がけていち早く花を咲かせ結実するという生活なので、それほど心配しなくてもよいのかもしれません。全体に毛をたくさんつけて、葉や茎に直接霜がつかないような仕組みにもなっているような気がします。
オオイヌノフグリは帰化植物ですし、学名の命名者はPoiretという外国の人ですね。和名は、明治に東京で発見ということから考えると、牧野富太郎の可能性が高いと思います。しかし、イヌノフグリという植物が先にあって、それより大きい植物だから「オオ」がついているので、尋問の相手はイヌノフグリという和名の命名者ということになりますね。こちらはさらに古いようで、誰なのかまではわかりませんが、飯沼慾斎の「草木図説」ではイヌノフグリの名前の由来が解説されているそうです。残念ですが、いづれにしても、命名者に実際にお目にかかることはできないですね。
私のブログにコメントとトラックバックして下さってありがとうございます〜m(__)m
私もとても嬉しかったです。
野の花大好きで良く見ていたつもりですが、オオイヌノフグリに実が生る事知りませんでした。
お花ばかりに目がいってるせいでしょうね、
hanaboroさんのお写真は一味違う視点からの撮影でとても楽しく拝見させて頂きました〜又伺います。
「野の花」さんのホームページの方も見せてくださってありがとうございます。本当にかわいらしいお花とステキなお写真の数々、nonohanaさんがとても愛情もって接しておられるのが伝わってきます。またおじゃまさせてくださいね。
今日、先ほどちらっと「オオイヌノフグリ」の生えているところを見てきたんですが、何とか開花しているものもありましたよ。よりによって、その個体だけ選んだように踏まれてしまっていましたが。。。そこでは葉を変色させながら、寒さをしのいでいるという感じのものが多かったですね。午前中だと葉の表面に霜がついています。
フグリで検索してこちらにやってきました。
お友達がフグリの意味を知りたいというので・・・(爆)
この花、すきです♪ウチの裏の土手にも一杯咲きます。あの青がいいんですよね。
フグリの意味は、私が小学校の5〜6年の時の担任の先生が理科の先生で、その方から教えてもらったのが未だにキョーレツな思い出です(笑)
爆笑でしたよ。
はじめまして。この記事、まだ検索でヒットしてますか。ちょっと古めなので、もう人目に触れることは少なくなってしまったのかなと思っていました。
フグリって言葉は、この仲間の植物の名前でしか聞いたことがありませんです。初めて、その意味を知ったときは、もうビックリしました。確かにキョーレツで、忘れることができないですよね〜。青い花は可憐なんですけどね。名前の説明は、少々大変なときもありますが、そっか、理科の先生はちゃんと教えてくれたんですよね。なら、大丈夫ですね。お友達にも教えてあげてくださいませ。
>小学時代の担任。
はい、明るくきっちりと教えてくれましたよ(笑)
「知ってるか?『ふぐり』ってな、『きん○ま』のことだぞー」って(笑)(笑)
今はほとんどいないような、いい先生です。彼のおかげで理科好きになったといっても過言ではないですね〜^^
子ども時代に出会う大人の人、それも担任先生の影響って大きいですよね〜。明るくきっちり教えてくれて、本当、いい先生だったのですね。その先生のおかげで、理科好きになれたっていえるような、そんないい出会いは奇跡といってもいいくらいだと思います。
こんばんは。三宅信光さんところでも花盛りなんですね。3月も半ばになってしまいましたからね〜。こちら関東の丘陵地でも、もうオオイヌノフグリだらけです。しかも花の寿命は数日なので、そのままボロッと落ちてしまっているものもたくさん見られます。
花の旬の季節はあっという間に過ぎ去ってしまうものですね。花が少ない時期は、こんなヒョロヒョロの蕾をわざわざ撮影したりしてたんですけどね。