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タツナミソウは、本州、四国、九州に分布し、山野の林縁や草地に生える多年草です。茎は赤みを帯び、白っぽい毛がたくさん生えています。高さは20cm〜40cmほど。葉は、幅の広い卵形で、長さも幅も1cm〜2.5cmほど、先端には丸みがあります。両面ともに軟毛が生えています。
また、「コバノタツナミ (Scutellaria indica var. parvifolia)」は、タツナミソウの変種で、葉は長さ、幅ともに1cm内外、ビロード状に短毛が密生します。本州伊豆半島以西〜九州の海岸に近い地域の山野に生えるとされています。
花期は5月〜6月。茎の先に5cm程度の花序を出して、一方向にかたよって花を咲かせます。花(花冠)は、紅紫色〜青紫色。長さは2cmほどの唇形花です。名前は、その花の咲く姿を打ち寄せる波に見立ててつけられています。
花冠も特徴的ですが、この仲間はガクの形も変わっています。花が咲いている間は、花に目がいきますが、花が終わると途端に、ガクが目立ち始めます。ガクは上下2つに分かれていて、それぞれ「上唇」、「下唇」といいます。上唇の背側の先には半円形のふくらみがあって、内側には紫色の斑点があります。花が終わった後、ガクは閉じてその中で果実が熟していきます。果実が熟すと、上唇が落ちてなくなり、中の種子がこぼれやすい状態になります。その後も下唇だけはずっと花序に残って、お皿のような形のものがたくさんついたまま立ち枯れていきます。これを見ると、花のない時期でも「タツナミソウ属」の植物だなっとわかると思います。
写真のものは栽培されていたものが、ちょっと逃げ出した感じで生えていたものです。まだ、冬を越したばかりでこの状態で、葉の大きさがどうなるかはわかりませんが、あまり大きくならないタイプかもしれません。
【和名】タツナミソウ [立浪草]
【学名】Scutellaria indica
【科名】シソ科 LABIATAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市(植栽)
■当ブログ内関連記事→オカタツナミソウ
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タツナミソウは我が家でも雑草状態で育っています。
最初はご近所から分けていただきましたが。
名前通りの花が面白くて気に入っています。
よろしければ写真を・・・
http://hanakoyomi.sunnyday.jp/tatunamisou02.jpg
こんにちは。
タツナミソウ、植えると雑草化するの、わかります。自分の実家でもコンクリートの階段の隙間にまで勝手に生えていました。
花は本当、おもしろいですよね。WAKAさんのお写真も見せていただけて、うれしいです。質のいい青紫なんですよね。形も個性的。名前どおりって感じですね。
そういえば。蕾が見え始めるころは、まだ小さな植物ですよね。それが咲くと花の長さの分だけ大きくなって、意外に迫力出てビックリしたことがあります。