![]() 2005/02/15 | ![]() 2005/02/15 |
サルスベリは、中国南部原産の落葉小高木です。高さは5mほど。日本に入ってきたのは、江戸時代のことだそうです。寺院や庭、公園、街路などによく植えられています。
幹は滑らかで、すべすべしています。そのため、名前は「猿も滑る」ということからきているといいます。樹皮の色は、赤褐色〜淡褐色。薄い樹皮がはがれ落ちた部分が白っぽくなります。この樹皮が非常に特徴的なのですが、「ナツツバキ」や「リョウブ」でも同じようにはがれてよく似ています。幹はやや曲がりくねる傾向があります。
葉はふつうは互生で、長さ5cm内外、卵を逆さにしたような楕円形です。こういう形を「倒卵状楕円形」などといいます。葉の縁にギザギザ(鋸歯)はなく全縁です。ただし、互生の仕方がふつうの互生とはちょっと違っていて、2枚ずつが互生します。つまり、ふつうだと枝をはさんで左右1枚ずつが互い違いにつく形になりますが、サルスベリの場合は、枝の右に2枚ついたら今度は左に2枚つき、また右に2枚、、、というのを繰り返すわけです。このような葉のつき方をするものを「コクサギ型葉序」といいます。といっても、対生することも多いです。
花期は7月〜9月。夏の間の代表的な花木の1つとなっています。枝先の円錐花序にたくさん咲かせます。ガクは6つに裂け、花弁は6枚ありますが、しわしわに縮れていて、一見すると八重咲きのようにも見えます。色は紅紫色〜白色で、濃淡があります。花期が長いので、「ヒャクジツコウ (百日紅)」とも呼ばれます。
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果実は「さく果」で、直径7mmほどの楕円形〜球形です。さく果というのは、雌しべの子房の「心皮」という部分がいくつか合わさって、1つの乾いた果実になったものをいいます。ユリ、アサガオ、ホウセンカの果実もさく果です。
冬芽は赤褐色で、3mm程度の小さな三角形。芽を包む芽鱗は1対か2対あります。芽吹くのは遅めなので、3月下旬の段階ではまだちょっと堅そうです。
![]() 2005/03/24 | ![]() 2005/02/15 |
サルスベリはミソハギ科サルスベリ属の植物で、同じ属の仲間には、沖縄や種子島、屋久島、奄美大島などに分布する「シマサルスベリ (Lagerstroemia subcostata)」があります。シマサルスベリの方はもっと幹がまっすぐで高木になり、葉は大きめ、花色は白色です。
【和名】サルスベリ [猿滑]
【別名】ヒャクジツコウ [百日紅]
【学名】Lagerstroemia indica
【科名】ミソハギ科 LYTHRACEAE
【撮影日】2005/02/15、2005/03/24
【撮影地】東京都日野市
また赤い花がつくのを楽しみにしてるところです。
こんばんは。
大きな木を切らなければならないときって、やっぱり心が痛みますよね〜。また芽が出てきてよかったですね。諦めていたものが復活してくれて、喜びもひとしおでしょう。それにしても、三宅さんってたくさん木を植えてらっしゃるんですね。ツバキも何種類もあるご様子ですし。
そんなに植わっているわけではないんですよ(笑)母が茶道をする関係で、椿だけは多いですけれど。そろそろネタ切れです(笑)
こんにちは。そうですよね〜。大きな木は、大先輩。できれば、そのまま切らずにおけたらいいですけどね〜。増改築などで、どうしてもってこともありますもんね。大先輩のサルスベリ、たくさん咲いて、実を結んでくれるといいですね。
ネタ切れ対策としては、例えば、椿でも品種1つずつを記事にするなんていうのはどうでしょう?椿、わたしも好きですよ。子どものころ住んでいた家に何種類かありました。天倫寺月光とか胡蝶侘助とか、羽衣とか、結構、地味めのものばっかりだったかな〜。
参考にさせていただきました!
ところで質問ですが、雌しべが1本しかないのに、さく果で種子が多数できるってことは、雌しべは「合生心皮」でできているってことですか?
そうですね。葉のつき方というのも、いろいろあるのだなぁと改めて感心させられます。
さく果は、ふつう複数の心皮が合生して1つの果実になっている場合が多いと思います。雌しべが1つで花柱も1つということからすると、合生心皮の雌しべだと思います。
離生心皮の方は、1枚の心皮でできた雌しべが1本あるわけですが、離生心皮でも、あとからくっついてさく果になることもあるそうなんですよね。