2005年01月25日

オトコエシ

オトコエシ Patrinia villosa
2004/10/07 東京都

オトコエシは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の日当たりのよい場所にふつうに生えています。秋の七草の1つとしてよく知られている「オミナエシ(女郎花 Patrinia scabiosaefolia)」と同じオミナエシ科オミナエシ属の植物です。草丈は50cm〜1m程度になります。葉は対生してつきますが、羽状に分裂したり、しなかったりです。長さは下部の葉で15cmほどですが、上部になるにつれてだんだん小さくなっていきます。

花期は8月〜10月。花冠の先は5つに裂けて下部は短い筒になっています。4本雄しべと1本の花柱、小さいですがなかなか整った形をしています。図鑑ではだいたい「花は直径4mmほどの白色で、散房状(さんぼうじょう)の花序にたくさんつきます」などと書いてあると思います。「散房状」というのは、ちょっと難しく聞こえますが、まず、散房花序という形を覚えるとわかりやすくなります。ということで、ちょっとだけ花序についてです。

花のつく花序の中心となる軸を花軸といって、その花軸から花柄を出してその先にそれぞれ花がつきます。そのとき、花軸の下の方から出た花柄ほど柄が長く、上から出たものほど花柄が短い場合、花が咲く位置がだいたい同じくらいの高さになります。そうすると、花がちょうど平らに咲きそろうような状態になります。これを「散房花序」といいます。オトコエシは完全な散房花序ではないもののそれに近いような形だと思ってくださいませ。

花が終わると小苞が大きくはり出してきて果実を取り囲んで、翼のようになります。この小苞はオミナエシにはできないので、オトコエシのオリジナルって感じですね。写真では翼の部分は白っぽく写っていて、薄い緑色の粒のようなものが果実です。果実の長さは3mmほど、翼をあわせると6mm程度です。

オトコエシ Patrinia villosa
2004/11/28 山梨県

茎の根元から横にはう枝を出して新しい株ができます。また、種子は翼のような小苞があるので風によって散布されます。2枚目の写真はもう晩秋のころで、すっかり今年度の地上部は枯れていました。花序に残っているものにはほとんど種子はなく、小苞の残骸がついているだけです。

種小名の「villosa」は軟毛のあるという意味ですが、葉の縁に白い毛が生えていることや、特に茎の下部に毛がある点に注目してつけられたのでしょう。オミナエシよりも毛が多いです。

名前は、オミナエシに比べて、茎が太くより強て丈夫そうに見えるところからきているといいますが、花が咲いている時期は必ずしもそうだとは感じないこともありますね。比較的大きな個体の花が終わった後、果実が大量にできて花序がでっかい緑色の塊になっている様子を見ると、そういった印象もありますけど。。。

【和名】オトコエシ [男郎花]
【学名】Patrinia villosa
【科名】オミナエシ科 VALERIANACEAE
【撮影日】2004/10/07、2004/11/28
【撮影地】東京都日野市、山梨県富士吉田市

posted by hanaboro at 19:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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