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クロッカスは、地中海沿岸地域を中心に80種ほどが分布しています。秋咲きや冬咲き、春咲きと開花時期の違うさまざまな品種がありますが、早春のまだ寒いころ真っ先に咲く球根植物という印象が強いと思います。ふつう、秋咲き種は10月〜11月ごろ花が咲きますが、夏の終わりに球根を植え付ける夏植えの球根植物です。薬用や香料、染料として使われる「サフラン (Crocus sativus)」はその代表種です。冬咲き種や春咲き種は10月ごろに植えつける秋植え球根で、品種も数多くあります。
一般的には「球根」といいますが、クロッカスの場合は「球茎」で、これは茎がギュッと短く縮まって球状になったものなんです。クロッカスの球茎はちょっとつぶれたような球形で、外側の皮の部分には繊維があります。チューリップの球根だとまわりには茶色の薄皮があるので、クロッカスの球根はちょっと変わった感じがするかもしれません。芽が出始めるとふつうはまず葉が見えてきますが、程なくして葉の間から蕾が出てきます。葉は松の葉のように細くて、中心にスッーと白い筋が入っています。
草丈は10cmほど、花は直径4cm〜5cm、花弁は6枚。色は白、黄、紫、または白と紫の絞りなどです。春咲き種で最もよく見かけるのは「ベルヌス (Crocus vernus)」をもとにつくられた園芸品種群で、細長い葉にふっくらとした花。その姿はとても美しいものです。花が咲くのは日中だけで夜は閉じます。あまりの美しさに朝、花が開くとつい鉢を持ち上げていろんな角度から何度も見てしまいます。
冬咲き種は主に「クリサンツス (Crocus chrysanthus)」という種をもとに改良された品種群で、2月下旬ごろから開花が始まります。春咲き種に比べるとだいたい1ヶ月ほど早く花が咲き、スノークロッカスとか、寒咲きクロッカスとも呼ばれています。こちらは春咲き種より花は小さく黄色やクリーム色、外花被片の外側が褐色や紫色になる品種もあってなかなか多彩です。
![]() | 写真のものは、1月20日の段階の春咲き種ですが、ちょっと芽の生長が早い感じですね。これだとスノークロッカス並みの勢いです。 2005/01/20 撮影 |
【一般名】クロッカス (春咲きクロッカス)
【別名】ハナサフラン[花泊夫蘭]、ハルサフラン[春泊夫蘭]
【英名】Dutch crocus
【学名】Crocus vernus
【科名】アヤメ科 IRIDACEAE
【撮影日】2005/01/20
【撮影地】東京都日野市
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拝読させていただき、うちの実家にあるのは冬咲き種だということが分かりました。ありがとうございます。
個人的には茶褐色のものが好きです。
一口にクロッカスっていっても、本当いろいろですね。広くとらえると、Crocus属全部のことになりますし、「サフラン」もクロッカスということになりますね。Crocus属の属和名は「サフラン属」というようですよ。
ご実家の冬咲き種はいつごろ咲きますか?こちらでは、2月の終わりごろ、毎年はったように同じくらいの日に咲き始めるんですよ。茶褐色のクロッカス、なかなか味わいがありそうですね。
自分のところのは、写真のものとは別なんですが、(外花被片の)外側が紫褐色で、中が光沢のある薄い黄色のスノークロッカスで、「アドヴァンス」という品種です。小さい花ですが、深みがあっていいものです。次々に開いて一ヶ月くらい楽しめますよ〜。
日当たりが良いところを占領しているので、スイセンが申し訳無さそうに咲いている近くで、花びら全開で咲いています。
hanaboroさんのクロッカス、ステキな色なんですね〜。うちの実家のはフツーの紫とオレンジの2種類です。茶褐色のは歩道の植え込みにあるのを見ていいな〜と思いました。
冬咲き種、2月終わりから3月初めなら、こちらと同じですね。そう、花びら全開になるんですよね。自分のところのは、外側にしか色がないので、全開になると薄い黄色だけしか見えなくなってしまうんです。だから、眺めるのは全開になる前の方が味があります。
クロッカスは全般に好みの花なので、オーソドックスなタイプのものも植え込みなどで見かけると、ついジロジロと見てしまいますよ。紫やオレンジも地面が華やいで、春って感じがしていいものです。
他のお花のこともまた調べに来ますね。
こんばんは。お世話になっています!
クロッカス。とても好きな花なので、motomuraさんのところで、拝見できて嬉しかったです。
このブログでお役に立てることがありましたら、またご利用くださいね。