ゲンノショウコ: 花図鑑のボロボロブログ！

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2005年05月17日

ゲンノショウコ

2004/11/09

ゲンノショウコは、北海道、本州、四国、九州に分布し、山野の日当たりのよい草地などにふつうに見られる多年草です。フウロソウ科フウロソウ属(Geranium)の植物で、この仲間の大きな特徴のひとつは、果実(さく果)が熟したときに5つに裂けてその裂片がクルリと巻き上がることです。その裂片の先には種子が1つずつついていて、とてもユニークな姿になります。その様子がみこしに似ているということで、ミコシグサという別名もあるそうです。

花期は7月～10月。「アメリカフウロ (Geranium carolinianum)」よりは遅めの開花です。花は柄の先に2つずつつきます。直径1cm～1.5cmくらいの淡い紅色～白色の5弁花です。ガク片も5つ、花の中心にある雌しべの花柱も5つに裂けます。

花後にできた果実は、次第に先端が長くくちばしのように伸びて、種子は下のガク片の中にできます。熟して黒褐色になると、下から果実が裂けて、裂片が種子を先につけて巻き上がり、おもしろい形が出来上がります。巻き上がったときに見えている中心の軸は、「心皮間柱」といって、花軸が雌しべを貫いて花柱まで伸びたものです。雌しべが複数の「心皮」という胚珠を包み込むものからできていて、そのそれぞれに種子ができています。

2005/04/03

シーズン初めのころは、比較的地面に近い位置で開花していますが、次第に生長して草丈30cm～50cmにもなります。全体に毛がたくさん生えていて、葉柄、花柄やガクなどには腺毛もあります。特に瑞々しいときはやわらかな印象です。特に若い葉には紅紫色の斑点があり、アメリカフウロとは葉の形も違っています。

2005/07/16

根生葉や茎の下部の葉は掌のように5つに裂けることが多く、上部の葉は3つに裂けることが多いです。裂片はアメリカフウロの方がずっと細かくなります。また根生葉のころは、葉が互生しますが、茎葉は対生です。

【和名】ゲンノショウコ [現の証拠]
【別名】ミコシグサ[御輿草]
【学名】Geranium thunbergii
【科名】フウロソウ科 GERANIACEAE
【撮影日】2005/04/03、2004/11/09
【撮影地】東京都八王子市、日野市

■当ブログ内関連記事
→アメリカフウロ
→コフウロ

■Trackback People : 野草people

[追記]
2枚目の根生葉の写真、思い込みで掲載してしまいました。今後、差し替えるかもしれません。

【関連する記事】

この記事へのコメント

こんばんわ＾＾
アメリカフウロを初めて見た時、この草と間違えたんです ^_^;
これも、フウロソウ科なんですね。
よく学ばせていただきます。

野草people、使ってくださってるんですね～♪
ありがとうございます(^-^)
これからもガシガシ使ってやってください(´▽｀)

Posted by りお at 2005年05月17日 23:15

＊りおさん＊

こんにちは＾＾
アメリカフウロとゲンノショウコ。同じ仲間なのでやっぱりよく似てますね。わたしも最初、わかりませんでした。花は、アメリカフウロはずいぶん咲き進んだけれど、ゲンノショウコはこれからって感じだと思います。

野草people、使わせていただいてました。これからもよろしくお願いします！バナー、水滴のも野草のも素敵。センス、いいなぁ～。

Posted by hanaboro at 2005年05月18日 08:48

ゲンノショウコ。
薬草ですよねー。とても苦いと聞いたことあります。

くるんと巻いた種の莢。
ちょっとおしゃれな街灯のようです^^

葉っぱを見て「あっ！」と思いました。
というのは、去年、庭にあったんです。でも、･･･母が抜いてしまっていました･･･(泣)

Posted by 実桜 at 2005年05月18日 09:28

追伸。
当ブログの『お気に入り』に入れさせていただきます^^
『ぶろぐの和・ワ・輪』です。これからもよろしくお願いします。

Posted by 実桜 at 2005年05月18日 09:31

＊実桜さん＊

そうそう。薬草です！昔から下痢止めに使われてたとか。それで、服用するとすぐに効くということで、「現の証拠」と名づけられたそうです。

やっぱり、果実の形が見どころですね。本当だぁ、こんな形の街灯、ありますね～。踊っているみたいで楽し形！

実桜さんところなら、きっと大丈夫。またどこかからやってきてくれますよ。お近くの土手にもあるかもですね。

＊追伸
コメント入れ違いになったようです。
お気に入りに入れていただいて、どうもありがとうございました。こちらの方は、MyblogListでリンクさせていただきました。これからもよろしくお願いします！

Posted by hanaboro at 2005年05月18日 10:03

お久しぶりです♪
ゲンノショウコのくるりんとした部分、子どもの頃、学校の帰り道に唇にいくつもひっかけて遊びました。
（なぜそうするのかと尋ねられても困りますが笑）秋田の子どもは、そうやって遊んでました～。（懐）

Posted by ひなっぺた at 2005年05月18日 19:08

＊ひなっぺたさん＊

お久しぶりです。すっかりご無沙汰しておりました。

そうなんだ。さすがです。秋田の子どもさんは、何でも遊びに使ってしまう才能があるみたい。そうやって遊ぶんだぁ。

自分は福岡だったのですが、子どものころの帰り道にあった草で覚えているのは、ジュズダマです。小学校の低学年のころは、まだ水路にふたがなく、その縁にジュズダマがあって、お手玉用に集めていました。ときどき亀もいましたね～。

Posted by hanaboro at 2005年05月18日 20:28

hanaboroさん　こんばんは
ものすごーくご無沙汰してしまいましたm(__)m。
前々から考えていたのですが、ついに容量がさし迫ってブログを引越しました。
記事の移転作業の進展を見ながらご挨拶にあがるつもりが、作業が全く進まずすっかり遅延してしまいました。

ところでこちらのブログでゲンノショウコの花色の分布について皆さんにお伺いしております。つきましてはhanaboroさんにもお教えいただけませんでしょうか？
ご面倒でなければご協力をお願いいたしますm(__)m。

Posted by ごまのはぐさ at 2005年08月25日 21:52

＊ごまのはぐささん＊

お引越しされたのは、知っておりました。ご挨拶せずにすみませんでした。

すでに東京の情報はみなさんが寄せられてましたので、必要ないかなとも思いましたが、せっかくお誘いくださったので、さきほどお邪魔してまいりました。

Posted by hanaboro at 2005年08月26日 19:58

お世話になりありがとうございました。

Posted by ごまのはぐさ at 2005年08月28日 19:58

＊ごまのはぐささん＊

わざわざ、ご訪問いただいて恐縮です。さらにたくさん情報が集まっていますね～。きっと、ごまのはぐささんのお人柄で、皆さん引き付けられているのでしょうね。

Posted by hanaboro at 2005年08月29日 10:09

こんばんは。
雌雄異熟の件ですが、正直細かに観察しておりませんので、確たることは言えませんが、あり得ることだと思いますね。
間違いなく自家受粉らしい動きはするのですが、これは私の思い込みで、キキョウ科の植物のように、逆に自家受粉を防ぐ動きかもしれません。。
私はゲンノショウコが紅白で雑種化が進行しないのは、この自家受粉の仕組みが関係していると思うこともあるのですが、よく考えると苦しいですね。
しかしもう涼しくなって生理活動も鈍化していますから、雌雄異熟は来年の宿題ということで･･･。

思い込みで考えるといけませんね。ありがとうございました。

Posted by ごまのはぐさ at 2005年10月05日 23:17

＊ごまのはぐささん＊

こちらこそ、丁寧にお答えいただいて、ありがとうございます。

どんな仕組みで受粉が行われているのか、興味が尽きないところですね。両方の仕組みを状況によって使い分けているのかも知れませんね。有効なポリネーターがいる場合は雌雄異熟で、いない場合は自家受粉とか。気温が高い時期または地域ではポリネーターの動きが活発で、他家受精しようとするのかもしれないし。まったく昆虫を呼ぶ必要がなければ花弁はもっと貧弱なものでもよさそうだし、閉鎖花でもよいわけで。

紅白の雑種化が進行しないのは、どうなんでしょうね。お互いに色の異なるもの同士では受粉が成立しない仕組みがあったりして。例えば、白の花の花柱に赤の花粉がついても受精がうまくいかず結実しないとか。白は白と、赤は赤としか結実できないとすれば、自家受粉でなくとも雑種化は進行しないんじゃないかなぁなんて。強制的に赤と白を交配させる実験なんぞやってみると何かわかるのかもですけど、ううう。

Posted by hanaboro at 2005年10月06日 12:27

Posted by english amatuer porn at 2006年10月03日 11:14

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