2005年04月14日

ムシクサ

ムシクサ Veronica peregrina


ムシクサは、本州〜沖縄に分布し、主に水田や川沿い、湿地など湿り気の多い場所に生える一年草です。草丈は10cm〜20cmほど。茎は直立して、茎の下のほうで枝分かれします。葉は下のほうでは対生しますが、茎が伸びてきて上部につく葉は互生です。形はやや幅の広い線形で、細長く先はとがらず丸みがあります。茎はほとんど毛がなくツルッとしているし、葉は少し分厚くてちょっと多肉質の感じ。縁のギザギザ(鋸歯)は粗めで、上部の葉では、ほとんどないこともあります。

花期は4月〜5月。葉の付け根の部分に小さな白い花を1つずつつけます。しばしば花(花冠)は淡い紅色を帯びていて、直径2mm〜3mmの本当に小さなものです。柄もあるにはありますが、1mmくらいのごく短いものです。花冠は4つに深く裂けるので、花びらが4枚あるように見えます。雄しべは2本、雌しべは1本。花に比べてガク片の方が大きく、葉を小さくしたような状態のもので、長さは5mmくらいです。ガク片は4つあって、果実の時期にも残っています。

小さい花の中をのぞくと、中央に白い点がポチッと1つ見えます。これは、雌しべの先の柱頭で、その下には緑色で丸っこく膨らんだ子房が見えます。2本の雄しべの先の葯は黄色。このあたりはミリ単位のものですが、これくらいの範囲なら一応、肉眼でも観察可能です。でも、ルーペがあった方がわかりやすいし、楽でしょうね。

果実は、長さ、幅ともに2mm〜4mmの平べったいハート形。果実の形を見ると、同じ属の「オオイヌノフグリ」などとよく似ています。ところが、このムシクサの果実は、もっと大きい球形になっていることがあります。それは、もはや果実ではなく「虫こぶ」です。ムシクサに虫こぶを作るのは、ゾウムシの仲間で、子房の部分に産卵し、その中で孵化して幼虫が生活し蛹になるそうです。こんなふうに虫こぶができることから、「ムシクサ(虫草)」と呼ばれています。

写真は、ムシクサの茎のやや上の部分を写したもので、葉は互生し、葉腋には若い果実ができています。ガク片も4つ見えています。幸いにも(?)、この時点ではまだ虫こぶにはなっていないようでしたけど。

【和名】ムシクサ [虫草]
【学名】Veronica peregrina
【科名】ゴマノハグサ科 SCROPHULARIACEAE
【撮影日】2004/04/23
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 19:42| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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