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キツネアザミは、本州、四国、九州、沖縄に分布し、道ばたや田畑の周辺、空き地など日当たりのよい場所に多く見られる越年草です。主に秋に芽生えて、根生葉をロゼット状に広げて越冬します。日本以外にも中国、朝鮮半島など広く分布していて、日本には古い時代に農耕とともに入ってきたものと考えられています。いわゆる、「史前帰化植物」の1つだといわれています。
草丈は、60cm〜1m近くにまでなりますが、かなり小さな個体でも開花しています。春先の生長はめまぐるしいものがあって、グングン生長し、いつの間にか花を咲かせています。地上部も直立していますが、地下の根も直根性、まっすぐに下に伸びているので、意外にスポッと抜けたりします。
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一見、アザミ属(Cirsium)の花に似ていますが、キツネアザミ属(Hemistepta)という別属に分類されています。よく見ると、かなり違いがあります。葉は質が薄く柔らかくて、アザミ属のようなトゲはありません。さわっても痛くないです。葉は羽状に深く裂け、葉の裏には白い綿毛が密生していて、真っ白に見えます。似ているけれど異なるもの、有用なものに似てはいるけど役に立たないものに、「キツネ」や「イヌ」とつくことが多いのですが、キツネアザミもアザミに似ているけど実はぜんぜん違うことからきているそうです。
花期は5月〜6月。茎の上部で枝分かれして、花(頭花)は上向きにつき、真上にツンツン突き上げるような状態になります。直径2cm〜2.5cmくらいで、紅紫色。下の球形の「総苞」という部分には「総苞片」が並んでいて、そこはなにやらゴツゴツした状態になっています。それは、総苞片にトサカのような突起があるためです。蕾の状態でも、何となくその突起の片鱗が。。。
紅紫色の部分は、たくさんの小さい花(小花)が集まっていて、すべて筒状花。花びらに見える舌状花はありません。頭花をよく見ると、先が2つに裂けてクルッと巻いているものが飛び出しているのが見えます。それは雌しべの花柱です。果実には白い冠毛があります。
【和名】キツネアザミ [狐薊]
【学名】Hemistepta lyrata
【科名】キク科 COMPOSITAE
【撮影日】2005/05/05、2004/04/10
【撮影地】東京都日野市
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普通の薊のようには開かないみたいですね。
今、我が家はトゲのあるアザミがいっぱい咲いています。
これなら、抜くのも楽そう!
こんばんは。
そうですね〜。キツネアザミはトゲがないし柔らかな感じがしますね。そうそう、いわゆる「アザミ」よりはフサフサ開かない感じ、モジャモジャして、ピンクのちっちゃなモップみたいです。
今咲いているアザミはきっとノアザミなんだろうな。アザミ属の多くは多年草ですから、キツネアザミよりは根がしっかりしているし、トゲもあるし、抜くのはなかなか大変ですね。
また記事とリンクさせていただきました。
今回はサイト全体が対象ですので、こちらでお断りさせていただきますm(__)m。
キツネノアザミはちっちゃくても一冬越すと咲きますね。
実生ポット苗を植え替えずにいたら、今は草丈7cmで5mmの蕾を2個ずつ付けて上の画像のように色づいてます。ちっちゃ(^^)。
どもども。いつもありがとうございます!
さすがですね。キツネアザミもおそばにありましたかぁ〜。草丈7cm、かわいいサイズですね。5mmの蕾、2個。芽生えたとき、花が咲いたとき、それぞれに嬉しい瞬間ですが、育てている植物の蕾が見えたときもまた、とても感動的ですね。
ここの記事中の左下の写真は、小さい個体ではあったのですが、20cmはこえていました。右下の写真のは、ロゼットが巨大で、直径50cmもあるのもで、この後花が咲くころにはわたしの背をはるかにこえて、高さ180cmくらいになってしまいました。個体によってこんなにも違うものなんだなあと改めて思いましたよぉ。