2005年02月07日

ナズナ

ナズナ Capsella bursa-pastoris


ナズナは、日本全土に分布し、田畑や道ばたなどで見られる越年草です。草丈は、10cmから大きいものでは40cmくらいにまでなります。春の七草の1つで、「ペンペングサ」という名前でもおなじみです。

花は3月〜6月、白色で直径は3mmぐらい。この小さい花が終わった後には独特の果実ができます。果実は逆さにした三角形の平べったいもので、先はちょっとへこんでいます。長さは6mmぐらい。このように短い果実を「短角果」といいます。これに対して、「アブラナ」などの果実は長くて「長角果」といいます。また、「ペンペングサ」という別名は、この果実の形を三味線のバチに見立てて、その音からきています。

秋に芽生えたものは根生葉をロゼット状に広げて越冬します。この根生葉の形がちょっとつかみどころがないのですけれど、多くの場合、羽状に深く裂けた形になっています。この形は時期や個体によっていろいろと変化するので、なかなか微妙なものです。芽生えて初めのころに出る葉はあまり切れ込んでいない個体でも、徐々に切れ込みのある根生葉を出すものもあれば、比較的最初から切れ込みが深いものもあるようです。また、春が近づいて暖かくなって茎が上に伸び始めるころには、逆に切れ込みが少ない葉が出てきたりします。さらに伸びてきた茎につく葉はほとんど裂けなくなります。

まとめると、「越冬中の根生葉は、放射状に地面にへばりついて羽状に裂けていることが多いが、羽状にならずヘラ状のものもある」という感じでしょうか。

ナズナ Capsella bursa-pastorisナズナ Capsella bursa-pastoris


上の小さい2枚の写真は、一番上の大きい写真を部分的に切り取ったものです。冬に見られる根生葉はこんなふうに羽状に切れ込んだ裂片の1つずつが細長くて、全体として魚の骨のような形に見えるものもよくあります。同じような場所にあって花がよく似ている「タネツケバナ」との違いは、果実がない場合は、この根生葉または茎につく葉でわかることもあると思います。ちなみに一番上の写真で、左隣に写っているのは「キュウリグサ」の根生葉です。

学名は、「Capsella bursa-pastoris (L.) Medik.」です。「Capsella」はナズナ属で、小さな袋という意味です。おそらく果実の形からきているのでしょうね。「bursa-pastoris」は、「bursa」がかくしポケットまたは嚢(のう)、「pastoris」は牧畜に適した、あるいは牧者、牧師という意味です。推測ですが、牧畜に携わる人の何かの入れ物と果実の形が似ているということだと思います。学名の後についている「(L.) Medik.」は、学名を命名したりその後学名を組み替えたりした人の名前が続いています。いずれも外国の人ですが、名前をつけるとき、やはりその果実の形に注目していたようです。

【和名】ナズナ [薺]
【別名】ペンペングサ
【学名】Capsella bursa-pastoris
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE
【撮影日】2005/02/04
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 14:27| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ロゼット図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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