2004年12月21日

ヤマグワ

ヤマグワ Morus australis


ヤマグワは、日本全土に分布し、朝鮮、中国など東アジアに広く分布しています。名前は「クワ」と呼ぶ方が一般的でしょう。カイコの餌として栽培されることで有名なので、栽培植物の印象が強いですが山野でふつうに見られる落葉高木です。学名は「Morus bombycis」となっていることも多いです。

栽培されるものにはいろいろと品種があるようですが、カイコ用の栽培ではヤマグワがもととなった品種の他にも中国原産の「マグワ (Morus alba)」も多いのだとか。人里近くではヤマグワとマグワの両者とも見られるようです。

葉は互生しますが形には変異が多く、広楕円形のものから切れ込みが入って3裂または5裂しているものもあります。花期は4月〜5月、葉腋(ようえき)から花序を出します。花序は緑色の球状です。花弁がなく地味ですが、雌花からは先が2つに裂けた花柱がヒラヒラでていてなかなかおもしろいです。7月〜8月にはたくさんの果実がツブツブに集まった集合果ができます。このような果実を「クワ状果」または「桑果」といいます。

赤や黒に熟したクワの実はジャムやジュースとしても利用することができます。最近人気のいわゆる「ベリー」の1つ「マルベリー」の木です。雌雄異株のことが多いので果実を楽しむためには、雄株と雌株の両方を植えておく必要があります。

写真の個体は高さ20cm程度です。これは自生のものなのでしょうか。この個体がある場所は人家周辺の道路の法面で、年数回定期的に草刈が行われています。管理されない状態で放置されれば10m以上にまでなる高木も、冬の時期ここではこの小ささです。

ここまで書いてきて今更なのですが、花や実のない現段階では写真の個体は「ヒメコウゾ(Broussonetia kazinoki)」である可能性を否定できません。個人的にこの仲間の区別は今後の課題としています。

【和名】ヤマグワ [山桑]
【学名】Morus australis
【科名】クワ科 MORACEAE
【撮影日】2004/12/16
【撮影地】東京都日野市

posted by hanaboro at 13:03| 東京 ☀| Comment(10) | TrackBack(3) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
わたしのブログにお越しいただきありがとうございました。
いつも楽しみに読んでいます。
わたしは九州に住んでいますが、どこかで見た憶えのある懐かしい植物の姿が見れて、和みます。子どもの頃、住んでいた田舎のことを思い出します。

というわけで、これからもちょくちょく伺います!
Posted by dubwise at 2004年12月22日 16:44
■dubwiseさん、こんにちは。

こちらこそ、どうもありがとうございます。この拙いブログを読んでくださっていたなんて、ちょっとお恥ずかしいですが、とてもうれしいです。よろしかったらまたお越しくださいませ。

自分は九州の出身なんですが、あまり自然とふれあった子ども時代ではなかったので、dubwiseさんのお話はとてもうらやましいです。こちらからもdubwiseさんのブログにお邪魔させてくださいね。
Posted by hanaboro at 2004年12月22日 19:41
茶道でふたに使うことがある梶の木というのがありますが、あれがヒメコウゾですか、または全然違う?学名をみたらkazinokiとなっていたので、調べもせずに書いています。
Posted by blc at 2004年12月23日 09:50
■blcさん、こんにちは。

blcさんはお茶をなさるんですか。梶の木って茶道のふたに使われるんですね。知りませんでした。学名の「kazinoki」は混乱のもとなんですけれど、同じクワ科の植物ですがヒメコウゾとカジノキは別種なんです。ヒメコウゾの学名を命名した人がカジノキと間違えて「kazinoki」とつけてしまったそうなんです。ちなみにカジノキの学名は「Broussonetia papyrifera」で、コウゾ、ヒメコウゾと同様に樹皮は和紙に使われるそうですね。
Posted by hanaboro at 2004年12月23日 18:43
こちらもhanaboroさんでよいのでしょうか。
ヤマグワも注意していますので、コメントさせていただきました。
近くの山で、ヤマグワかマグワか紛らわしいのを見ましてどちらか悩んでいました。花が咲いておれば判るのですが、10月にみたのではっきりしませんでした。マグワは幹に縦筋が入っているとなっていますが、縦筋とはどんなものか悩んでいたところです。
Posted by sige at 2005年02月01日 23:10
■sigeさんへ

当ブログの管理人、hanaboroです。
記事中にも正直に書いているとおりで、自分にとって、この仲間の区別は課題が多いところです。花のない時期のヤマグワとマグワの区別はちょっと難しいときがあります。

幹の縦筋は「ヤマグワ」でも入るのではないでしょうか。樹皮の裂けかたは不規則なもので、色はちょっと灰色っぽい褐色です。裂け目は若い木なら浅めで、古木になると深くなるようですね。印象としては、「マグワ」の方がちょっと色が薄いのではないでしょうか。もしかすると樹皮というよりは、冬芽を見たほうが区別できるかもしれません。「マグワ」の方が、色が薄く太いようです。

図鑑を携帯して観察されるか、写真にとって持ち帰って図鑑と見比べてみられてはいかがでしょうか。ネット上でも樹皮の写真は見つかると思います。
Posted by hanaboro at 2005年02月02日 10:28
アドバイスありがとうございます。
幹の縦筋はやはり難しいですか。
次回再観察のときには多角的に調べてみます。
同定は写真を撮って自宅でおこなうことがほとんどです。そのために如何に色んな情報を写真記録するかに腐心しています。
では。
Posted by sige at 2005年02月02日 14:03
■sigeさん、こんばんは。

sigeさんも写真を撮っておられたんですね。わたしも、写真を撮って後から調べようと思っていたら、重要な部分を撮っていなくて、結局わからなかった経験ありますよ。

それでも、図鑑などの資料と見比べて、なるほど、そこをちゃんと見ればよかったんだということがわかりますし、次回はその部分を気をつけて観察なり撮影なりが行えるので、それはそれで逆にちゃんと覚えられることもあるから、まあいいかな〜と適当にやっております。

写真に撮るとそれで安心してしまって、しっかり自分の目で見なくなってしまうこともあったので、なかなか難しいところですね。
Posted by hanaboro at 2005年02月02日 21:43
hanaboroさん こんばんは
写真の功罪やアプローチ、まさに同じです。
Posted by at 2005年02月02日 23:50
■sigeさん、ですよね?

自分はあまり写真には、こだわりがない方なので、気軽にやっています。力を置くポイントが必ずしも写真撮影にあるわけではないからです。一番大切なのは、自分自身の目でちゃんと確認するということだと思っています。まあ、当然、肉眼で見られる範囲は、ってことですけど。。。
Posted by hanaboro at 2005年02月03日 15:34
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