2005年03月09日

クロモジ

クロモジ Lindera umbellata


クロモジは、本州、四国、九州の落葉樹林内に生える落葉低木です。高さは2m〜5mほどになります。樹皮は緑色っぽい褐色で、黒っぽい斑点があります。

主な花期は3月〜4月。葉が展開してくるのと同時にたくさんの花を咲かせます。色は淡い黄緑色。雄株と雌株が別々の雌雄異株。樹皮などには独特の香りがあるので、高級爪楊枝の材料にもなっています。枝を少しもんでみると香りがするので、野外でそれらしいものに出あったときのチェックポイントともなります。

北海道南部や本州の主に日本海側の地域には、クロモジの変種としてより葉の大きい「オオバクロモジ (Lindera umbellata var. membranacea)」が知られています。しかし、中間的な形質を持つタイプも多いことから、はっきりとした区別はなかなか難しいこともあります。

そのほか、主に暖地に生え花柄の毛が赤い「ヒメクロモジ (Lindera lancea)」、西日本に生育し葉の表面に毛が密生する「ケクロモジ (Lindera sericea)」、ケクロモジの変種で葉の表面の毛がない「ウスゲクロモジ (Lindera sericea var. glabrata)」といったものもあって、なかなか複雑ですね。冬芽の段階で、これらを区別するなんてことは困難でしょう。

クロモジ Lindera umbellataクロモジ Lindera umbellata


写真は、クロモジの冬芽ですが、細長くとがったような形のものが葉芽で、先のとがった球状のものは花芽です。花芽は長さ5mm程度で柄には毛があり、弧を描くように斜め上向き〜横向きについています。この花芽の様子で、同属のよく似た種と区別できる場合があります。


花芽の様子
クロモジ花芽の柄に毛がある。弧を描くように斜め上向き〜横向きにつく。
アブラチャン花芽の柄は無毛。上や横などいろいろな向き。
カナクギノキ花芽の柄は無毛。上向き。
シロモジ花芽の柄は無毛。横向き〜下向き。
ヤマコウバシ花芽は葉芽と同じ冬芽に入っている。


クロモジの葉芽は長さ1cm内外で、中央が太くて上下の端が次第に細くなる紡錘形です。芽を包む芽鱗は2枚〜4枚で黄色っぽいような赤っぽいような褐色で、ごく短い毛がはりついたように密生しているので白い粉をふいたように見えます。

【和名】クロモジ [黒文字]
【学名】Lindera umbellata
【科名】クスノキ科 LAURACEAE
【撮影日】2005/03/08
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 13:07| 東京 ☀| Comment(15) | TrackBack(2) | 冬芽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
黒文字といえば茶道ではお馴染の名前ですね。
でも実際の木は見たことがないのです。
大きくなる木なのですか?
Posted by WAKA at 2005年03月09日 23:18
*WAKAさん*

こんにちは。いつも新鮮な話題をありがとうございます。そういえば、茶道でお菓子をいただくときに使う楊枝が黒文字なんだそうですね。ちょっと高貴な気分になれそう。WAKAさんって、そういった素養をお持ちでステキです。うらやましいなぁ〜。

ところで、木の大きさですが、クロモジはものすごい高木というわけではないですね。雑木林の比較的低い位置にあります。枝も細いものがたくさん出ていて、目線の高さで十分花が見られますよ。お近くにちょっとした緑地や雑木林はありませんか。多摩の丘陵地なら小さな緑地でもよく見られます。もうちょっとすれば花も咲き始めるでしょうね。
Posted by hanaboro at 2005年03月10日 12:27
私もお茶を習っているので、クロモジの存在は知っていましたが、漢字で『黒文字』と書くとは知りませんでした。(最初はクロ「ム」ジだと思い込んでいましたし。)

練習用に何度も使っていると、真っ直ぐな黒文字がだんだん好きな方向に曲がってくるんですよ〜。生きてるって感じです。
Posted by 知三朗 at 2005年03月10日 18:25
*知三朗さん*

こんばんは。知三朗さんもお茶をなさるんですね。楊枝やお箸以外にもお茶では他にも何かに使われているのかな。クロモジ、何度も使っているうちにだんだん好きな方向に曲がってくるって、何かいいですね。道具がだんだんなじんでくる感覚、いいなぁ〜。本当生きているみたいですね。

そうそう、黒文字っていう名前ですが、緑色っぽい枝に黒い斑模様が入るので、その様子を文字に見立ててつけられたのだそうですよ。
Posted by hanaboro at 2005年03月10日 21:02
お稽古はお茶菓子を食べていたようなもので黒文字ばかり活用していました。
お茶道具で使われるものには他に竹があります。
お茶をすくう茶杓(スプーンのようなもの),お湯を汲む柄杓,茶筅も竹ですね。
道具以外にも床に飾る軸やお花を季節に合わせるなどのきまりがあって面白いです。
Posted by WAKA at 2005年03月10日 22:46
*WAKAさん*

お菓子をいただく楽しみもあって、さらにお茶のお稽古も楽しくできそうですね〜。「竹」が使われている道具、何となくイメージできます。茶杓、確か粉の抹茶のカンに入ってました。すごく軽かったです。カン入りで何とも風情のないことですが。お茶、いろいろとお作法など学ぶことができそうでおもしろそうですね。きっと、黒文字の花も活けたりするのでしょうね。
Posted by hanaboro at 2005年03月11日 07:51
三宅です。古いアップへのコメントですみません。ちょうどクロモジの花をエントリーしようとしていたものですから。

そう、クロモジはWAKAさんのおっしゃるとおり、よく茶道でお菓子をいただく用事として使われます。でも、茶花として使うところは見たことがないのです。使わない、と言うことはないでしょうが、あまりポピュラーではないかもしれません。少し地味すぎるかな?

このページ、TBさせてください。
Posted by 三宅信光 at 2005年04月01日 21:14
訂正です(苦笑)茶道大辞典という辞典を調べていましたら、茶花として2月から3月の花が開花するまでは芽出しの枝を、3月から4月は開花した枝を用いるとありました。私が見たことがなかっただけのようです(^_^;
三宅
Posted by 三宅信光 at 2005年04月01日 21:17
*三宅信光さん*

古い記事の発掘、どうもありがとうございます。TB、まだ到着してないようですが、まあ、そのあたりはお気になさらずに。

お母さまだけじゃなくて、三宅さんもお茶をなさるんですね。クロモジは派手さはありませんが、冬芽の時期も、開花中も、なかなか見どころがありますし、和風な感じがしますよね。地味だと茶花にはならないものなんですか。
Posted by hanaboro at 2005年04月01日 22:16
hanaboroさん、おはようございます。
実は、今日、TBしようと思いまして(^_^;昨日書こうと思ったのですが、頓挫いたしました(笑)
実は私はお茶はやらない(飲むだけ)なんですが、まわりにやたらお茶をやる人がいて。で、門前の小僧をしております(^_^;

黒文字は地味すぎてあまり庭木にはされないのかもしれないですね。でもなかなか素直さを感じる樹で見ていて、何とはなしに気持ちがよくなります。
三宅
Posted by 三宅信光 at 2005年04月02日 09:32
*三宅信光さん*

こんにちは。
わたしも、記事を書いてて途中でアップできなくなること、よくありますよ。三宅さんはお手伝いをされてるってことは、お母さまはお茶の先生なのかぁ〜。

黒文字、その辺りの緑地でよく見られる木なので、わざわざ植えなくてもいいのかもしれませんね。実が赤く熟すなら、もっと庭木にも茶花にも利用されるのかも。黒文字だけに?実も黒なんですよね〜。
Posted by hanaboro at 2005年04月02日 14:56
3月に大好きな黒文字を見つけ,買ったのですが 一向に5月になっても,青々として葉は見えず,枯れたのではないか?心配です。
どなたか,教えて下さい。
Posted by 田原 和枝 at 2006年05月22日 13:24
3月に大好きな黒文字を見つけ,庭木として(3mくらい)を買ったのですが 一向に5月になっても,全然,葉が付かず,枯れたのではないか?心配です。
今は,枯れ木に近いと思います。どなたか,教えて下さい。
Posted by 田原 和枝 at 2006年05月22日 13:27
3月に大好きな黒文字を見つけ,庭木として(3mくらい)を買ったのですが 一向に5月になっても,全然,葉が付かず,枯れたのではないか?心配です。
今は,枯れ木に近いと思います。どなたか,教えて下さい。
Posted by 田原 正治 at 2006年05月22日 13:31
3月に大好きな黒文字を見つけ,庭木として(3mくらい)を買ったのですが 一向に5月になっても,全然,葉が付かず,枯れたのではないか?心配です。
今は,枯れ木に近いと思います。どなたか,教えて下さい。
Posted by 田原正治 at 2006年05月22日 13:32
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黒文字
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