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ヤブタビラコは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山地や丘陵地の林縁や田んぼの周辺ななどに生える越年草です。全体に軟毛が生えていて、柔らかな感じがします。
![]() 2005/05/04 八王子市 開花期の根生葉 | ![]() 2005/02/13 多摩市 越冬中の小さい根生葉 |
草丈は20cm〜30cmくらい。茎は斜めになったり倒れたりで、全体的に弱々しい感じがあります。伸びた茎にも葉はありますが、根生葉に比べるとずっと小さいものです。花が咲くころの根生葉はやや斜め上に立ち上がってきます。根生葉は羽状に切れ込んで、てっぺんが丸く大きくなっています。長さは10cm内外です。
越冬中は小さな根生葉ですが、てっぺんの大きな葉が目印です。
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花期は5月〜7月。花茎の上部の方は少し枝分かれして、まばらにポツポツと咲きます。花(頭花)は黄色。直径は1cmないぐらいです。小さいですが、いくつもの小さい花(小花)が集まった集合花です。花びらに見える「舌状花」は20枚ぐらいあり、中央部には「筒状花」もあります。花がしぼんだ後、花首がちょっと下垂するような状態になります。小さなツボみたいな「総苞」が下を向いている様子は、「ガンクビソウ」の仲間を思い起こさせる感じ。
果実(そう果)は長さ2mm〜3mm程度の小さなもの。キク科ですが、綿毛(冠毛)はなく茶色い種子だけがでてきます。この小さな果実に突起がないのが特徴で、先の両端に突起のあるコオニタビラコと区別できます。ちなみに「コオニタビラコ」の方は、春の七草の1つ「ホトケノザ」だといわれています。
ヤブタビラコもコオニタビラコも、同じキク科ヤブタビラコ属(Lapsana)に分類されています。一方、もう1つ名前のよく似た「オニタビラコ (Youngia japonica)」は、オニタビラコ属の植物です。
【和名】ヤブタビラコ [藪田平子]
【学名】Lapsana humilis
【科名】キク科 COMPOSITAE (ASTERACEAE)
【撮影日】2005/05/04、2005/02/13、2004/05/15
【撮影地】東京都八王子市、多摩市
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