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ハナイバナは、日本全土に分布し、道ばたや畑などにごくふつうに生えている一年草または越年草です。国内だけでなく、東アジアに広く分布しています。草丈は10cm〜15cmほど。茎は、はじめはやや地面に伏したように斜めに伸びますが、次第に立ち上がって伸びる茎が増えてきます。葉や茎、ガク片などにやや長めの毛が多く生えていますが、これが白くて茎にはりついたように上向きについています。
葉は長さ2cm〜3cmほど、幅は1cm〜2cmの長めの楕円形。葉の形は、あまりしっかり決まった形があるようではなく、縁は波打つことが多く、表面は何となく縮れたようなシワシワがあるような、そんな感じです。
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花期はとても長くて、3月〜11月。同じ個体が、この期間ずっと咲き続けるというよりは、春先など、早めに咲いた個体にできた果実が、発芽してまた夏や秋には花をつけ、全体として花期が長くなっているのだと思います。つまり年数回、順次発生しているということなんでしょう。花(花冠)は、淡い青紫色で、直径は3mm程度のごく小さい花です。花冠の先は、5つにさけています。ガクは5枚で、花後に4つできる果実(分果)がそのガクの間に包まれたような状態になります。
花はキュウリグサに似ていますが、根生葉の形はぜんぜん違います。越冬中の方が見分けやすいかもしれません。花の時期なら、花序の形に注目します。キュウリグサの場合は、クルッと巻いた花序が開花とともにほどけていく「さそり状花序」なのですが、ハナイバナはさそり状花序にはならず、茎の上部の方まで葉がついています。葉の脇に小さな花がチョコチョコつく感じです。名前は、茎の上部の葉と葉の間に花をつけるので「葉内花(ハナイバナ)」といいます。
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春、暖かくなってから伸びてきた根生葉は、花の咲き始めた4月上旬、とても明るくて瑞々しい色をしています。
秋に芽生えた個体の越冬中の根生葉は褐色を帯びていて、葉の縁の毛がやたらと目立っていました。一月ほど前までは、まだ、あちこちで寒さに耐えている様子の根生葉が見られたのに、季節の移り変わりのなんと早いことでしょうか。
【和名】ハナイバナ [葉内花]
【学名】Bothriospermum tenellum
【科名】ムラサキ科 BORAGINACEAE
【撮影日】2005/04/09、2005/02/04
【撮影地】東京都日野市
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