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ハルザキヤマガラシは、ヨーロッパ原産の多年草で、日本へは明治の終わりごろ渡来したといわれています。そのほか、現在は北アフリカや北アメリカなどの温帯を中心に広く分布しているそうです。種子と地下茎によって繁殖し、しばしば河川や用水路の脇、道ばたなどで大群落となることがあります。夏から秋にかけて芽を出し、根生葉を地面に広げて越冬します。
根生葉は羽状複葉で、柄があります。葉の一番先端の頂小葉は丸く大きくなります。葉の表面は濃い緑色で光沢があり、分厚い感じがします。茎葉は互生し羽状に裂けていますが、柄がなく基部は耳のような形(耳状)になって茎を抱いています。根もとで分枝して株になり、高さは30cm〜60cmほど。
花は5月ごろです。茎先に鮮やかな黄色の花を多数つけます。アブラナ科らしく十字形で直径は7mm程度、果実は線形で2cm〜5cmほどです。いわゆるアブラナ類(Brassica)に似ていますが、草丈が低めで下部からの分枝が多いので、全体的に丈が詰まったような印象です。ハルザキヤマガラシはヤマガラシ属(Barbarea)に分類されています。
ハルザキヤマガラシがふつうよく見られる場所は、造成工事などでできた裸地で、そこにいち早く侵入し一時期群落となった後は、他の植物の侵入によってほとんどの場合数が減少します。しかし、ある程度管理され土壌の安定した場所では、多年草として生活し安定した群落となります。また、土壌が耕される畑地などでは、毎年種子から発芽し越年草としての生活を送ることで、異なる環境に適応しさらに定着しているようです。
【和名】ハルザキヤマガラシ [春咲き山芥子]
【別名】フユガラシ、セイヨウヤマガラシ [西洋山芥子]
【英名】yellow rocket
【学名】Barbarea vulgaris
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE
【撮影日】2005/01/12
【撮影地】東京都日野市
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