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タケニグサは、本州、四国、九州に分布し、山野や都市部などの道路脇や荒れ地などにふつうに見られる大形の多年草です。高さは1m〜2mに達します。茎や葉の裏は粉を吹いたように白っぽく、葉は互生し、長さ20cm〜40cmにもなります。根生葉のときから、全体に白っぽいのですが、葉の裏をひっくり返してみると、特に真っ白です。
4月上旬の関東の丘陵地。すでにタケニグサの個性的な葉が目につくようになっています。生長が早いところも竹に似ているのでしょうか。ついこの間までは、こんなにあちこちに出ていなかったのに。もうかなり大きな葉を広げた個体も見られます。裏を見ると白くて長めの軟毛がモジャモジャと生えていました。
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茎が粉白色になることや、茎の中が中空になるところなど、「竹」に似たところがあるので、名前はそこからつけられたといいますが、葉の形はぜんぜん違います。タケニグサの葉は、「菊」を大きく分厚くしたような感じで、つけ根の部分はグッと湾曲するので、全体の輪郭としてはハート形。といってもずいぶん切れ込みの多いハート形ですけども。このとてもユニークな葉の形は、一度覚えたら、きっと忘れられないものになると思います。ただし、名前の由来には、ほかにもいろいろと説があるようですね。
ちなみに、学名にある種小名の「cordata」は、「心臓形の、心形の」という意味です。
茎を折ると、黄色い汁がでてきます。薬用にもなるそうですが、かなり強い成分が含まれているそうで「毒草」でもあります。注意した方がよいですね。
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春はまだ、大きめの葉が地面近くに広がっているくらいなのですが、夏が近づくにつれてぐんぐん生長して、7月〜8月には茎の先に大型の円錐花序を出して、たくさんの花をつけます。大きくてダイナミックな草ですが、その巨体の割には1つ1つの花は小さくて、花には花弁がなく2枚の白いガク片と多数の線形の雄しべがピラピラとついているだけです。蕾のときは白くふくらみのあるものなんですが、ガクは開くと早々に脱落してしまうので、雄しべばかりが目立ちます。その雄しべは、糸状の「花糸」とその先につく線形の「葯(花粉のあるところ)」からできていて、長さは1cm程度です。
花が終わると平たいマメ科のような形の果実(さく果)ができて、それがたくさんぶら下がるようにつきます。果実の長さは2cm〜3cmくらいで、秋には、ちょっと独特の色合いのオレンジがかったような褐色になります。
【和名】タケニグサ [竹似草]
【別名】チャンパギク [占城菊]
【学名】Macleaya cordata
【科名】ケシ科 PAPAVERACEAE
【撮影日】2005/04/09
【撮影地】東京都日野市
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タケニグサはイギリスではガーデニングに使っていると聞きました。
黄色い汁がついて、原っぱにすぐ生えて、すぐに大きくなって、結構根っこが深くて抜けなくて・・・と嫌なイメージがあるので植えて育てる、と聞いた時には驚きました。
綺麗に写ってますねー!
写真のように小さいと可愛らしい気がします(笑)。
また寄せてもらいます。
花の解説もおもしろいのですが、
花たちの姿に見惚れてしまいます。
こんにちは。
いつも、ご覧いただいて嬉しいです。どうもありがとうございます。
そうそう、タケニグサ。欧米でガーデニングに使われているそうですよね。初めて聞いたときは、ビックリしましたよぉ。確かに小さいうちはいいのですけど、すぐ大きくなっちゃいますもんね。なんでまた、って感じです。
でも、逆に日本のガーデニングに使われている花が、外国では道ばたの雑草ってこともあるみたいですし、不思議なものですね〜。
写真は、なかなかうまくいきませんですよ。今回の下の2枚は、わざわざ、岩の隙間からつぶれるように出ていたものを写したんですよね。もっとふつうきれいな状態のを写せばよかったのですが。でも、綺麗っておっしゃってもらえて、うれしいです。
yocchiさんのお写真、これからも楽しみにしています!
こんにちは。
写真も文章も拙いブログなんですが、お気に入りいただけて、うれしいですよ。
美しく写す腕がないもので、わたしは、植物にただカメラを向けてシャッターを押しているだけなんですよね。植物たちが生きているそのままの姿が、お伝えできているとしたら、とても嬉しいです。
また、お気軽にお立ち寄りくださいませ。