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ヤマユリは、本州中部以北の山野に分布している多年草です。生長とともに林の縁から斜めに垂れ下がるように伸びていくので、足元近くで花を見ることもありますが、茎の長さは1m〜2mぐらいにはなっています。葉の数も20〜30枚。関東地方の里山の代表的なユリなのですが、特別に保護されていない場所だと、開花個体は少なくなっているようですね。それでも直径20cm以上もある花が咲いていると、強烈な香りを放ち、その圧倒的な存在感で驚かされます。
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ヤマユリは、他の園芸種の「ユリ」と同じように、「鱗片(りんぺん:いわゆる球根の一部)」で殖えるのかと思っていましたが、自生地では種子で繁殖しているのだそうです。7月の開花後、種子が熟すのが11月。その種子が発芽するのは翌年の秋、さらに春にならないと地上に葉を出さないといいます。
つまり、種子ができて地上に姿が見えるまで、1年半かかるわけです。さらに開花までは4〜5年が必要です。日照条件がよければ、4〜5年で順調に開花個体に成長できるようですが、日照条件が整わなければさらに開花まで時間がかかるそうです。山野でこの花に出会えるということは、かなりラッキーなことなのだと改めて思うのでした。
【和名】ヤマユリ [山百合]
【学名】Lilium auratum
【科名】ユリ科 LILIACEAE
【撮影日】2004/07/25
【撮影地】東京都八王子市
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