![]() 2004/04/21 | ![]() 2004/04/30 |
ヤブニンジンは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の少し暗めの林縁などにはえる多年草です。草丈は30cm〜50cm。葉や茎には毛が生えていて、全体的に柔らかな感じがします。
花期は4月〜5月。枝先の「複散形花序」に白くて小さな花をパラパラと咲かせます。花のつく枝(花軸)の先からたくさん枝が出て、その先に1つずつ花がつくのが「散形花序」ですが、「複散形花序」では、たくさん出た枝先にさらに小さな散形花序(小散形花序)がつくんです。傘の柄の先にさらに傘の柄が開いている感じかな。
ヤブニンジンの花には、雄花と両性花があって、小散形花序の中心部分には雄花、周辺部分には両性花があります。果実は両性花の方にできるので、果実ができてくるとその差がさらにはっきりわかります。
果実は長さ2cmくらいの細長いもので、先のほうが太くなり、基部の方は細くなっています。花火のような状態でついている果実をよく見ると、まわりには刺毛がたくさん生えていて、白っぽくちょっとケバケバ感があります。
セリ科といえば、草の名前を覚えはじめたころに、イネ科やカヤツリグサ科についで、苦手分野になってしまう代表格。名前を調べようと図鑑をめくると、白くて小さい花をたくさんつけたセリ科の植物がいっぱい載っています。写真におさめるときは、花序の様子や葉はもちろん、「果実」を探して撮影しておくと名前が調べやすくなるはずです。
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葉は「2回3出羽状複葉」で、長さ10cm〜20cmくらい。2回3出羽状複葉というのは少々複雑なので、まず「3出複葉」というのをおさえます。3出複葉というのは、「シロツメクサ」や「ヘビイチゴ」のように1つの葉が3つの小葉からなっている葉のことです。それが2回枝分かれを繰り返したものが「2回3出複葉」です。ところが、ヤブニンジンの場合はこれだけでおさまってくれず、さらに3出複葉が羽状についているのでこんがらがってしまいます。
質は薄くて両面に毛があって柔らかい感じがします。1つ1つの小葉は卵形で、縁にはギザギザ(鋸歯)があります。名前は、藪のようなところに生えていて、葉がニンジンに似ているところからきているそうです。しかし、似てますかね。。。
【和名】ヤブニンジン [藪人参]
【別名】ナガジラミ
【学名】Osmorhiza aristata
【科名】セリ科 UMBELLIFERAE
【撮影日】2004/04/21、2004/04/30
【撮影地】東京都八王子市
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ヤブニンジンの記事を書こうと思っていたのに、先越されちゃいましたねー。
あんま書くこと残ってないですね(汗)。
写真だけのっけて、詳細はボロボロブログさんで、ってしようかな(笑)。
実は私はこの草が大好きで(花も実も全体のすがたも)昨年秋に種子を蒔いたんですが、まだ発芽しません。
ヒッツキ虫って、意外と発芽が難しいものが多いです。ウシタキソウもミズタマソウもまだ発芽しませんし・・・。
2回3出複葉の説明もいただきたいですね。
分かりやすくて助かります。
こんばんは。
ぜひぜひ、ごまのはぐささんの「ヤブニンジン」への深い想いを記事にしてくださいよぉ。ヤブニンジン、白っぽくて柔らかな感じがいいんだけど、ボロボロの記事では、通り一遍の内容しかなくて愛情はこもってないですもん。2回3出複葉のあたりの説明も、使っていただいていいのですけども、あれでいいのかな〜って感じですよ。
ひっつきむしって発芽しにくいものが多いんですね〜。知らなかったですよ。せっかく遠くに運ばせるしくみを作っているのに、発芽しないんじゃどうしようもないですね。オナモミあたりは、なかなか茎から落ちたりせずに、運ばれるチャンスをかなり長いこと待っているものもあるくらいだから、休眠期間が長いものなのかな〜。発芽を待つのは、忍耐力が必要なんですね。芽生えをみたら、そんな苦労、ふっ飛んじゃうのかな。
私は愛情はあってもボキャブラリーが・・・(笑)。
ある種のひっつき虫って、けぶけぶの殻が給水を妨げるのかな、とか思います。野草の種子は頑固ものが多くて、一筋縄でいかないです。変なところで芽を出すと即死に繋がるんで当然ですが・・・。
でもひっつき虫の仲間は発芽すると成長が早いものが多いです。
種子蒔きは、楽しいですよ。生える環境から発芽条件を推理したり。園芸種には無い楽しみです。
3年以上にわたって毎年少しづつ発芽するのもあって、そのエネルギー備蓄は脅威的です。
愛情あるというのが一番ですよ。
なるほどぉ。ケブケブ、確かに給水しにくそうですね。それに変なところで芽生えてはそれこそ元も子もないですもんね。でも「コナラ」などは、動物に運んでもらえなかったものなんかは、よく変なところで芽生えて、乾燥してしまってますよね。
種まき、おもしろそうですね。自分でやらないものだから、野山で芽生えや幼植物を見てもなかなか種類がわからなかったりするんですよね〜。わかるまで、数年かかったりして。やってみたい気持ちはあるんですが、ダメにしてしまいそうなので、なかなか。気が短いしなぁ。
ごまのはぐささんのところで、自分もやってる気持ちで、楽しませてもらいます。
種子のエネルギー、すごいものですね〜。それで、埋土種子を発掘して、絶滅したものや、しそうなものを再生するような試みももあるんですね。逆に耕したら雑草の種子が山盛り発芽してきたなんてこともあるでしょうけども。
愛情なら、hanaboroさんも負けてなさそうかなー。私がちょっと暑苦しいだけで(笑)。
短気なんですかー?確かにヤマシャクヤクのように種子蒔きから開花まで7年、花の寿命は3日というのもありますが・・・。ルリハコベというのは、発芽から1ヵ月で開花して、その後1ヶ月で結実というのもあります。ちかくこちらで紹介しますが、
もし興味を持てましたら是非一度お試しくださいませ。
毎度種子からオニバスという記事を読んだことがあります。とつぜんあんなのが生えてきたらびっくりするでしょうね。
こんばんは〜。今日は何回もご挨拶している感じですね。
愛情、ないのかもと時々思ったりします。浅ーく付き合ってますし。気は短いですよ。なかなか1つのことが長続きしないようなところがあります。7〜8年も続けられそうにないなぁ。ヤマユリやカタクリなんかも何年もかかるんですよね〜。
速攻のルリハコベ、これなら何とかなるかなぁ。魅力的ですね。しかし、これは確か帰化植物ではないですか。短命で、もし年何回も発生となると、ちゃんと管理しないとダメだから、うぅ〜、無理かも。。。