2005年03月18日

ハナダイコン

ハナダイコン Orychophragmus violaceus


ハナダイコンは、中国原産の一年草または越年草です。もともとは江戸時代に観賞用として入ってきたのだそうですが、現在では、日本各地で野生化しています。また、道路脇の緑化のため播種されることもあるようです。いろいろな別名で呼ばれていますが、その中の「ショカツサイ」というのは中国名で、「オオアラセイトウ」の「アラセイトウ」というのは、同じアブラナ科の「ストック (Matthiola incana)」の古い呼び名だそうです。

高さは30cm〜80cmほど。かなり小さな個体でも花をつけています。葉の質は薄めで、特に裏面は粉をふいたように白っぽく、根生葉や茎の下部の葉は羽状に分裂します。そして、羽状に分かれた葉のてっぺんにある裂片(頂裂片)が、特に大きくなる傾向があります。茎の上部の葉は長楕円形で、縁には不規則なギザギザ(鋸歯)があります。葉の付け根の方は耳のような形になって茎を包み込むようについています。そういう状態を、図鑑では「茎を抱く」というふうに書いてあります。

花期は3月〜5月。直径は2cm〜3cmで、淡い紫色〜紅紫色の4弁花。果実は細長い「長角果」で、長さ10cmぐらいになります。熟すと下の方から縦に2つに裂けて、中央には膜質の隔壁が見えます。その壁に小さい種子がついています。このような果実の構造はアブラナ科の大きな特徴なので、もうちょっと詳しく見てみると。。。

*アブラナ科の果実の構造*
雌しべの子房がのちに果実となります。「雌しべ」というのは「葉」が起源なのだそうで、雌しべの子房壁が数枚の「心皮」が合わさってできているものを「合生心皮」といいます。つまり「心皮」というのは、雌しべの子房壁を構成している葉のことで、あとで「果皮」になる部分のことです。雌しべの子房壁には「胚珠」がついていて、のちに「種子」になります。

アブラナ科の場合、2枚の心皮が合わさってできた「合生心皮」で、果実が熟したときに果皮が心皮の合わさった部分から2つに裂けて、下の方から反り返ってきます。種子は中央の膜質の隔壁についています。こういう果実を「角果」といって、細長いものは「長角果」、短いものは「短角果」といいます。


3月半ば、こちら関東の丘陵地では、ちらほらと開花が見られるようになりました。今はまだ、根生葉の状態のものや、蕾がようやく出てきた個体など背丈が低いものが多いですね。写真は、まだ根生葉の状態です。近くに人の家はあるものの、特に誰かが栽培している様子のない道ばたに少数あったものです。栽培されていたものの種子が逃げ出して野生化したものかもしれません。

【和名】ハナダイコン [花大根]
【別名】ショカツサイ [諸葛菜]、オオアラセイトウ
【学名】Orychophragmus violaceus
【科名】アブラナ科 CRUCIFERAE (BRASSICACEAE)
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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