2005年05月17日

アメリカフウロ

アメリカフウロ Geranium carolinianum
2005/04/28 若い苗

アメリカフウロは、北アメリカ原産の一年草または越年草です。日本に入ってきたのは昭和のの初めごろのことだったそうです。現在では本州、四国、九州の道ばたや荒れ地、河原、畑などにふつうに見られます。また日本以外にも、アジアなどに広く帰化しています。

茎がよく枝分かれして、草丈は30cmほどまでなりますが、かなり小さな個体でも開花可能です。全体に軟毛や細かい毛がたくさん生えていて、白っぽくフサフサと柔らかい印象です。茎や葉柄は赤みを帯びていることが多いです。さらに葉の縁も赤っぽい。

葉柄は長くて、葉は深く5つ〜7つに裂けた裂片が、さらに細かく裂けています。輪郭をなぞると高さの短い五角形。

アメリカフウロ Geranium carolinianum
2005/05/14 若い果実

花期は4月〜9月。葉の脇(葉腋)から花柄が出て、淡い紅色の花が数個咲きます。同じフウロソウ属の「ゲンノショウコ (Geranium thunbergii)」の場合だと、花の直径は1cm〜1.5cmほどありますが、アメリカフウロの場合はそれよりもかなり小さくて、直径5mm程度です。花弁の幅も狭いです。

花弁もガク片も5枚あります。花の中央に見える雌しべの花柱も5つに裂けます。アメリカフウロの花柱はゲンノショウコに比べると、丸みがあって小さな桜が花の中に咲いているみたいです。ゲンノショウコは花弁が丸く花柱は細長い。アメリカフウロは花弁は細いが花柱は丸っこい、そんな感じ。そして、アメリカフウロは花弁とガク片が同じくらいの長さ。葯が開いた雄しべは雌しべよりも長く伸びるのかもしれないです。

アメリカフウロ Geranium carolinianum
2005/05/14
群生する様子
アメリカフウロ Geranium carolinianum
2005/06/28
裂開した果実


開花が始まってしばらくたつと、あちこちで花と同時に若い果実(さく果)も見られるようになります。さく果は、下の方は丸くふくらんで、先はピューッと上にくちばしのように伸びた形になっています。とっくりの先がものすごく細長くなったような感じ。その長く伸びたものは「心皮」と呼ばれる部分で、種子は下のふくらんだ部分にあります。ガクやくちばしにも毛が目立ちます。そして、これが熟したときが、またさらにおもしろい形になるのです。

そのうち、ガクが黄色っぽくなり縁も赤っぽく、または全体的に茶色っぽくなってくると果実も熟してきます。果実は熟すと黒褐色になって、くちばしの部分が下から5つに裂けてクルッと上にカールします。そのときカールした裂片の先には種子が1つずつついていきます。その様子はとてもユニークです。もうすぐそれが見られると思います。帰化種で、田畑などでは困った雑草ですが、見た目はいろいろとおもしろい面を持った草でもあります。

【和名】アメリカフウロ [アメリカ風露]
【英名】Carolina geranium
【学名】Geranium carolinianum
【科名】フウロソウ科 GERANIACEAE
【撮影日】2005/04/28、2005/05/14、2005/06/28
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 12:10| 東京 ☀| Comment(6) | TrackBack(3) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
うちも一日違いでアメリカフウロアップしたばかりですぅ。

あの背の高いオニタビラコのところに生えていて、何ヶ月もの間、ずうっと園芸植物かと思っていました。

帰化植物の図鑑を図書館から借りていて、ぱらぱらめくっていたら偶然発見して、それでわかりました。

ゲンノショウコもアメリカフウロも名前は知っていたのですが、手持ちの図鑑では写真を見てすぐそれとはわからなかったのでした。
Posted by 混沌 at 2005年05月18日 01:25
*混沌さん*

この1カ月くらいの間、いろんなブロガーさんのところで、「アメリカフウロ」を拝見します。確かに、園芸植物的な雰囲気もあるし、よく目にとまるのかも。オニタビラコはその後、出てきたりしないのかな。

1つの図鑑だと載っている写真も限られますもんね〜。同じ植物でも写真によって全然印象が違ったりするから、複数併用するのがいいかもですね。
Posted by hanaboro at 2005年05月18日 08:55
hanaboroさん こんばんは
瞬く間に広がってしまいましたね、アメリカフウロ。
ゲンノショウコを知らなくて、アメリカフウロを知っているという人が多数派になるのは時間の問題かもしれません。。。
また記事をお借りしましたm(__)m。
Posted by ごまのはぐさ at 2005年05月18日 23:55
アメリカフウロ、確かにいろいろなところで見ますね。自分と同じ境遇の人たちが多いので、ちょっと面白いですね。

北砂利のほうではオニタビラコは出てきませんねえ。
庭には、ちっちゃいのが花咲かせてたり、綿毛を飛ばしています。
あまり大きいと、妻に引っこ抜かれちゃうんです。
Posted by 混沌 at 2005年05月19日 00:26
*ごまのはぐささん*

すごいですね〜、ブログってと改めて思いました。すっかり圧倒されてしまってます。アメリカフウロ。人の関心をひく何かを持っているのかもしれませんね。自分がこの植物を知ったのはゲンノショウコよりもずっと後、つい最近のことですよ。

もう少したつと、ゲンノショウコももっと登場するかもですね。
Posted by hanaboro at 2005年05月19日 10:01
*混沌さん*

いろんなところで、いろんな切り口の記事が見られるのも楽しいですね。写真の撮り方もぜんぜん違っているし、いろんな角度から、1つの植物を見つめられるし。

オニタビラコ。ちっちゃい方は健在だったんですね。綿毛が飛んでるってことは、また増殖の可能性が。草とりのたたかいは続く?
Posted by hanaboro at 2005年05月19日 10:06
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