2005年02月03日

スズメノヤリ

スズメノヤリ Luzula capitata


スズメノヤリは、北海道、本州、四国、九州に分布し、草丈の低い草地にふつうに見られる多年草です。ときどき草が刈り取られる田畑のあぜや芝生に多く見られます。

上に伸びた茎の先に花がつき、花の時期には草丈10cm〜20cmになります。花のつく茎にも葉がつきますが、小さめで数も2〜3枚です。多くの葉が根生葉です。根生葉というのは、「根出葉」または、「ロゼット」ということもありますが、地面近くの根もとのほとんど節間のない茎から出ている葉のことです。ダイコンやタンポポの葉などがそれにあたります。

スズメノヤリの根生葉は、長さ5cm〜15cmほど、幅は数mmで細長い線形です。写真を見てもらうとわかると思いますが、そういう細長い葉の形を「線形」とか「広線形」といいます。スズメノヤリの場合、縁に白くて長い毛が生えているのが特徴です。越冬中の根生葉は色が紫褐色になっていましたが、長い毛は健在でした。このような長い毛は伸びる茎につく葉(茎葉)にも生えます。

葉の基部はさやのようになって、茎を取り囲みます。このさやの部分のことを「葉鞘(ようしょう)」といいますが、葉鞘が完全に筒のようになって茎を取り囲むというのも、スズメノヤリの仲間(Luzula)の特徴です。といっても今回の写真では、そんなことは何にもわかりませんけどね。。。

花は4月〜5月、茎の先にたくさん集まってつきます。これを「頭花」といったりします。頭花の下にはふつう1対の苞葉がぺロッぺロッとついていて、これにも長い毛があります。イグサ科の植物で、いわゆる派手な花びらはありませんが、花びらまたは、ガクや花弁に当たる「花被片(かひへん)」というのがあります。花被片は茶褐色で長さは2mm〜3mmです。雌しべの先にある3個の柱頭や6本ある雄しべの葯(花粉のあるところ)が黄色いので、パッと見たときに花の塊が茶褐色のような黄色っぽいような感じに見えます。

スズメノヤリの花には、雌の時期(雌性期)と雄の時期(雄性期)があります。雌しべの方が先に成熟しますが、受精前はまだ花被片が閉じていて、先端の方からチョロチョロッと柱頭がはみ出しているような状態です。花被片は受精後に開いてきて、今度は雄しべが成熟します。このように時期がずれることで、同じ花同士の受粉が避けられるわけですね。数mmしかないような花なのによくこんな仕組みをもっているものだな〜と改めて思うのでした。

名前は、たくさんの花が集まってできている部分の形を大名行列の毛槍に見立ててつけられています。「スズメ」というのは、小さいという意味で使われています。

【和名】スズメノヤリ [雀の槍]
【別名】スズメノヒエ
【学名】Luzula capitata
【科名】イグサ科 JUNCACEAE
【撮影日】2005/01/27
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:09| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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