2005年05月11日

エイザンスミレ

エイザンスミレ Viola eizanensis


エイザンスミレは、本州、四国、九州に分布し、主に太平洋側の山地の林内に見られる多年草です。多くのスミレがハート形やほこ形をしている中で、深く裂けた葉は特異な存在に見えます。日本に見られる切れ込みのある葉をもつものは、エイザンスミレのほかに、「ヒゴスミレ (Viola chaerophylloides f. sieboldiana)」、「ナンザンスミレ (Viola chaerophylloides)」などです。

草丈は5cm〜15cm。スミレの中では大型。やや暗めの林内から、林道脇の崩れた斜面など他の背の高い植物がないようなところなら、比較的幅広く環境に生育しているようにみえます。名前は、比叡山に多いということからきているそうですが、ふつうに見られるのは、関東周辺です。また、葉がほとんど切れ込まず単葉になったものやそれに近いような状態になった「ヒトツバエゾスミレ (Viola eizanensis var. simplicifolia)」と呼ばれるタイプもあります。

エイザンスミレ Viola eizanensis


葉は深く3つに裂けるのが基本です。裂片がさらに切れ込んで、ヒゴスミレのように見えるときもありますが、付け根のあたりをよく見ると3つに裂けているので、5つに裂けるヒゴスミレと見分けられます。花後の葉はさらに大きくなって、長さ15cmくらいにはなります。柄も長くなって、その姿は、ふつうにイメージするスミレとはかけ離れています。

花期は4月〜5月。直径2cm〜2.5cmほど、色は淡い紅紫色〜ほぼ白色。花弁はやや細く縁が波打った状態になることが多いです。一番上の写真のものも花弁がシャッキリしてませんでした。スギの落ち葉の間から出てきたような状態だったので、なおさらです。かなりたくさん開花しているようなのですが、花柄もグニョグニョに曲がって、何だかよくわからなくなっていました。こんなのでは説得力がないですが、一応、下2枚の花弁(側弁)の内側は有毛です。

エイザンスミレ Viola eizanensis


スミレ属の植物を庭に植えていると、「ツマグロヒョウモン」という蝶がやってくる。幼虫はだいたいどんなスミレ属でも食べてしまう。しかし、いろんなスミレの中でもそれなりによく食べるものとあまり食べないものがあるようだ。エイザンスミレもムシャムシャと食べられてしまうのだが、ヒゴスミレはあまり食べられなかった。ツマグロヒョウモンの幼虫は葉の縁につかまって、ガッガッガッと食べていく。ヒゴスミレは葉の切れ込みが細かく深くて、食べにくいのでしょうね。成分や毛の量なんかが違ったりするのかもしれませんが。ツマグロヒョウモンにどれほどの選好性があるものやら。植食性昆虫の世界も奥深そう。

【和名】エイザンスミレ [叡山菫]
【別名】エゾスミレ
【学名】Viola eizanensis
【科名】スミレ科 VIOLACEAE
【撮影日】2005/05/04
【撮影地】東京都八王子市

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posted by hanaboro at 15:47| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | スミレ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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