2005年01月20日

テバコモミジガサ

テバコモミジガサ Cacalia tebakoensis


テバコモミジガサは、本州の関東から近畿の太平洋側、四国、九州の山地の林内に生える多年草です。分布域をみると襲速紀要素(そはやきようそ)の植物といえると思います。襲速紀…一般的にはあまりなじみのない言葉かもしれませんが、「襲(そ)」は九州の古名の熊襲(くまそ)の襲で、「速(はや)」は豊予海峡をいう速吸瀬戸の速、「紀」は紀の国つまり和歌山県をさす紀で、これらをあわせて「襲速紀」といいます。襲速紀というのは日本に分布する植物を共通の分布域をもつ植物ごとにまとまり(区系)としてとらえたときの植物区系の1つです。

以前は襲速紀要素の植物を文字にあらわれているとおりの地域に限られた植物のことをさしていましたが、現在はもっと広くとらえていうことが多くなっているようです。簡単にまとめると、襲速紀要素の植物というのは、秩父山地、赤石山地、紀伊半島、四国山地、西中国山地、九州山地…だいだいこれらの地域にのみ分布している植物のことです。代表的な主としてはギンバイソウ、シロモジ、キレンゲショウマなどの名前があげられることが多いようですが、他にもたくさんの種類があります。

さて、テバコモミジガサですが、名前は高知県の「手箱山(手筥山)」で最初に発見されたことでつけられています。山地の林内では時折、群生していることもあります。よく似た種の「モミジガサ (Cacalia delphiniifolia)」より葉の質はやや薄めで、色もやや薄めの緑色、表面の光沢もやや少なく全体が小型です。さらに葉の裏の脈の隆起が目立ち、毛が多いことも区別点となります。また、地下茎がよく発達することでも見分けられますが、これは抜いてみないとわかりません。

茎の高さは50cmほど。花期は8月〜10月です。頭花は茎の先に円錐状につきます。「モミジガサ」は、葉がモミジ類のように裂けて傘のように見えることからきています。

【和名】テバコモミジガサ [手箱紅葉傘、手筥紅葉傘]
【学名】Cacalia tebakoensis
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2004/09/16
【撮影地】山梨県山中湖村

posted by hanaboro at 16:14| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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