2005年03月03日

ヤマモモ

ヤマモモ Myrica rubra


ヤマモモは、国内では本州の関東南部や福井県以西、四国、九州、沖縄に分布し、暖地の山地に多く生育している常緑高木です。高さは20mを越えるほどにまでなりますが、庭木や街路樹としても植栽されています。

雌雄異株で、雄株と雌株があります。花は、4月ごろ。夏には雌株に直径1.5cmくらいの球形の果実ができます。赤い果実の表面にはツブツブがたくさんあって、飴やグミなどお菓子にありそうな見た目です。一見堅いタネなんて入ってなさそうですが、中には堅い「核」が入っています。果実は「外果皮(がいかひ)」が液質の「核果(かくか)」です。色は明るめの赤から次第に黒っぽくなってきます。たくさん実をつけるためには、近くに雄株と雌株の両方が必要で、赤く熟した実は甘酸っぱく、ジャムや果実酒などに利用されます。

いくつか、専門的な言葉が出てきましたので、少し説明です。ふつう、花が咲いて受精が行われると、「子房」が果実に、「胚珠」が種子になります。そして果実は外側から「外果皮」、「中果皮」、「内果皮」があって、その中に種子が入っている構造をしています。ヤマモモの果実は、外果皮が多汁で、内果皮の部分が堅い核となっています。そこでこのような果実を「核果」といいます。

ヤマモモ Myrica rubra
ヤマモモの葉 (裏面)
ヤマモモ Myrica rubra
ヤマモモの葉 (表面)


葉はやや枝の先の方に密集してつきます。長さは10cm内外、幅は2cm〜3cm程度の細長い倒披針形(とうひしんけい)で、互生します。「倒披針形」というのは、先端のほうは丸みを帯びて鈍く、付け根の方が細くとがっていて、真ん中よりもちょっと上よりの部分の幅が広くなる形のことです。「披針形」はその反対の形です。

葉脈に注目すると、葉の中央を走る主脈から、横に目立つ側脈がいくつか出ていて、その出方が主脈に対して直角に近い角度で出ているのがわかります。

ヤマモモ Myrica rubra
葉の裏面から見える細かい網の目

成木の葉だと、縁のギザギザ(鋸歯)は、まったくないか、わずかに浅い鋸歯が見られる程度ですが、まだ若い木の葉には鋭い鋸歯があって、これが「ホルトノキ (Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus)」によく似ています。ヤマモモの場合は、葉を透かしてみると、かなり細かい網の目のようになった脈がよく見えますが、ホルトノキの場合だともう少し大き目の脈までしか見えません。

上の画像だと、網の目の線が黒っぽく写っていますが、光に透かしてみると、線の部分が白っぽく見えます。画像の後ろから光を当てたように見えるように加工したかったんですが。。。

【和名】ヤマモモ [山桃]
【学名】Myrica rubra
【科名】ヤマモモ科 MYRICACEAE
【撮影日】2005/02/27
【撮影地】東京都日野市(植栽)

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posted by hanaboro at 12:56| 東京 🌁| Comment(9) | TrackBack(0) | 葉っぱ図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
hanaboroさんこんばんは。
大阪の我が家の前に街路樹として
ヤマモモが植わってます。
果実は生食もなかなかなんですが、
果実酒が色・香りとも最高ですね。
専門用語は覚えるまで頭痛がしますが、
覚えると凄く便利ですよね。
勉強になります。
Posted by ごまのはぐさ at 2005年03月03日 19:57
*ごまのはぐささん*

こんばんは。いろいろありがとうございます。お越しいただけて、とても嬉しいです。

果実酒、いいですね〜。ヤマモモの場合、どれくらい漬けておけば、最高の状態を楽しめるようになるんですかね〜。こちらの近くにある木はどうやら雄株らしく、全然実がつきませんでした。今年はぜひ手に入れて、やってみたいです。

専門用語、わたしも頭痛いです。ほとんど覚えられていませんです。でもある程度は覚えていないと、図鑑を見てもチンプンカンプンになってしまいますよね〜。

このブログでは、なるべく噛み砕くようにして、自分も覚えていこうと思います。
Posted by hanaboro at 2005年03月03日 21:41
果実酒は半年で中身を引き上げて
さらに半年以上熟成が基本でしょうか。
でもヤマモモは集めるのがホネですね。

用語は分かってても、セリ科のを文章で説明すると、頭がフリーズしちゃいますね(笑)。
Posted by ごまのはぐさ at 2005年03月04日 19:41
*ごまのはぐささん*

こんばんは。なるほどぉ〜。
それでは、1年待つことになるんですね。
他にもよく果実酒、つけられるんですか。

セリ科、確かにフリーズしますね〜。本当は文章じゃなくて、図か写真があった方が断然わかりやすいですよね。
Posted by hanaboro at 2005年03月04日 20:56
>他にもよく果実酒、つけられるんですか。
今あるのは、カリン・マタタビ・ヤマブドウ・センブリくらいですね。センブリは自家栽培です。マタタビが珍味ですよー。

セリ科でややこしいのは、だいたい香りと味で覚えています。もちろん禁止区域とかでは触りませんが(^^)。
Posted by ごまのはぐさ at 2005年03月05日 23:36
*ごまのはぐささん*

おぉ〜。いろいろやっておられますね。うっ!センブリは苦そうですね〜。マタタビ、猫にとっては、それだけでお酒のようなもの。まわって、ぐるぐるしそうですね〜。

禁止区域での観察は、気をつかいますね。実際に触るのと触らないのとでは、全然違いますから、まったくどんなことも一切禁止というのもどうなのかと思うことはあります。区域外で触ればよい、それだけなのかもしれませんが。
Posted by hanaboro at 2005年03月07日 10:48
>まったくどんなことも一切禁止というのも
>どうなのかと思うことはあります。

これぐらいしとかないと、大阪のおばちゃんなんか、さわり倒してぐちゃぐちゃにしちゃいますからねー(笑)。

センブリ酒は脳髄に直接くる苦さです。

Posted by ごまのはぐさ at 2005年03月07日 22:47
*ごまのはぐささん*

大阪のおばちゃんがみなさんそうだとは思いませんが、そういった認識がまったくない方たちには、あらかじめ注意を呼びかけておくことは必要ですね。どうして禁止なのかを知ってもらうことが大切ですし。
Posted by hanaboro at 2005年03月08日 17:28
こんばんは。
もしお分かりなら教えて頂きたいのですが、家にヤマモモを植えたいのですが、市販ではなかなか見つかりませんが、1本とかでも売ってくれるようなところがあったら教えてください。
Posted by kaito at 2006年03月15日 21:24
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