2005年02月25日

タカネツメクサ

タカネツメクサ Arenaria arctica var. hondoensis


草丈が低く白い5弁の花を咲かせ、本州中部や北海道などの高山帯に生えるナデシコ科の植物はたくさんあって、花だけを見ているとどれもよく似ているので、名前を調べるのがなかなか難しいことがあるかもしれません。そういう場合は、花も大事ですが、葉の形や全体的な姿をとらえると、ある程度いくつかの候補に絞られます。今回の場合だと、「タカネツメクサ」と「ミヤマツメクサ」あたりに絞られます。ここまでは、そう大変ではありませんが、ここから先は細かいところを見ていくことになるので、ちょっと大変です。それにここの写真では、ほとんど何もわかりません。

とりあえず、両者の区別点を簡単にまとめると、

葉の脈葉の毛の様子種子の突起
タカネツメクサ葉は1脈葉の基部に毛があるか、ほとんど無毛種子には突起がなく平滑
ミヤマツメクサ葉は3脈縁に毛がある種子の周囲に長い突起がある

これらのほかに、分布域から考えると、「タカネツメクサ」の可能性が高いのですが、今回唯一まともに使えそうな形質の葉の毛について注目すると、無毛のものもあれば、比較的葉の先のほうまで毛があるものなどが混じっていて、そう簡単には決められませんでした。ただし、どう見ても3脈あるようには見えませんので、とても苦しいですがそれを決め手としました。

タカネツメクサは、主に本州中部の高山帯の岩場や砂礫地に生育する多年草です。根もとからよく分枝して、岩の隙間などにへばりつくようにマット状に広がるので、生育地では、大小いろんな塊があちこちに見られます。花期は7月〜8月ですが、8月も20日も過ぎればほとんど花は終わっています。花弁は白色で5枚、花の直径は1cmほど。緑色のガク片も5枚あって、花弁よりは短く半分ほどの長さです。写真では、花弁は色あせて縮れたものがところどころ残るのみですが、ガク片は花の後閉じてきて果実を包み込みます。

葉は細長い線形、脈は1脈、長さは5mm〜2cm程度、幅は1mmあるかどうかというぐらい細いです。花のない枝(無花枝)につく葉には、特に付け根の部分に腺毛が生えています。花のつく枝(有花枝)につく葉は多くの場合無毛ですが、花柄やガク片の外側には腺毛が密生しています。

この仲間の植物は、何だか潮臭いというか魚臭いというか、そういう独特のにおいがします。そのにおいがするのは花ではありませんが、そのことや写真を写すことに気をとられていたからなのか、その他のことが理由だったのかは別にして、筆者が種子の様子を観察していないことは秘密です。

【和名】タカネツメクサ [高嶺爪草]
【学名】Arenaria arctica var. hondoensis
【科名】ナデシコ科 CARYOPHYLLACEAE
【撮影日】2004/08/27
【撮影地】長野県長谷村

posted by hanaboro at 13:23| 東京 ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
御無沙汰しております。
(風邪っぴきで、久々のパソコンです)

「ツメクサ」と名の付くものがナデシコ科だとは知りませんでした。(もしかしてシロツメクサもナデシコ科なのでしょうか??)

たしかにナデシコ系の花って、みんな似ていますよね。
早く春になって花の観察(?)がしたいです。
Posted by 知三朗 at 2005年02月28日 21:28
*知三朗さん*

こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰しております。お加減の方は、もう大丈夫なのでしょうか。風邪は、本当大変ですよね。自分の場合だと、今年の風邪は発熱してばかりいました。風邪薬では効かず、解熱剤で治りました。

今日から3月。暖かくてお花がたくさん咲き出す春まで、あともうちょっと。観察?花見?したいですね。あっ!でも、知三朗さんにとっては、スキースキーシーズンが終わりに近づくのはちょっと寂しいかもしれませんね。

単に「ツメクサ」という名前の植物もありますよ。それは、高い山に行かなくても、家の周りや道ばたなど、よく踏みつけられるような場所に多く生えています。やっぱりそれもナデシコ科です。白くて小さくてっていう花は、そこだけ写真に撮っていてもあとから調べにくいことがありますね〜。

ちなみに、「シロツメクサ」は、マメ科の植物ですね。ふつうは、葉が3つに分かれた3出複葉で、これが4つにわかれたのが四葉のクローバーですよね。

マメ科の植物は、いくつかの小さい葉(小葉)にわかれる「複葉」になっていて、蝶が羽を広げたような形「蝶形花」という花をつけます。「シロツメクサ」も小さい蝶形花がたくさん集まって白い塊になっています。ふつうこの塊が1つの花に見えていると思います。ぜひ、観察してみてくださいね。
Posted by hanaboro at 2005年03月01日 11:31
私の風邪が治ったと思ったら、ダンナにうつしてしまったようです(反省)
hanaboroさんもなんだか大変だったのですね。あまり無理をなさらないでください。

シロツメクサはマメ科なのですねー。大豆みたいな豆ができるのがマメ科の植物の特徴だと思い込んでいました(笑)
蝶形花、実物を確認する日が待ち遠しいです。スキーも楽しいですが、高山植物観賞も大好きですよー。
Posted by 知三朗 at 2005年03月03日 20:56
*知三朗さん*

こんばんは。だんな様、風邪を引いてしまわれて、だんな様もおつらいでしょうし、知三朗さんも大変でしょうね。知三朗さんも治って間もないご様子、どうぞご無理なさらないでくださいね。

わたしの方は、もう今は大丈夫なんですよ。お気遣い、本当にありがとうございます。

マメ科の豆の大きさや形は種類によって様々。花もいろいろです。身近なところではレンゲ、カラスノエンドウ、それから大きいものではフジやクズなど、蝶形花が見られますよ。知三朗さん、結構高いところまで登られます?マメ科の高山植物だと飯豊山あたりだったら、オヤマノエンドウが見られるかもしれませんね。

やっぱり、高山植物はいいですよね。今年はもうちょっと時間かけて観賞したいです。
Posted by hanaboro at 2005年03月03日 22:06
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