2005年02月04日

モウセンゴケ (No.2)

モウセンゴケ Drosera rotundifolia


モウセンゴケはモウセンゴケ科(DROSERACEAE)モウセンゴケ属(Drosera)の植物です。同属は世界的に見ると、200種ほどが知られていて、すべて食虫植物です。葉には先端がツブツブになった腺毛があって、そのツブツブのところからは粘液が出ています。そこに触れた虫はくっついてしまい、さらに腺毛と葉が虫を包み込むように曲がって腺毛から数種類の消化酵素を分泌して吸収します。

葉の先は丸く長い柄があって、スプーンのようなしゃもじのような形の葉です。これを図鑑風にいうと「葉は倒卵状の球形で、基部はくびれて長い柄に続きます」という感じです。丸い部分の長さは1cm程度、柄の部分を入れると数cm〜長いもので15cmほどにはなりますが、ロゼット状に根生していますし、印象としてはすごく小さい植物となるでしょう。

葉の腺毛は赤く、群生すると地面が真っ赤に染まった様子が、まるで赤い毛氈(もうせん)を敷きつめたように見えるということから、その名前がつけられています。「コケ」は小型であるところからきています。学名は「Drosera rotundifolia L.」なので、学名の命名者は「リンネ」だということは、すぐわかるんですけどね。和名はどうですかね。

日本各地をはじめ、北半球に広く分布し、日当たりのよい湿地に生育している多年草で、比較的夏の暑さが厳しいところでは、夏に葉が傷んでしまいますが、再び秋には新しい葉が出てきます。さらに種子も発芽するのは秋だそうです。

モウセンゴケ Drosera rotundifolia


とある湿地では特に池塘付近に多くて、それこそ赤い毛氈を敷きつめたように、真っ赤に彩られていることがあります。池塘に集まる虫をくっつけて消化吸収できるチャンスが増えるからなのかどうかはわかりませんが、とにかく目を引く場所ですね。一口に湿地といっても、湿原の大小に関わらずいろんな状態の環境が入り乱れているものですよね。その微妙な環境の違いで、生えている植物の種類もいろいろと変化します。そんな中、比較的、モウセンゴケは、いろんな環境に適応できるのかもしれません。池塘付近ほどの群生ではないにしても表面が乾燥気味の湿地でもかなり生育しているようですね。

花は6月〜8月。花茎は最初、蕾のある先の方(花序の部分)がクルッと巻いた状態で伸びてきます。そして花茎がある程度の高さまで伸びると、花序の下部の蕾から開花しはじめます。まだ、このときは、花序が巻いた状態ですが花が咲き進むにつれて、巻いた部分もまっすぐになって伸びていきます。その後、一番上の花が開いて最終的には、花茎全体がまっすぐになって、高さは15cm〜20cmほどに達します。上の写真では、一応、中央付近から上に向かって1本伸びている、赤っぽくて細長い棒のようなものが花茎です。ただし、一度にたくさんの花が開いているわけではなく、広い湿原では花や楕円形の果実は目につかないことが多いかもしれません。

コモウセンゴケ(Drosera spathulata)の花序には腺毛がありますが、モウセンゴケの花序には腺毛はありません。

モウセンゴケ Drosera rotundifolia左の写真は、ちょうど一番上の花が咲いたところです。花序の下の蕾から順に上に開いていくので、この花序の花は、写っている花で終了です。すでに花序はまっすぐに立っています。すべての花が終わった花序の様子は前回の記事でご紹介済みですのでよろしかったらそちらもどうぞ。

前回のモウセンゴケの記事


特徴的な葉に目が引き付けられますけれど、花にも見所があって、先の丸い白い5弁の花はよく整った形をしています。直径1cmあるかどうか程度の大きさで、雄しべは5本、花柱は3つありますがさらに2つに分かれていて6本あるようにも見えます。雄しべの葯の色は、黄色や赤になる植物も多いですが、モウセンゴケは白いなあ。

【和名】モウセンゴケ [毛氈苔]
【英名】Sundew
【学名】Drosera rotundifolia
【科名】モウセンゴケ科 DROSERACEAE
【撮影日】2004/08/12
【撮影地】福島県南会津郡檜枝岐村

■当ブログ内関連記事→モウセンゴケ

posted by hanaboro at 19:28| 東京 ☀| Comment(4) | TrackBack(1) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自生のモウセンゴケをご覧になったことがあるのですね。
羨ましいです。
実は密かに食虫植物のマニアをやっておりまして,外国産のモウセンゴケは何種類か育てていますが,国内産のは持っていないのです。
見に行ってみたいです! しかし出不精なもので・・・
手元の本にもDrosera rotundifoliaの和名は「モウセンゴケ」でした。
サジバモウセンゴケ(これは以前もっていました)やイシモチソウなど是非見てみたいものです。
Posted by WAKA at 2005年02月08日 16:42
■WAKAさん、こんにちは。

食虫植物のマニア…「ムジナモ」の記事を見せていただいて、もしやと思っていましたです。ムジナモもモウセンゴケ科でしたよね?しかし、あんなに緑の濃い冬芽なんですね〜、ビックリ!

モウセンゴケの仲間の愛好家の方、たくさんいらっしゃるようですね。検索しても愛好家の方のページがよくヒットしますね。

「モウセンゴケ」は、日本でも北海道から九州まで分布していて、この仲間でも一番多く野生のものが見られますね。日本のほか北半球の温帯〜亜寒帯に広く分布しているそうなので、外国産の「モウセンゴケ」の学名も「Drosera rotundifolia」でいいんだと思いますです。

他の日本の野生種は分布域も限られていて、希少なものが多いですね。イシモチソウは関東でも保護された湿地などで見られるようです。サジバモウセンゴケは、モウセンゴケとナガバノモウセンゴケの自然雑種だといわれていますよね?尾瀬の場合だとモウセンゴケは多いのですがナガバノモウセンゴケがちょっと少なめなんですよね。サジバモウセンゴケの自生は見たことないんですよ〜。
Posted by hanaboro at 2005年02月08日 20:14
こんばんは
我が家のモウセンゴケの花が咲きましたのでTBさせていただきました。
(いつのまにか入手していました・笑)
緋毛氈を敷いたような群生って見てみたいです。
Posted by WAKA at 2005年05月29日 00:40
*WAKAさん*

こんにちは。
WAKAさんところのモウセンゴケのお花、すごい反響ですね。目立つのは葉の方なのでしょうが、花もいいですよね〜。

写真の場所は、尾瀬の檜枝岐の方から入るコースで、尾瀬ヶ原まで行かなくても、写真のような状態が見られます。このときは、自分も熱中症になってしまって、登山を断念して、木道を歩いて湿原の植物をうろうろ観察してました。ここなら、足腰がそんなに強くなくても大丈夫ですよ。

ブログ、重い中、コメントしてくださって、ありがとうございました。重複分の削除作業、後ほどさせていただきますね。
Posted by hanaboro at 2005年05月30日 10:22
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モウセンゴケの花
Excerpt: 日本に自生する食虫植物のモウセンゴケの花が咲きました。 白い5枚の花弁の花は他のドロセラ(モウセンゴケ)の花と似ています。 参照→サスマタモウセンゴケ(ビナタ)     アフリカナガバモ..
Weblog: はなだより
Tracked: 2005-05-29 00:34
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