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キンランは、本州、四国、九州に分布し、山野の林内に生える多年草です。草丈は40cm〜50cm。葉の長さは10cm内外、幅の広い長い楕円形。つけ根は茎を抱くように、互生してつきます。名前は、鮮やかな黄色の花色から「金蘭」といいます。
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花期は4月〜6月。花は黄色、幅1.5cmくらい。しっかりと開かず、ちょっとだけしか開かないところがまた、贅沢な感じ。ちらっと見える唇弁はほんのりと朱色を帯びているのですが、一番上の写真では、すでに唇弁は傷んで縮れたり、脱落したりしてよくわからない状態になっています。かなり花数の多い個体だったんだけど。新鮮な花だったら、こんなに開かないのに。。。
本来は唇弁は3つに裂けていて、そのうち中心の裂片(中裂片)には隆起したヒレのようなものが数本あって、「隆条」または「隆条線」などといいます。茎から枝分かれして花がついている感じですが、その枝に見えるところは子房です。花時期の子房の部分は細長いので、枝のような、花柄のような感じに見えますが、受精していれば花後には果実となります。
![]() 2004/05/15 終わりかけの花 | ![]() 2005/02/13 冬に見られた果実の残骸 |
キンランの花は上を向くので、花の後ろ側は下になる。その下の方には短い「距」があります。新緑の雑木林の中で、この黄色に輝く花はかなり目立ってしまう。林の中をパッと明るくするその花に目が留まる。同じようなところに生育する「ギンラン」の方は、ずっと小さくて花も白色だから、やや目につきにくい。開花個体も比較的見られるのだが、キンランの方は。。。
【和名】キンラン [金蘭]
【学名】Cephalanthera falcata
【科名】ラン科 ORCHIDACEAE
【撮影日】2005/05/14、2005/02/13、2004/05/15
【撮影地】東京都
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