2005年03月23日

ヤマブキ

ヤマブキ Kerria japonica


ヤマブキは、国内に広く分布するほか、中国や朝鮮半島にも分布しています。バラ科ヤマブキ属に分類される1属1種の植物。山地のやや湿り気の多い場所に生える落葉低木です。庭や公園などによく植えられていますが、万葉の時代からすでに庭に植えて観賞され、何首もの歌に詠まれています。

高さは1m〜2mほどで、枝は細く若い枝は冬の間も緑色。地下茎をのばして増え、樹形は株立ち状になります。細い茎が根元からたくさん群がってのびています。

葉は長卵形で、互生します。葉柄は1cmあるかないかで、まばらな感じに毛があります。表面の葉脈が下面にしっかりくぼんで、その脈を裏から見ると、白っぽい毛が寝たように生えています。葉の質は薄めです。ヤマブキの葉は葉脈や縁のギザギザなどとても特徴的なので、覚えやすいかもしれません。葉の縁のギザギザのことを「鋸歯」といいますが、ヤマブキの葉の縁にははっきりとした「重鋸歯(じゅうきょし)」があります。重鋸歯というのは、大きなギザギザにさらに小さなギザギザのある鋸歯のことです。

花期は4月〜5月。短い枝の先に1つずつ鮮やかな黄色の花をつけます。直径は3cm〜5cm。花弁は5枚です。花の中心部には、たくさんの雄しべと5個〜8個の花柱があります。ガク片は5枚あって、果実の時期にも残っていて、星形に見えます。花弁はパッと平たく開いて枝垂れた細い枝に一斉に咲いている様子は、とても見事なものです。

ヤマブキと全体的な見た目がよく似ている「シロヤマブキ (Rhodotypos scandens)」は、シロヤマブキ属という別の属に分類される全く別の種です。シロヤマブキは葉が対生、花は白色の4弁花、ガク片も4枚です。ヤマブキにも白花があって「シロバナヤマブキ (Kerria japonica f. albescens)」といいますが、花弁は5枚なのでシロヤマブキと区別できます。

また、ヤマブキには八重咲きの品種もあって、「ヤエヤマブキ (Kerria japonica f. plena)」といいます。ヤエヤマブキの場合、雄しべが花弁化して雌しべも退化していてしまっているので果実ができません。一方、ふつうの一重のヤマブキには果実ができます。ヤマブキの果実は長さ4mm程度、シロヤマブキよりは小さめで、熟すと暗褐色になります。シロヤマブキの果実は黒く光沢のあるもので、だいたい4つついています。

冬芽は、長卵形で赤褐色。5枚〜12枚の「芽鱗」に包まれた「鱗芽」です。写真はすでに、芽吹いていて赤褐色の芽鱗は少し残っているのみで、数枚はすでに落ちてしまっています。若葉が展開すると蕾も見えてくるはずです。

【和名】ヤマブキ [山吹]
【学名】Kerria japonica
【科名】バラ科 ROSACEAE
【撮影日】2005/03/18
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 17:30| 東京 ☔| Comment(13) | TrackBack(0) | 芽吹き | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
山吹の黄色って、ほんとに綺麗な黄金色ですよねー^^

どうして自然の植物ってあんなに綺麗なんでしょうね・・・。
山吹の黄色と似ている色の花に、『クサノオウ』がありますね^^
ウチの側の土手に結構咲くんです。
茎を折ると黄色い汁がでてくる・・・。あれってかぶれるって聞いたことあるので折り取ってくる勇気はありません^^;

『七重八重
花は咲けども山吹の
実の一つだに無きぞ哀しき』
・・・山吹というと、この和歌を思い出します。
Posted by 実桜 at 2005年03月23日 21:02
おお。シロヤマブキとシロバナヤマブキがあるんですねー。Φ(._.)メモメモ
最初に図鑑を買ったとき、植物図鑑ってなんて面白いこと書いてないんだろうって思ったのですが、使っていくうちに「対生」と「互生」とか、そういうコトバがとても大切だって事がわかってきました(汗
で、hanaboroさんの記事から漢字2文字ほどお借りしていきま〜すm(_ _)ゞ
Posted by 花鳥風月@goo at 2005年03月23日 22:44
素朴な疑問なんですが、というか花のことがわかっていない素人がする質問で申し訳ありません。
八重ヤマブキのように実がつかない花はどうやって繁殖するのでしょうか。挿し木だということはよくわかるのですが今ひとつ納得いかないのです。クローンちゃんがどんどん増えているだけなのでしょうか。

八重ヤマブキはとても好きなのですが万葉の昔より「別れ」を意味する花としてとらえられていたことを聞いたことがあります。実らない恋という意味や黄色=「黄泉」ということらしいです。きれいなお花なので是非そのイメージを払拭する何かが欲しいのです。

ご挨拶が後になってしましました。
るーぱーと申します。私もブログを1月ほど前から始めましたが内容は広く浅くです。知識を深めるためにも時々寄らせてください。宜しくお願いします。
Posted by るーぱー at 2005年03月24日 08:34
ヤマブキと言えば、このごろ見かけませんね、ヤマブキ鉄砲。ヤマブキの芯を使った弾を飛ばす空気銃(と言うほどのものでもないけれど)
我が家にも八重ヤマブキがあります。白い山吹も好きですが、やはり黄色い花が一面に咲いているイメージが強いですね。
Posted by 三宅信光 at 2005年03月24日 11:44
*実桜さん*

ヤマブキの黄金色は、本当にいい色だと思います。確かに「クサノオウ」もいいですね〜。でも、かぶれるんですか。毒があるようで内服してはいけないですが、湿疹などの治療に塗り薬として使われるそうですが。わたしもあまり詳しくないので、かぶれるかもしれないのなら、気をつけないといけませんね。

ご紹介くださった歌、「八重咲きのものに実がつかない」ということを紹介する場合によく引用されていますよ。

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*花鳥風月@gooさん*

シロヤマブキの方はもうご存知でしたよね。シロバナヤマブキの方は単なるヤマブキの白花ですね〜。名前はまぎらわしいですけど、花弁の数で見分けられると思いますよん。

そうなんですよね。図鑑はおもしろくないかもしれません。簡潔に事実を記述するために、専門用語がバンバン出てきます。少し覚えてくれば、実物と見比べてなるほどぉと納得したりします。「互生」か「対生」かはとっても重要ですね。でも、新しくて、内容が正確で、情報量が豊かで、おもしろ〜い図鑑がほしいです。っていうのは欲張りかな。

漢字2文字は「芽鱗」ですかな。また、後ほどゆっくりおじゃまします。

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*るーぱーさん*

はじめまして。コメントありがとうございます。
早速ですが、「ヤエヤマブキ」は地下茎による栄養繁殖を行うようですよ。実がつかなければ種子繁殖のしようがないので、クローンで増えているといえると思います。八重咲きの花に実がつかないのは、ヤエヤマブキに限ったことではないですし、栄養繁殖というのも特に珍しいことではないですよ。

たとえ、万葉のころからの「別れ」を意味する花としてとらえられてきたとしても、現に今もなお、ヤエヤマブキは消えることなく、わたしたちも見ることができるわけで。。。実らなくてもヤエヤマブキはちゃんと命をつないでいますよね。

太田道灌の話など気になるところでしょうが、それはそれとして、ただ、自分自身がそれを見てきれいだなと感じられるなら、その感じたままでいいのではないでしょうか。現代に生きているちっぽけな一個人のわたしなんぞには、そんなに長い歴史のあるものを払拭できるような力はありませんよぉ〜。

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*三宅信光さん*

ヤマブキ、お近くにはあまりないのですか。少し前に呼んだ本に、最近はあまり「ヤマブキ」が注目されなくなったなんて書いてあって、えっ?そうなのぉ〜と不思議に思っていました。自分のところの近くでは、よく植えられているんですけどね〜。ヤエヤマブキ、一面に咲くとまた、本当に見事なものでしょうね。やっぱり実はならずに栄養繁殖してますか?

ヤマブキ鉄砲という遊びがあったんですか。知りませんでした。どんなふうにするのだろう。。。
Posted by hanaboro at 2005年03月24日 20:12
>山吹の和歌。
私は子供の頃、太田道灌の故事(この故事がホントかどうかは、不明だそうですが)で知りました。
(出典・まんが日本の歴史・・・)(爆)
狩に出かけた先で雨に降られた道灌が、蓑を借りようとある農家に立ち寄ったところ、そこの妻がこの歌に山吹(八重咲き)を添えて差し出したそうです。

道灌は『実の1つだに無き』を『蓑1つも無い』ことに掛けた歌に大層感動したとか。


>クサノオウ。
薬にもなるんですか・・・!
知らなかったです!1つ知識が増えました〜。
確かに、薬と毒は紙一重とも言いますしね・・・。
Posted by 実桜 at 2005年03月24日 21:02
*実桜さん*

こんばんは。お子さんだったころに読まれた内容を、よくぞそこまで覚えておられますね。

太田道灌の故事は聞いたことがあったのですが、農家の娘がその和歌の「実のひとつだになき」にかけて、ヤエヤマブキを差し出して、貧しくて「蓑1つもない」ことをちょっと遠まわしにわびたのだけど、太田道灌はそのときはその意味がわからず、戸惑ったのだと。それで、そのお話もいまひとつな感じがしてました。

兼明親王の和歌自体も何だかちょっとさびしげなイメージですが、太田道灌はその後、和歌を学んでそれをきわめたといいますから、マイナスばかりではなさそうですね。るーぱーさんが実桜さんのコメントを読んでくださるといいのですが。

自分は文学的素養がまるでないもので、どうかこのへんでご勘弁を。
Posted by hanaboro at 2005年03月24日 21:47
こんにちは始めまして☆゜゜私は今、大学で勉強しているレポートを作成している途中で、八重咲きの花は雄しべが花弁化して八重咲きになったことを知り、るーぱーさんと同じ疑問「八重咲きのものはどうやって繁殖するのか??」をもっていろいろと調べていたのですが、このブログを見つけて解決できてよかったです!!ありがとうございました。。(^^)私自身植物にも興味があるのでお気に入りに登録してたびたび覗かせてもらいます☆
Posted by しえ at 2005年08月21日 15:57
*しえさん*

ようこそ、いらっしゃいました。お気に入り登録、ありがとうございます☆

そうですね。八重咲きの花では、雄しべが花弁化して八重咲きになるというタイプは多いのではないでしょうか。チューリップの八重咲きをジロジロ見ると、雄しべと花弁がくっついたような中間的な状態のものが見られることもありますよ。

でも、必ずしも雄しべだけとは限らないです。雌しべとかガク片も花弁化することもあります。花弁自体の数が増えたり、花弁が多数に切れ込んで、八重咲きになっている場合もあります。ということで、八重咲きにもいろいろあるし、八重咲きのものがすべて、まったく結実しないわけではないとも思いますが、どうでしょうね☆
Posted by hanaboro at 2005年08月21日 19:33
八重咲きと一重咲きについていろいろ研究してみようと思って一重咲きのものとしてガーベラを、八重咲きのものとしてトルコキキョウを研究材料に選んだのですが、ガーベラって本当に一重咲きで、トルコキキョウは本当に八重咲きなんでしょうか??しかもトルコキキョウにははっきりと雄しべもあるんです〜(;○;)なんだか頭がこんがらがってきました。。笑
Posted by しえ at 2005年08月22日 14:26
*しえさん*

おお!研究テーマだったのですか。それなら、学術的にしっかりとしたしかるべき文献にあって調べないと、こんなブロブではダメですぞぉ。研究材料を選ぶことも研究の一環だと思いますし。ぜひ、八重咲きと一重咲きについて追求してくださいまし。

自分はただの趣味の人ですから、これ以上いい加減なことはいえませぬ。混乱させてしまってすみませんでした。
Posted by hanaboro at 2005年08月22日 16:34
いいえ〜(**)!!いろいろとありがとうございました♪たびたび覗かせてもらいます^^!!
Posted by しえ at 2005年08月23日 10:40
*しえさん*

八重咲きにもいろんなタイプがあるということなので、八重咲きというものをどうとらえるのか、それぞれのタイプについてまんべんなく調べるのか、どれかに絞って詳しく調べるのかなどなどいろいろアプローチはあるのでしょうね。

学術的なこと、よく知らないもので、お役には立てませんが、かげながら、応援しています!!
Posted by hanaboro at 2005年08月23日 20:08
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