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ミヤマカタバミは、本州、四国に分布し、山地の林内に生育する多年草です。全体に軟毛が多くて、茎や葉の裏、ガクや苞にまで密生しています。「カタバミ」や園芸種の「オキザリス」などと同じカタバミ科カタバミ属(Oxalis)の植物です。
葉は、角の少し丸い三角形をした3つの小葉からなっていて、長い柄の先についています。小葉の先端は少しへこんだ形になっています。葉の裏にも軟毛が密生していて、特に3小葉が芽吹いてくるときには、3小葉が内側に畳み込まれていて、ちょうど裏が見えているので、軟毛におおわれて白っぽく見えます。
同属の園芸種「オキザリス・バーシーカラー」のような縁取りはないのでわかりにくいですが、蕾をよく見ると、傘をたたんだときのように花弁が巻いています。
花期は3月〜5月。花柄にも軟毛があって、長さは5cmくらい、先端に1つだけ花をつけます。直径3cm〜4cmほどの白色の5弁花。しばしば、淡い紫色の筋が入っています。果実は長さ2cmほどの細長い卵形です。中には小さな種子が数個入っています。さらに花期が終わると、閉鎖花によっても果実をつけます。
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また、関東西南部〜東海に分布し、葉の裏の毛が少なく果実の小さいタイプを「カントウミヤマカタバミ (Oxalis griffithii var. kantoensis)」といいます。「コミヤマカタバミ (Oxalis acetosella)」の場合は、全体に小型で小葉の角はさらに丸みがあります。こちらは花期が6月〜8月です。そういえば、日本海側には、「コミヤマカタバミ」の変種の「ヒョウノセンカタバミ (Oxalis acetosella var. longicapsula)」というのがありました。全体的に大きくて、小葉の幅は3cm〜5cmにもなります。花は白色か淡い紅紫色です。
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根もとの方には何やら妙なものが見えます。これは葉がついていたところで、葉柄の基の部分が残っているものです。
【和名】ミヤマカタバミ [深山傍食]
【学名】Oxalis griffithii
【科名】カタバミ科 OXALIDACEAE
【撮影日】2005/04/03
【撮影地】東京都八王子市
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