2005年05月18日

イヌガラシ

イヌガラシ Rorippa indica
終わりかけの花と若い果実

イヌガラシは、日本全土に分布し、山野の草地や道ばた、水田の周辺などに生育する多年草です。日本以外にも中国や朝鮮半島などアジア東南部に分布しています。草丈は20cm〜50cmくらい。根もとの方から枝分かれして株立ち状になり、さらに上部でも分枝します。茎は上方向に伸びることは伸びるのですが、グネグネと曲がりくねりながら伸びていきます。特に上部で枝分かれした茎は花が咲き進むにつれて横方向に曲がる感じです。

同じイヌガラシ属の植物は、在来種の「スカシタゴボウ (Rorippa islandica)」、「ミチバタガラシ (Rorippa dubia)」、「コイヌガラシ (Rorippa cantoniensis)」などがあります。さらに数種の帰化種も知られています。その中で、特によく見られる種で似ているのが「スカシタゴボウ」だと思います。

より湿ったところに多い一年草のスカシタゴボウの場合は、根生葉がイヌガラシよりも切れ込みが深くギザギザしています。茎葉のつけ根はスカシタゴボウの方がやや茎を抱く感じが強いです。ですが、ちょっと微妙なときもある。そこで今度は果実(角果)を見ます。角果が長さ5mm〜8mmくらいで短めだったら「スカシタゴボウ」、1.5cm〜2cmくらいの長い角果なら「イヌガラシ」です。花もスカシタゴボウの方が小さめです。

イヌガラシ Rorippa indica
葉の基部は小さく耳状にはりだす。

ミチバタガラシの場合は、全体的に小さくて、地面をはうような状態になります。花弁が退化していることも多く、果実はまっすぐに伸びます。

主な花期は4月〜9月。それ以外の時期でも、暖かい地方では花が見られることがあります。花は直径4mm〜5mmくらいの黄色の4弁花。花弁は細長く傷んでくるとさらにピラピラに。

長角果のアブラナ科によく見られることなのですが、花が咲き進むにつれて、先に開いた花の中心にある花柱がグングン伸びて目立ってきます。果実は熟すにつれて、細長い円柱形になって、上向きに弓のように曲がってきます。

イヌガラシ Rorippa indicaイヌガラシ Rorippa indica


今回の写真の個体はまだ、果実も若くて長さは1cm。スカシタゴボウではなくイヌガラシとしたのは、葉の切れ込みが少ないということと果実がもう少し長くなりそうなことからなので、ちょっと決め手に欠けるところがあります。両者の雑種もできるということでなかなかです。

【和名】イヌガラシ [犬芥子]
【学名】Rorippa indica
【科名】アブラナ科 BRASSICACEAE (CRUCIFERAE)
【撮影日】2005/05/12
【撮影地】東京都日野市

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posted by hanaboro at 15:46| 東京 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 花後図鑑 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
hanaboroさん、はじめてコメント書き込ませていただきます。

この間、散歩中に黄色い花のアブラナ科植物を見つけて、イヌガラシかしらスカシタゴボウかしらと特徴をおさえつつ家に帰り、図鑑で確認しました。
果実が長かったのでイヌガラシだったのだ、とまたひとつ植物の知己が増えたように思っていたのですが、両者の交雑もあるのですね。

私の持っている図鑑は、詳細な植物の見分け方が記載されていないので、hanaboroさんのブログはどの記事もほんとうに勉強になりますし、また、丁寧な記事作りにいつも感嘆しています。
これからも拝読させていただきますね。
Posted by つぶら at 2005年05月18日 19:06
*つぶらさん*

コメント書き込んでくださって、ありがとうございます。

イヌガラシとスカシタゴボウ。だいたいは果実でいけそうですね。一年草と多年草という違いなんて関係ないんですね。近くにあれば交雑してしまうそうです。両方ありそうな田んぼの周辺だと要注意かもしれませんね。

植物についての知識は、もう全然たいしたことはなく、わからないことだらけで、記事もシャキッとしてないのです。妙なこともたくさん書いてしまっていると思います。でも、つぶらさんにお褒めいただいて、とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いします。
Posted by hanaboro at 2005年05月18日 20:19
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